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僕は、その少女を捕まえるとデビットの居るところに向かう。少し暴れられたが、このくらい可愛いものだ。胡坐をかいて座り、少女が逃げないようにと股の間に座らせて細い腰に腕を回した。ついでに、左側にデビット右側にルイスが座っている。

少女は逃げることを諦めたのか、大人しく座って僕を見上げていた。大きな黄水晶(シトリン)の瞳が僕の姿を映している。さっきから思うのだけど、この子は体のわりに精神が幼い気がするのだ。


「二人は黙っててね?お嬢さん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」


「・・・・・・・ぅ。」


二人には悪いけど口は挟まないでほしい。デビットが聞けば、常に発動してる【威圧】のせいで聞きたいことも聞けないし。ルイスの場合は、ぐいぐい行き過ぎて少女に警戒されるだろうから。僕が少女の頭を撫でながら尋ねれば、コクリと頷いた。


「一つ一つでいいからね。まず、君の名前と魔獣の森の湖になんで一人で居たのか。」


「・・・・・イノ。ひとり、ちがう。セーレしゃん、いっしょ。」


「って!はぁ!?うそだろ?!た、隊長!」


「ふむ、近くに人の気配は無かったのだがな・・・。」


ルイスの大声に驚いたのか腕にしがみ付いてくる。僕はルイスを咎めるとイノと名乗った少女に質問を開始する。ルイスが焦るのは仕方ないが、ここは落ち着いて行動すべきだ。セーレ、名前から言って女性だろう。あの騒ぎで逃げてくれればいいのだけど・・・。


「ルイス、怯えてる。えーと、イノちゃん?そのセーレさんって人と湖に来たの?」


「......ぅ?セーレしゃん、いっしょ、いた。みずうみ、ひとり行く。」


「湖には、一人で行ったがセーレと言う人と一緒に居た、か。」


「隊長、よく分りましたね。」


デビットの言った後に頷いたことから正解なのだろうけど、一人でって事は近くに住んでるのかな?だとしたら、なんで魔獣の森のしかも深森に?


「セーレさんと二人でかな?あと、この森の近くに住んでるの?」


「セーレしゃん、二人ちがぅ。セーレしゃん、いっぱいぃう!セィレしゃん。ぅ?近くちがう。」


「ん?いっぱい?まぁ、いいや。イノちゃんは何処に住んでるの?」


「いーちゃん、森。中。」


一瞬、空気が固まった。この子は森の中に住んでると言わなかったか?僕が考えながらイノの頭を撫でてるとデビットがブツブツと何か言っている。


「せーれ、せーれ、セィーレ?セィレ・・・・・・?」


『ドウシタノ?デビ?』

『タノシイコトカ?リア!』


いきなり姿を現したのは僕らの契約精霊のファインとエンファ。イノはフヨフヨと飛ぶ二匹を見ながらニコリと笑った。


「せーれしゃん!」


「「「セーレさんって精霊のことか!」」」


ファインとエンファの方を見て三人して驚く。精霊を見える人間は余り多くない。契約精霊は契約しているため他人にも見えるようになるのだ。

契約精霊とは・・・・・・人と契約を結んだ精霊のこと

             他の人にも見えるようになる

             誓約の内容は個人によって変わる。

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