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少女と騎士


目の前に広がる暗緑の木々。ココは魔獣の森と呼ばれている。低レベルの魔獣が住んでいることから、そう呼ばれるようになった。


吸血熊ブラッティーベアの目撃情報があった!お前ら気を引き締めろよ!!」


先頭を歩いていた男は振り返り、鎧を着た男達に声をかける。


「はーい!って、デビット隊長~その噂マジなんですかぁ~?」

「そうだよね、デビット。吸血熊ブラッティーベアってB+の魔獣だよ?魔獣の森(ココ)で見たってどう考えてもデマじゃないかな?」


クリーム色の髪の少年と蜂蜜色の髪の青年が先頭の男に声をかける。


「ルイス、緊張感を持て。あぁ、デマであってほしいが。国王からの命だからな。」

「なにも、騎士がすることじゃないと思うけど?冒険者がいるでしょ?僕らだって忙しいのに赤騎士の隊長に白騎士の副隊長の僕にルーキーのルイスが抜けて国の守りギリギリだよ?」

「リアン。上位冒険者達が、つい最近そろいもそろって冒険に出たんだよ。」


デビットは燃えるような真っ赤な髪を掻きながら、蜂蜜色の髪の青年ーリアンーを見た。コイツの言うとおり騎士団の中でも腕の立つ者を引っ張ってきた。もし、吸血熊ブラッティーベアが居たとき俺一人では勝てないことは分りきっているからだ。もし、吸血大熊ブラッティー・ボーンベアだったら?俺達三人でもきついかも知れない。


「デビット隊長にリアン副隊長~。とりあえず、休憩しません?この先に水辺があるっぽいし~。」


水分を確保するため話を止め、とりあえずルイスの言うとおりに進む。


「よくわかったね?僕、水辺が近くにあるの気付かなかった。」

「スキル【探査】っす。まだ、うまく使えないんですけど~。」

「いや、十分だ。水があるのと無いのでは、ぜんぜん違うからな。」


ルイスの頭を撫でる。

少し歩いた先に大きく開けた場所があり、目の前に広がったのは大きな湖。そして、水浴びをする一人の少女。艶やかな銀色の長い髪に黄水晶(シトリン)のような瞳。その瞳が、俺達を捉えた瞬間、零れ落ちるのではないかと思うほど大きく見開かれる。


「ぅ、うえっ、ェェェェェェェエエエエエエ工工工ええええええええええええええ!」


凛とした声が森に響く。少女の少女の口から出たとは、思えないほどの声。


「ちょ、お嬢さん、落ち着いて。」

「うわぁ~お。こういうのがラッキースケベって言うんですよね~?」

「お、おい!ルイスは黙れ!」


俺達が慌てていると遠くから地響きが鳴り出し、木々が薙ぎ倒されている音が聞こえ出した。

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