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次期当主格たち5

「静龍。やはり、艮宮だったな」

 と虎牙から声がかかり、静は、

「そのようね。結果後手に回ってしまったけれど」

 と答えた。

 飛鳥の様子が気にかかって仕方がない。


「鬼脈へは行くつもりか?」

「この頃は実践が足りていないし、行く可能性はあると思っている。鬼脈を満たす土の気には、私たち碧羅の木の気が有効だと思うし」

「后直々に鬼退治か?麒鞠の次期王は随分と、自信があると見えるな」


「自信?」

「婚外交際を公言して后を自由にする。手元に置いてはおかないのだ。自分の元に必ず帰って来るという自信があるのだろう?麒鞠の次期王には、どれほどの手管があるものなのか、気になってやまない」

 虎牙はすっかりからかい口調でそう言うのだが、静は、相手をする余裕がなかった。


「虎牙、誰彼構わずに吹聴するのは懸命じゃないと思うけれど。婚姻には様々な形があるものだし」と静が言うと、虎牙は口笛を吹く。


「そんな言葉が静龍から出てくるとは。婚姻の何たるかを、お前から聞くことになるとは思わなかったよ」

 と言うのだった。まさか寛麒とは正式に婚姻をしていない、と言えるわけもない。


 そのとき、

「静」

 柔らかな声音が名前を呼び、静は反射的にそちらに視線をむけてしまう。考えるよりも先に動いてしまってから、視線の先にいる飛鳥と璃蛇の存在を認める。

「飛鳥」



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