神獣たちの初夜2
腰のあたりに寛麒の尾が絡んでくるので、静は少々戸惑いながらも腰を動かして逃げる。
「もう少し」
と耳元で寛麒は囁くが、さっきからもう少しと言われて一向に終わらない。
豊かな尾毛が腰の鱗を撫でてくるので、くすぐったくてたまらないのだ。静と寛麒は半変化を行い、本来の姿よりはやや小ぶりな龍と、麒麟の姿になっている。
婚礼後の初夜は「家の者に見張られている」と寛麒は言う。湯浴み後、香の香りのする装束に着替えた後で、静は侍従に広い部屋に広い天蓋付きの寝屋に案内された。
行けば、同じように白装束に身を包んだ寛麒がいたので、静は行われることを想像し、身体が硬直するのを感じる。
しかし、寛麒は至って平常で、「静龍。そう緊張しなくていい、ふりでいいのだから」と小さな声で静に言うのだった。
侍従が去ったのちに、寛麒から半変化をするように言われたので、静は神獣の姿を取る。同じようにして寛麒も神獣となり、静の腰部や尾に自らの尾を絡めてくるのだった。
寝屋の御簾の中で「子を成す姿勢だけでも見せておけなければ、いけない」と寛麒は言った。
どうしてそんな監視が必要なのか、と静は思うものの、先ほどから金色の御簾の向こう側より何者かの視線を感じるのはたしかだ。
だが、静はそれぞれ神獣の加護を受けているものが、本来どのように子を成すのか知らない。もちろん、寛麒とそういった関係になるつもりはないのだけれど。
ただ、静にとっては人の姿であるよりも、こうした変化の状態の方が気楽であるのは事実だ。人の姿である場合には、人としての感覚が邪魔をする。




