表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弧律の継承者  作者: yoshiki


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

第四話 オーラ

訓練場は駐屯地の端にあった。

アルトたちは訓練場で整列させられていた。訓練は戦闘型も非戦闘型も一緒に行い、男子も女子も分けない。


教官が前に出る。


「では訓練を始める。今日からの者も多いだろう」

「訓練は基礎組と元素組の二つに分けられる」

「この場に集まった者は基礎組だ」


寮に入った時期などで訓練の進度が分かれており、アルトたちは基礎訓練組に回された。


アルトがユリウスに小声で聞く。


「おいユリウス、いつから訓練やってんだ?」


「俺が寮に入ったのは一ヶ月前くらいだな。むずいぞぉー? オーラの制御は」


「なんだよオーラって」


「お前、オーラ知らねぇのか!?」


教官の声が飛ぶ。


「おいユリウス! 私語を慎め」


「なんで俺だけ……」


——オーラとは元素とは関係なく、全ての人間が持っているとされるエネルギーだ。

丹田を起点に手や足、全身に巡らせることで身体を強化できる。


教官が続ける。


「新規のものはオーラを感知することから始める」

「他の者はいつも通りオーラの制御訓練に入れ!」


「おいアルト頑張れよ!」


「おう、まかせとけ」


教官は淡々と説明を続けた。


「ではまずオーラに関してだが、身体強化だ。個人差は出るが、纏うことでパワーやスピードを上げることができる」

「オーラは丹田を起点に全身に流すのがセオリーだ」

「私がオーラを出す。まずはそれを感じろ」


教官の体から青い揺らぎのようなものが溢れ出す。

これがオーラなのだとアルトは知覚した。


「フンッ」


教官が拳を突き出した瞬間、風圧が走った。

オーラがあってこその芸当だろう。


「これがオーラだ」

「まずはあぐらをかけ。そして丹田に意識を集中し、オーラを感じろ」

「感の良い者は感じられるだろうが、普通は難しい」

「私がお前達の背中に、オーラを纏った手を当てる。そこからお前達のオーラを呼び起こす」


順番に手が当てられていく。

体の奥で何かが目を開くような感覚がした。


「これがオーラか!」


アルトは思わず声を漏らした。

僅かだが確かに、オーラを体に纏っている。


「ほぉ。自力でオーラを感じたか」


オーラを人の手助けなく感知できる者は、そう多くない。


「おぉ! やるなぁ。見ろよアイゼン!」


ユリウスが嬉しそうに叫ぶ。


そのとき、少し奥がざわついた。


「おいなんだアイツ!」

「なんだあのオーラ量……!」

「すごい……」


視線の先にいたのはノアだった。

ノアの体から、教官と同じくらいのオーラが溢れている。


(オーラを感知できるようになった人間には、オーラが“見える”。)


教官も思わず声を漏らす。


「なんと、この段階ですでに私と同じオーラ量か……」


イレギュラーだと、教官は笑ってしまった。


ユリウスが唖然とする。


「アルトに続いてノアもか!」

「あいつら凄いな! にしてもノアのオーラ量……オーラ制御始めたての俺でさえ格の違いがわかっちまう」


アイゼンが淡々と返す。


「才能というやつだ。諦めろ」


「アイゼン! お前悔しくないのか!」


「俺はお前みたいに暑苦しくないんだよ」


ユリウスとアイゼンが言い合っている間、アルトも同じことを思っていた。


ノア、お前やっぱすげーな。

でも——。


アルトはノアに声をかける。


「ノア、お前やっぱすげーな! でも俺だって負けねぇぞ!」


ノアがちらりとこちらを見る。

大げさな反応はない。けれど、目だけが少し細くなった。


ユリウスがすぐ乗ってくる。


「いいぞアルト! その調子だ! 俺も負けねぇ!」


アイゼンは肩をすくめた。


「お前はまず声量を制御しろ」


「うるせぇ!!」


教官の怒号が落ちた。


「ユリウス、貴様! 何度言えばわかる! 貴様は制御に集中しろ!」


読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ