第八十七話 S級武器『ドラゴンスレイヤー:エクレール・アルファ』
俺が手にしたのは、光輝く新たな剣――S級武器「ドラゴンスレイヤー:エクレール・アルファ」だった。
【新たな武器情報】
名前:ドラゴンスレイヤー:エクレール・アルファ
ランク:S級武器
効果:光属性ダメージ+80%、ドラゴン系特攻+60%、16回攻撃、範囲攻撃、必中効果
「リンさん、お願いします!」
「はい!」
彼女が補助魔法を唱えると、温かい光が俺を包み込んだ。全身に力がみなぎり、体が軽くなるのを感じる。
【補助魔法一覧】
1.耐猛毒特化:毒攻撃を無効化
2.俊敏性向上:移動速度+30%
3.耐熱効果:火炎攻撃を軽減
4.攻撃力UP:物理攻撃力+40%
5.防御力UP:被ダメージ軽減
6.士気向上:クリティカル率上昇
7.自動回復:体力を継続的に回復
「これで準備は整いました!」
ドラゴンスレイヤーを構え、ギルドメンバーの防衛線を越えんと一歩踏み出す。
イザナが俺を見つめ、短く言葉をかけた。
「天城、頼んだぞ」
「はい!」
その言葉に背中を押され、俺は暗獄竜ゼルガルムに向かって突っ込んだ。
ゼルガルムの赤い瞳が俺を捉え、その巨大な口がゆっくりと開く。
『小虫風情が……単身で挑むだと? 愚かしい』
その声は耳ではなく頭の中に響き、苛立ちを煽る。
「やってみないと……わからないぜ!」
ゼルガルムの赤い瞳が輝き、巨大な口から黒い毒霧が噴き出す。
「耐猛毒のバフがある……行ける!」
毒霧の中を突き進むと、次は尾が地面を叩きつけてきた。
その衝撃で地面が割れ、大きな亀裂が広がる。
「くっ……!」
俊敏性向上のバフで尾の攻撃をギリギリで回避。
さらに、鋭い爪が空を裂く音が響き、俺の体を狙って振り下ろされる。
「防御力UPのおかげで……!」
爪の一撃を受けたが、致命傷には至らない。
自動回復の魔法がじわじわと体力を回復させてくれる。
『そのしぶとさは褒めてやろう。だが、そろそろ終わりだ!』
巨大な翼が空気を切り裂き、強烈な風が吹き荒れる。
その風に体が持っていかれそうになるが、足を踏みしめて耐えた。
俺は決死の覚悟で、『あの技』を繰り出す。
ダダッ! とボス部屋の壁に走り込み……
「壁づたいだ!!」
まるでニンジャの如く、壁を走って登り、さらに大きく跳躍。
目の前には、空に浮遊するゼルガルムの腹部があった。
『なっ……!?』
懐に潜り込み、ドラゴンスレイヤーを高く振り上げる。
「《ドラゴンスレイヤー・エクレール・アルファ》――発動!」
剣から光が放たれ、巨大な刃がドラゴンの体に食い込んだ。その瞬間、剣のスキルが発動する。
【スキル発動】
名称:光裂十六閃
効果:1撃で16回の斬撃を繰り出す。クリティカル率大幅上昇、光属性ダメージ追加、ドラゴン系特攻ダメージ適用。
剣の光が16回、ドラゴンの体を切り裂く。
その半分以上がクリティカルヒットし、さらに光属性の追加ダメージが全身を焼き尽くす。
ズドドドドドッ……!
範囲攻撃効果により、周囲の霧も一瞬で払われ、ドラゴンの黒い鱗が次々と剥ぎ取られていく。
『馬鹿な……この我が……!』
ゼルガルムが赤い瞳を見開き、絶叫を上げながら巨大な体を崩れさせていく。
『下等な人間に……一撃で……!?』
ずしん……。
巨大な体が地面に崩れ落ち、暗獄竜ゼルガルムが完全に沈黙した。
その静寂が、フロア全体に広がる。
「やった……のか……?」
俺が、空中から着地し、息を整えながらつぶやく。
「うおおおおおおお!!」
その瞬間、大歓声がフロア中に響き渡った。
「やった……! ボスを……!」
「しかも、あれだけの攻撃をたった一回で……!?」
「信じられない!! S級だぞ!?」
「全てがあり得ない!! そんな偉業を我ら《アカツキ・ブレイド》は成し遂げたんだ!!」
メンバーたちは歓喜の声を上げている。
イザナが俺にゆっくりと歩み寄ってきた。
その顔には驚きと感嘆が入り混じった表情が浮かんでいる。
「天城……お前、本当にやり遂げたな」
その短い言葉に、俺は苦笑を浮かべながら答えた。
「皆さんのおかげです。俺一人では絶対に無理でした」
「謙遜するな。あの一撃は間違いなくお前の力だ」
イザナの言葉には、心からの信頼が感じられた。
リンが駆け寄ってきた。その瞳は喜びで潤んでいる。
「天城さん、本当にすごいです……! 私、こんな奇跡を目の前で見られるなんて思いませんでした!」
彼女の声には純粋な感動が込められていた。
少し照れくさくなりながらも、俺は静かに頷いた。
「ありがとう、リンさん。リンさんの補助魔法がなかったら、ここまで来れませんでした」
「そんな……私なんて……」
彼女が俯きながらも微笑む様子に、胸が温かくなるのを感じた。
「天城、すごい! お前がいなかったら、俺たち全滅してた!」
「ほんとだよ! マジであの一撃、凄すぎた!」
他のメンバーたちも次々と声をかけてきた。その全員の目がキラキラと輝いているのを見て、少しだけ胸を張る自分がいた。
ステータスを見ると、俺のランクはBに推奨と、表示されていた。
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異世界どうぶつのもり ~魔物とショップ機能とDIYでゆるく過ごす楽園スローライフ。転移直後に背負わされた借金三十億円を返すのなんか楽勝です~
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