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第百二十八話 潜水艦の内部では


※ ※ ※


翌日。


クラウディアがテーブルに資料を広げながら、次の目的地について話し始めた。


「次のダンジョンはロシアにあります。名前は『氷獄の牢獄』と呼ばれています。氷と雪に閉ざされた地下迷宮で、内部は極寒の地獄です。入り口付近ですら気温は氷点下30度以下、視界を奪う冷気が漂い、進むたびに罠が仕掛けられている。そして迷宮そのものが魔力を持ち、挑む者を絶えず惑わせる仕組みになっています」


その言葉に、全員の表情が引き締まる。


「ロシアか……また厳しい戦いになりそうだな」


イザナが呟く。


「ただ、ロシアへの入国は非常に慎重に行う必要があります。今回、特別なルートが用意されました」


クラウディアがそう言った瞬間、全員が身を乗り出す。


「どんなルートなんだ?」


「詳細は現地で説明しますが……」


クラウディアが一瞬言い淀んだ後、こう続けた。


「ドイツ北部にあるヴィルヘルムスハーフェンの軍港から、潜水艦でロシアへ向かいます」


「潜水艦!? 本気で言ってるのか?」


霧島が驚きの声を上げる。


「はい。地上の移動ではリスクが高いため、最も安全な方法としてこのルートが選ばれました」


クラウディアの説明を聞き、全員が呆然とした表情を浮かべる。


「潜水艦か……そんなものに乗る日が来るとはな」


※ ※ ※


俺たちが立っているのは、ヴィルヘルムスハーフェンの軍港。


停泊する巨大な潜水艦は、艶やかな黒い船体が不気味なまでに威圧的だった。


周囲には軍服姿の兵士たちが行き交い、緊張感のある雰囲気が漂っている。


「これでロシアに行くんだな……なんだか冒険というより、スパイ映画みたいだ」


霧島がそう呟き、俺たちは思わず顔を見合わせた。


その一方で、俺の胸には新たな戦いへの緊張と期待が混ざった感覚が広がっていた。


「さあ、出発です」


クラウディアの言葉を受け、俺たちは潜水艦に乗り込んだ。


※ ※ ※


潜水艦の中、俺たちは次のダンジョン『氷獄の牢獄』への準備を進めていた。


潜水艦内の限られたスペースではあるが、それぞれが自分の装備を整えたり、戦術を確認したりしている。


「次のダンジョンもかなり過酷だ。防寒対策は絶対に抜かるなよ」


イザナが全員に声をかける。


その表情はいつにも増して真剣だった。


「寒いの苦手なんだよなぁ……ま、仕方ねえけど」


大刀がぼやきながら防寒用の装備を手に取る。


「これ、ほんと寒さを防げるんだろうな?」


「大丈夫よ。防寒用のマントはギルドで一番の高級品だし、あたしたち全員同じものを使ってるから安心して」


白石はマジックアイテムの整理をしながら笑みを浮かべる。


「天城くん、回復ポーションはちゃんと持った? 使いどころを間違えないようにね」


「はい、大丈夫です! でも、いつも白石さんに頼りっぱなしで……」


「いいのよ、それが私の役目なんだから」


霧島は、双剣の刃を点検しつつも鋭い目つきで周囲を見渡した。


「おい天城、次のダンジョンでは、俺の動きに合わせろよ。足手まといになったら許さないからな」


「わかってます! しっかりサポートします!」


霧島が軽く笑いながら頷く横で、藤堂が自分の盾を叩いて準備を確認している。


「どんな攻撃でも、この盾が受け止める。天城、お前も安心して背中を任せてくれ」


「ありがとうございます、藤堂さん!」


その言葉に勇気をもらいながら、俺たちはそれぞれの準備を整えていった。


そんな中、俺のスマホが振動した。


(誰だろう?)


画面を開くと、リンからメッセージが届いていた。


『天城さん、次のダンジョンも頑張ってくださいね。無理しすぎないように』


(リンさんらしいな……)


ふっと笑みが漏れる。リンの文面はいつもどこか控えめで、それが彼女らしい優しさを感じさせる。


『ありがとう。リンさんも無理しないでな』


そう返信を送ると、再び装備の準備に戻った。


※ ※ ※


一方、リンの部屋。


メッセージを送信した彼女――リンは、スマホを机に置くと、ふぅ、と一息ついた。


「天城さん、大丈夫そうで良かった……」


リンの表情には安堵の色が浮かんでいた。


その後、リンは部屋着を脱ぎ、バスルームへ向かう。


鏡に映った自分の姿を見つめ、少しだけ髪を触る。


(少し疲れてるかも……)


お湯を張ったバスタブの中に体を沈めると、体全体がじんわりと温かさに包まれた。


泡風呂用のソープを手に取り、たっぷりの泡を作って全身を包む。


「ふぅ……やっぱりお風呂って最高……」


肩まで湯に浸かりながら、リンは自然と天城のことを思い出していた。


(天城さん、次のダンジョン、大丈夫かな……いつも無理してるから……)


ふと、自分が彼のことをどれだけ心配しているかに気づき、顔が少し熱くなる。


それが湯気のせいか、自分の感情のせいかは分からなかった。


泡がモコモコと腕や肩を包む中、リンの手が自然と胸元に伸びた。


その胸は、少し前にブラチェックをしている際にバストアップしていた。


そのことを本人は喜んでいたが、


(……なんてこと考えてるのよ、私……)


リンは慌てて頭を振り、思考を振り払おうとした。


(……でも、『こういうこと』をしていたから、おっぱいが大きくなったのかも……)


それでも、彼女の心には天城の姿がはっきりと浮かんでいた。


(天城さん、おっぱい大きい子が好きだったらいいな……)


思わず、考えてしまう。


そうして、リンの手は、胸だけではなく、大切な部分へと伸びていく。


(もう、絶対にやっちゃダメって、約束したじゃない……)


お風呂場で、リンは想い人のことを考える。


あの人に触れられると、どんなに気持ちいいだろう……。


想像しながら、自らの手で、秘部に刺激を与えていく。


密かに、愛を紡いでいく。


(あっ……だめ、あっ……)


ついに、風呂場に甲高い声が上がる。


「あっ……あっ……」


愛の蜜が、たらりと垂れ。


「ああああっ」


リンの身体はビクッとそり返り、


果ててしまう。


(絶対、もう、絶対に、こんなこと、やらない……そうしないと天城くんにふしだらな女だと思われちゃう……)


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