本棚の前での私の葛藤
(好きすぎて、新作が読めない。)
私は本棚の前で文字通り右へ左へ、足踏みをしている。
さて、どうしたものか。
まだ読んでいない本、所謂、積読しているブースを眺める。
小説数冊、大学の授業で読むように指定された新書、ポケットサイズの植物図鑑などが並んでいる。
その中でもひときわ輝いて見えるのは、好きな小説家の新作だ。
新作と言っても、発売されてから1年は経っている。
私はふぅっと息をつく。
これを読んでしまったら、たのしみがなくなってしまう。
でも、物語は気になる。
葛藤の末、あらすじだけ目を通す。これも何度目だろうか。
「好きだからこそ手を出せない。」
文字にしてみると、恋愛あるあるっぽくなってしまった。
まあ、意味は大して変わらないのかもしれない。