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転生した悪役令嬢ですが、どなたがヒロインなのか教えてください!  作者: 星澄


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ヒロインの登場です!どうやらヒロインはお兄様を攻略対象にしたようです!(4)

「この度は、スハイル王弟殿下の“先見”の能力の顕現、誠におめでとうございます。この顕現にてデウザビット王国の未来もさらに盤石となることでしょう。国王陛下並びに王太后陛下には、心よりお祝い申し上げます」

「南の公爵、そして南の公爵夫人。我が弟、スハイルために、わざわざ領地より馳せ参じてくれたことを嬉しく思う」

「有難きお言葉。恐縮至極にございます」


 何はともあれ、まずは国王陛下の御前にと、南の公爵家ご一同様で大ホール内を移動した。

 本来ならば、そう容易く御前まで近寄れるはずもないのだけれど、そこは公爵という立場がモノをいうらしく、それはもう大ホールのど真ん中に突如として道が切り拓かれたかのように、玉座への一本道ができた。

 ま、簡単に言えば、大ホールを埋め尽くす人波が左右に分かれただけなのだけれど。

 まるでモーゼの海割りのように。

 しかし、お父様たちはこの状況に慣れているらしく、堂々とそのど真ん中を歩いて行くけれど、経験値の低い、引き籠り令嬢の私としてはかなり居心地が悪い。

 そもそも、前回のスハイル殿下の帰国を祝う夜会では、蜂に刺された馬に蹴られそうになり、さらには前世を思い出すというアクシデントに見舞われ、当日欠席となった。

 つまりデビュタントを含め、このような晴れがましい場は二度目の身。

 正直、社交界という名の戦場を闊歩する歴戦連勝の猛者集団の中に、大した実戦もない新兵がぽいっと放り込まれ、さらには偶々付き従うべき長が、五本の指に入る猛将だったためにとんでもなく悪目立ちしている――――――――といった感じだ。

 そして、命からがら辿り着いた魔窟……いや玉座での、国王陛下と王太后陛下への挨拶。

 私、生きてここを出られるだろうか………………

 半分口から魂が出かかった状況で、淑女の礼を取りながらそんなことを思う。

 はっきり言って、逃げ出したい一択だ。

 それにしても、さすがこの社交界という戦場を長年生き抜いてきただけあって、お父様とお母様はそれはもう見惚れるくらいの笑みを湛えており、とてもその腹に、『『南の公爵家の威信にかけて、スハイル殿下とユーフィリナの婚約は断固として阻止する(わ)!』』という反逆罪にも取られかねない一物を抱えているようにはとても見えない。

 またそれに対する国王陛下と王太后陛下も、綺麗な微笑みを仮面のように張り付け、僅かな感情の揺れも見せない構えとなっている。

 ちなみに本日の主役であるスハイル王弟殿下は、遅れての登場となるのだろう。

 私としては、緩衝材代わりに是非ともいてほしかったのだけれど、こればかりは致し方ない。

 

 それにしても、これでは完全に狐と狸の騙し合いだわ。

 

 なんてことを一人考えながら、一刻も早くこの場が終わることを祈った。



 現デウザビット王国、アルムリフ・カイ・デウザビット国王陛下は、現在二十六歳の男盛り。

 弟君であるスハイル殿下同様、我が王国のロイヤルカラーとも呼ばれるブロンドの髪とロイヤルブルーの瞳を持ち、その見目も太陽にように眩しく華やかでありながら、それでいてふわりと優し気な顔立ちをしている。

 そのため国内外のご令嬢と王女殿下から常に秋波を送られているそうなのだけれど、お父様とお兄様には言わせれば、この優しげな雰囲気こそが実はとんでもなく曲者で、穏やかそうに見せながらしっかりと我を通し、笑顔で粛清を行ってしまう――――――そんなお方らしい。

 そしてそんな陛下が我を押し通したことの一つが、自分は絶対に妻子を持たないというもので、これについては持ち回り制で宰相となる東西南北の公爵たちにとって常に頭痛の種となっている。

 にもかかわらず、弟君であるスハイル殿下には否応なしに結婚させる気なのか―――――などと思わないでもないけれど、一国の主として、またスハイル殿下の実兄として色々思うところがあるのだろう。

 ただ、その最有力候補が(あくまでも世間の噂の域を出ないとしても)、この私となっているのが頂けない点で、出来れば南の公爵家の団結力の良さが発揮される前に、噂は噂であって事実ではないと、この挨拶の席上で言及して欲しいくらいだ。

 王家と南の公爵家の未来のためにも。

 しかしそうは問屋が卸さないようで、嫣然とした笑みで完全防備した王太后陛下がよりにもよって、張りぼての笑みを貼り付けただけの無防備極まりない私に話しかけてきた。

「ところで、そちらの方が南の公爵家ご息女であり、“神の娘”の生まれ変わりであるユーフィリナ様ですね。そしてそちらに控えてらっしゃるのが守護獣の炎狼様。あぁ、ようやくお会いできて本当に嬉しいわ」

 アカに対してはともかく、一公爵令嬢に過ぎない私をわざわざ王太后陛下が“ユーフィリナ様”呼びしたのは、私が“神の娘”の生まれ変わりだと国王陛下によって認定されているからに違いない。

 そのことに一層恐縮を覚え、私はその場で頭を下げ直すと、躊躇いがちに口を開いた。

「南の公爵家息女、ユーフィリナ・メリーディエースでございます。この度はこのような席にご招待いただいたこと、心より感謝申し上げます。ただ………わたくしのことは是非“ユーフィリナ”とお呼びいただければと…………」

「まぁ、嬉しいわ。それより顔を上げて見せてくださる?ふふふ、これから貴女とは、とても長いお付き合いになるみたいですからね」

 王太后陛下の謂わんとしていることがさすがにわかって、私の身体はピクリと跳ねた。

 と同時に、私の周りを囲むお兄様たちにゆらりとした殺気が立ちのぼる。

 それもおそらく笑顔のままで。

 私はそれをヒシヒシと肌に感じながら、ゆっくりと顔を上げ、王太后陛下を改めて見つめた。

 ピンクブロンドの髪と翡翠の瞳を持ち、とても艶やかでありながら、愛くるしさを伴う笑みのせいで、お母様より五歳上の四十四歳とは思えぬほどに若々しい。

 しかし、この一見少女のように愛くるしいこの笑顔こそがやっぱり恐ろしいのだと、これまたお兄様とお父様に聞いている。

 

 あぁ………ここは笑顔で人を思いのままに動かす魔の巣窟なの?


 なんてことを思いながら、身体を硬直させている私に、王太后陛下はさらに笑みを深めていく。

「アルムリフ、見て頂戴。なんて美しいご令嬢なの。これは確かに“神の娘”の生まれ変わりだと言われても、あっさり納得してしまう美しさと可憐さだわ。まさかこのようなご令嬢がこの世界にいるなんて、まるで夢のようよ」

 立て板に水の如き勢いで流れ出てくる社交辞令に、私の張りぼての笑顔は見事に引き攣り始める。

 王太后陛下、この地味顔にそれ以上の賛辞はむしろ毒です。

 実際、引き攣りが起こっているのだから、この毒は痙攣を引き起こすタイプのものなのだろう。にもかかわらず、国王陛下までもが王太后陛下の言葉に賛同する。

「えぇ、母上。私ももう少し若ければユーフィリナ嬢に求婚をしていかもしれませんね。この美しさの前に、膝を折らない男はいないでしょう」

 本当に本当にこれ以上は居たたまれなさ感が半端ないので、真剣にやめて頂きたい。可能なら今すぐここで隠密スキルを発動させたいくらいだ。

 それに、私を取り囲む空気が益々不穏なことになっていることに、いい加減気づいてほしい。というより、今すぐこの場から逃げていただきたい。

 なのに、私の願いなど知る由もなく、国王陛下は玉座の肘掛けに肘をつくと、たおやかに小首を傾げた。

「ところでセイリオス、私の記憶が確かならば、ユーフィリナ嬢とは彼女のデビュタントで会っているはずなのだが、どうにもその時の印象と違って見えるのは、これは一体どういうことだろう?もしかして私はユーフィリナ嬢の幻でも見たのかな?」

 疑問を口にしながら、既にその答えがわかっていそうにも見える悪戯な笑みを浮かべて、国王陛下が名指しでお兄様に問いかける。

 その様は一幅の絵になるほどに麗しくもあるのに、獰猛な獣から睨まれているようにも思えるのは私の気のせいだろうか。

 けれど、お兄様にとってはどんな仕草や表情も取るに足らないようで、僅かに肩を竦め、飄々と答える。

「さすが、国王陛下。見事な記憶力と申し上げたいところですが、女性は時に一瞬で花開くもの。デビュタントの時に比べ、ガラリと印象が変わってしまうのも、当然のことかと存じます。そして美しい女性ほど、一夜の幻ように思えるものでございます。陛下にとって我が妹がそうなのかはわかりませんが、何かの幻をご覧になられたのかもしれませんね」

 お兄様の言葉に、国王陛下は一瞬目を眇めて見せたけれど、すぐに人のいい笑顔を広げた。そして、感心したように頷く。

「なるほど。それはいい勉強になった。やはり私は女性についてとても疎いらしい。このような朴念仁ではとてもではないが、妃を娶るなどできそうにないな。そこで、女性に対して嘆かわしいほどに疎い私に是非とも教えてもらいたいのだが、今宵のユーフィリナ嬢のこの美しさは、私の願望が見せた幻なのだろうか?」

 そう言って、砂糖を煮詰めたかのようなドロリとした視線を私へと移す。

 私は国王陛下の言葉とその視線の真意を読み取れないままに、チラリとお兄様の横顔を盗み見た。

 僅かに上がった口角。涼やかにも見える目元。しかしそのアメジストの瞳は剣呑な色を纏っており、私は小さく息を呑む。

「賢王なる陛下のこと。その御尊眼は幻と真実を見分けることも可能かと」

 穏やかな口調。そして、悠然と頭を下げる様子は、凛々しくも美しい。

 けれど、お兄様の瞳に見た悋気とも取れる感情に、私の心は喜びに湧いた。

 もしかしたら、それこそが私の願望が見せた幻なのかもしれないけれど―――――――

「そうか。ならば、私の目に映る今宵のユーフィリナ嬢の美しさは、一夜限りの夢ではあるまい。ユーフィリナ嬢、今夜の舞踏会の前に、ある発表が為される。それまでゆるりとくつろいでいるといい。その後は、ユーフィリナ嬢にとっても夢のような舞踏会となるだろう」

 しかし、そんな喜びも束の間、何かを暗示させる陛下の言葉に、私の身体は拒絶反応を示すかのように小さく戦慄いた。



 最後まで不穏な空気を漂わせながら、どうにか国王陛下と王太后陛下への挨拶を一先ず乗り切ると、私たちは大ホールの人波に呑まれ――――――ることなく、やはり浮きまくっていた。

 しかし、それもさもありなんと諦める。

 なんせ、私以外の面々が目立ちに目立ちすぎるからだ。

 そしてそれを、やはりさもありなんと受け流しているお父様たちの神経の図太さに、私も見習わなければと思いつつも、一生無理だとも理解した。

 そうこうしている間に、私たちの姿を見つけた(というか、とっくに見つけてタイミングを見計らっていた)面々が挨拶のために近寄ってくる。

 最初は一人ずつ遠慮がちにだったものが、途中から狩りの解禁とでもなったかのように、我も我もと列をなして寄ってくる。

 もちろんその殆どがお父様やお母様への挨拶だったけれど、その中にはお兄様に縁談を持ち込む強者もいれば、自身で直接売り込みに来る積極的なご令嬢もいた。

 まさしく狩人である。

 そしてその中には、アカに目をつけるご令嬢もいたりして、私一人が完全なお邪魔な存在となっていた。

 うん、こういう時こそ隠密スキル発動だわ。

 そうは思うものの、お兄様が私を離さず、アカも私の傍を離れようとしないので、どうにも巧く発動できない。

 しかも、中には気を遣って私に声をかけてくれるどこかのご令息もいて、話の途中で隠密スキルを発動させるわけにもいかず、私は再び張りぼての笑みでその場を取り繕った。

 ただ不思議なことに、にこやかに声をかけてきたはずのご令息たちは、私の顔を見る否や、みるみるうちに顔を赤くし、次にお兄様とアカに声をかけられ、一瞬で真っ青を通り越して、白くなる。

 うん、これは明らかな体調不良だ。

 無理はよくない。

 そこで、余計なお世話かもしれないけれど、舞踏会は程々にして早々に帰られることをさりげなくお伝えしておいた。

 しかし残念ながら、これは決して他人事ではない。

 むしろ私が今すぐ帰りたい。

 そこでお兄様がご令嬢たちからのダンスのお誘いをすげなく…………もとい、丁重にお断りしたところで、ちょっとしたお願いをしてみる。

「あの……お兄様、ちょっと人に酔ってしまったようなので、バルコニーで風に当たってまいりますわ」

 もちろん嘘ではない。

 事実、免許皆伝の隠密スキルと引き籠もりのせいで、あまり人馴れしていない私にとっては苦行でしかない時間だった。

 メインの発表と舞踏会はまだだけど、ここまでよく頑張ったと自分を褒めてやりたいくらいだ。

 それに、お兄様がご令嬢たちに囲まれている姿を傍で見ているのは、正直言って面白くない。

 なので、一息吐くついでに、少しやさぐれた気持ちも一緒に吐き出してしまいたいと、そっとお兄様に声をかけてみたのだけれど、何故か嬉々として私のお願いに全力で乗っかってきた。

「可愛い妹を一人でバルコニーに行かせるわけにはいかない。私も一緒に行こう」

「えっ…………いえ、私一人で…………」

 

 お、おおおお兄様、ものすごく睨まれてます。

 誰が誰にって、この私がお兄様の周りにいるご令嬢たちにです!

 

 おそらくご令嬢たちからしてみれば、我儘な妹に付き合わされる可哀そうな兄…………といった感じなのだろうけれど、この私の悲壮な顔と、お兄様の嬉々としている顔をしっかりと見てほしい。

 しかし、やはり私はこの世界の悪役令嬢であるらしく、すっかりご令嬢たちには悪者扱いとなっており、高慢ちきな妹に邪魔をされたいたいけなご令嬢たちは(そう思い込んでいるご令嬢たちは)、お兄様に追いすがるように声をかけてきた。

「セイリオス様は、本当に妹君が大事なのですね。でも、お噂では妹君のお相手はもう決まっていらっしゃるとか。この機会に、セイリオス様もご自分の幸せを考えられてはどうですか?」

 亜麻色の髪のご令嬢が色香を漂わせてそう口にすれば、他のご令嬢も「その通りですわ」と追随する。

 お兄様はそれらの声に、あからさまにため息を吐くと、ご令嬢たちに向って冷ややかな視線を向けた。

「私の幸せ?ならば、今その幸せを壊そうとしているのは貴女たちだな。それに、どうやらいつの間にか我が妹のお相手が決まっているという話だが、勝手な憶測で物事は話さない方がいい。後から恥をかくのは貴女たちだ」

「いえ、これは決して憶測などではなく…………」

 咄嗟に言葉を返そうとして、さらに冷たさを増したお兄様の視線の前に、息を呑むようにしてご令嬢が言葉を呑み込む。

 そして、彼女たちの顔色が徐々に悪くなっていく様を見下ろしながら、お兄様は胡乱気に告げた。

「しかしながら、いつもの夜会ではスハイル殿下に秋波を送っていらっしゃるようにお見受けしたが、今宵はそのスハイル殿下の代わりに私というわけですか?私も随分と安く見られたものだな」

「ッ………………」

 絶対零度の視線と声に、完全に凍り付いてしまったご令嬢たち。

 そんな彼女たちを睥睨して、お兄様は私へと向き直る。それも打って変わった微笑み付きで。

「さぁ、ユーフィリナ。バルコニーへ涼みに行こうか。イグニス、お前はここでご令嬢方のお相手をしていてもいいぞ」

「なんでだ!オレも行くに決まっている!」

 お兄様の腕が私の背中へと回り、まるで誘導するかのように、そっと背中を押してくる。

 ご令嬢たちの気持ちを思えば、申し訳なさが募るけれど、お兄様の手の温もりに、私の若干ささくれ立っていた心は凪いだ。

 しかし、バルコニーを目前にしてお兄様の足が止まる。

「お兄様…………?」

 立ち止まったお兄様の視線を追うようにして目を向ければ、ある一角だけが妙にざわついていた。

 とはいっても、それは決して不穏なものではなく、感嘆と陶酔のため息を伴った、そわそわと浮き立つもののようだ。

 誰がいるのだろうと見つめてみるけれど、私の背ではどうにも見えない。

 そこでお兄様とアカを交互に見つめてみるけれど、二人の表情は驚愕を含んだ険しいものだった。


 本当に誰なのかしら。

 スハイル殿下?

 それともシロとか?

 いいえ、もしかしたらシャウラ樣かも。


 地味顔の私の周りには、どういう因果か、見目の整った麗しい人ばかりがいるため、あの渦中の人物がたとえ誰であったとしても、こうなるのは必然だと、あっさりと納得する。

 もちろん知り合いと決まったわけではないけれど、ここまでのざわつきを思えば、その確率は非常に高いように思われた。


 けれど、私の予想は脆くも崩れた。

 浮き立つ渦中から現れたのは、恰幅のいい年嵩の紳士にエスコートされた、空色のドレスを着た天使のようなご令嬢。

 白金の髪に、ドレスと同じ空色の大きな瞳。

 愛らしい微笑みを湛える唇は、赤く色付いた瑞々しい果実ようで…………


 なんて…………美しいご令嬢なの…………


 彼女こそが、“神の娘”の生まれ変わりだと言われれば、私は――――――いや誰でも、一も二もなく頷くに違いない。

 そしておそらく彼女こそが、ヒロイン………………なのかも。

 断定はまだできない。

 それでも、そうに違いないと私の悪役令嬢としての勘が告げている。

 そんな勘が本当にあるかどうかもわからないけれど。

 しかしここまで美しいご令嬢ならば、私が引き立て役になる必要もないわね…………と当初の予定を思い出し、自嘲する。

 そして、ふとお兄様を見上げれば、お兄様の視線は彼女に釘付けとなったままだった。

 その刹那、私の胸に不安の影が射す。

 と同時に、お兄様の手が私の背中から外れた。

 きっとお兄様は無意識だったのだろうけれど、私の心は一気に冷えた。


 そして、彼女が私たち気づく。


 一瞬、大きく見張った瞳。

 でもそれはすぐに涙で潤み、ふわりと切なげな微笑みを形作った。


「セイリオス樣、ずっと……ずっとお会いしたかった…………」


 あぁ………彼女こそがお兄様の…………

 

 私の心はその痛みに慟哭した。

 


 

 



 

 

こんにちは。星澄です☆ 

たくさんの作品の中から、この作品にお目を留めていただきありがとうございます♪



はい、ヒロイン登場です!

といってもまだ登場しただけですが(笑)

さて彼女はどこの誰なのか、もちろん次回です☆



恥ずかしながら誤字脱字は見つけ次第、すぐに修正いたします。

何卒ご容赦のほど………。:゜(;´∩`;)゜:。


どうぞよろしくお願いいたします☆



星澄

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