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“先見”と“忘却”は私が覆します(5)

 この世界に恋する乙女心ほどままならないものはないようで――――――――

 私たちがそれを思い知るのにそう時間はかからなかった。



 あの後――――――スハイル殿下の衝撃しかない呼び出しの後、お兄様とアカ(人型)と私は馬車に揺られながら、魔道具のことについて話し合った。

 といっても、ほとんど知識のない私は二人の話の聞き役に徹していたけれど……………言い換えるなら、先生二人に、生徒一人だ。

「簡単に魔道具とっても、その種類は星の数ほどある。ただその様々な魔道具に共通して言えることは、我々の生活をより便利で快適にするために作られているという点だ。そして、どの魔道具にも魔法陣と魔法式による魔術回路が組み込まれている。つまり、我々が持つ魔力によって魔法陣が発動し、魔道具内の魔術回路を起動させ、道具そのものに魔力を与える。まぁ、言葉にすれば非常に単純なものだな。しかし………………」

「しかし……?」

 私がそう尋ね返すと、お兄様は少し困ったような顔をして、先を続けた。

「しかし…………だ。もしそれが悪意によって作られた魔道具なら話は違ってくる。もちろんまだシャウラ嬢の持つ魔道具が、悪意によって作られたものかどうかはわかない。だが、万が一その魔道具がそのような代物であった場合、一番重要となってくるのがその魔道具を作った目的だ」

「セイリオスの言う通りだな。目的があるからこそ魔道具を作る。そうでないと、正しい魔法陣と魔術回路が組み込めない」

 アカの賛同に、お兄様が頷いた。

「そういうことだ。だからこそその魔法陣を見れば、その目的がわかるはずなのだが………………」

 再び言葉を濁すように、お兄様はここで口を閉じた。私は何となくお兄様が言い淀んだ言葉を察して、口にしてみる。

「見ただけでは、その目的がわからない魔法陣もあるということですか?」

 どうやらそれは正解だったようで、お兄様は「そうだ」と言い切ってから、窓の外に目をやった。

 西の空を焦がしていた斜陽もすっかりと地平線へと沈み、今は星々を連れた闇が空を覆い始めている。   

 それに伴い王都でポツポツと灯り始めた街灯。これも立派な魔道具だ。

 当然、魔法陣と魔術回路がしっかりと組み込まれている。

 しかも、前世でもあった感知センサーならぬ感知魔法の術式まで組み込まれているらしく、一度発動させたあとは、周りの明るさを感知し、自動的に灯りを点けたり消したりする仕組みとなっている。

 そんな魔法の灯をお兄様はアメジストの瞳に映しながら、私の問いに対する答えを、丁寧に噛み砕いていく。

「例えばあの街灯の魔道具だが……一度発動させてしまえば、余程の支障がない限り半永久的に発動し続けるものだ。そのため魔法陣は魔道具師だけが扱えるようにと秘されてしまっている。家庭用のもの、個人用のものについては、魔法陣が表面上にあるものがほとんどだが、公共のもので不特定多数の人間の魔力の影響を受けやすい魔道具については、我々の目ではその魔法陣を確認できないようになっているのだ。もちろん、そんなことはないと信じたいが、シャウラ嬢の魔道具にも、何らかの魔法陣が秘されているとするならば……………」

「オレが確認したところでわからないだろうな」

「そんな………………」

 お兄様とアカの言葉に私は思わず前のめりとなった。

 今すぐにでもシャウラから魔道具を取り上げてしまいかねなかったサルガス様を止め、自分とアカが確かめるからと言い切ってきたのに、これではまったく意味がない。

 何か方法はないのかと、私の目はひしと訴えかけていたようで、お兄様がさらに眉を下げた。

「もちろん時間をかければ、確認はできる。しかし、いくらユーフィリナがシャウラ嬢の友達といえども、そんなに長くシャウラ嬢の宝物である魔道具を預かることはできないだろう?」

「それはそうですが…………って、お兄様!何故その魔道具がシャウラ様の宝物だとご存知なのですか!」

 私は一切お兄様たちの前で、シャウラにとってその魔道具は、好きな人からもらった大切な宝物だとは告げていなかったはずだ。

 うっかりもない。たぶんない。

 にもかかわらず、そう断言してきたお兄様に私は思わず目を瞠る。

 しかしお兄様は驚く私に対し逆に驚いたようで、不思議そうに首を傾げた。

「ご存知も何も、お前を見ていればわかることだ。というか、気づかないことの方がおかしい」

「見ていればわかるって…………で、でも……だって私もアカ…………イグニスだって、そんなことは……一言も………………」

 言ってなかったわよね?

 そうよ。うっかりはなかったはずだもの。

 それともお兄様が言うように、私はそんなにわかりやすい態度をとっていたのかしら?

 と、自分の記憶をもう一度浚ってみる。

 何しろあの時の私が動揺していたことは否めない。自分でも気づかぬままに、それらしき仕草や、あからさまな態度をとっていた可能性も…………ないとはとても言い切れない。これまた悲しいことに。

 う~ん…………と眉を寄せて考え始めた私を前に置いて、お兄様はさも当然とばかりに続けた。

「直接的な言葉を発していなくとも、私が魔道具師の男について疑うような発言をした際に、お前は咄嗟に私を窘めようとした。もはやこれだけで、察するには余りあるくらいだと思うのだが………そうだな、さらに紐解くとするならば、たとえばの話………もしお前自身がこの魔道具師に惚れている場合、我々に説明するにしても、その男の特徴や性格を事細かに盛り込みながら話したに違いない。少しでもその男の身の潔白を示し、守るためにな。だがお前の話はあくまでも人伝に聞いたものであり、それもその話の出処はシャウラ嬢だということが容易にわかるほどだった。なのにだ。ほとんど知らない男に対し、私がほんの少し疑った発言をしただけで、お前は珍しく声を荒げた。そこから導き出される答えは、ユーフィリナが庇ったのは男自身というより、その男を慕うシャウラ嬢の気持ちの方だということだ。違うか?」

「……………………違いません」 

 もう何なの、このお兄様は………………と、感心する以上に恨めしく思う。

 これでは女同士の秘め事として、必死に隠した意味が、まるでないではないかと。

 いや、この場合はわかりやすい自分を恨むべきかもしれないと、反省とともに私はがっくりと項垂れた。

 そんな私にアカのフォローが入る。

「ユフィ、そう落ち込むな。こいつが色々と人離れしているだけの話だ。それに今は、セイリオスにもシャウラの気持ちを共有しておいた方がいい。いくらその魔道具師の男が王家からの覚えもめでたく、学園と大学の御用達となっている魔道具師であったとしても、オレたちはそいつを知らない。知らない以上は、やはり信用はできない。だから、もしその男がシャウラの気持ちを利用して何かを企んでいる場合には、俺たちはその裏の目的を読み解く必要がある。まぁそのためにも、先ずは魔道具を確かめるしかないんだが、何か仕掛けがあったとしても、それは秘されている可能性も十分にある。むしろ問題のある魔法陣を、表面に堂々と描いていようものなら、むしろその場合はそいつの魔道具師として腕を疑うべきだがな」

 アカの言う通りだと思った。そしてそれはあの時スハイル殿下も言っていた。

 今はすべてに疑ってかかるくらいが丁度いいのだと――――――――

 だからこそ、私たちはシャウラの持つ魔道具を確かめるという結論に一先ず達したのだ。

「あぁ……やはりあの時、もう少ししっかりと見ておくべきだった。最初に底の魔法陣を見ておけば、秘されている魔法陣があるかどうか目視で確認することは叶わないが、秘されている可能性のある魔法陣を読み解くこともできたかもしれなかったのに…………」

 ガリガリと柔らかそうな赤髪を掻きむしりながら、悔しそうにそんなことを漏らすアカに、私は目を丸くした。

「そんなこと……できるの?」

 すると、アカが半眼となってじとりと私を見据えてくる。

「おいおい、オレを誰だと思ってんだ。オレは聖獣であり、守護獣だぞ。余程特殊な魔法陣でもない限り、ある程度の魔法陣はすべて読み解ける。セイリオスも言っていただろう?」

「えぇ、それはわかっているわ。でも隠されてる魔法陣も、底にある魔法陣を見ることで読み解くことができるものなの?」

 私がそう重ねて聞けば、アカは得意げにふふんと鼻を鳴らした。

「ユフィは重ね絵というものを知っているか?」

「えっと…………確か絵と絵を重ね合わせる事によって、一枚の絵として楽しむものでしょう?陰影を出したり、奥行きを出したりして………」

「そうだ。もし底に魔法陣があったとして、さらに秘された魔法陣がある場合、それは重ね絵のようになっているかもしれないってことだ」

 んん?

 えぇ~~~~と……………ん?んん?

 少しでも理解を深めるために、何一つ効果がないと知りつつも、二度、三度と瞬いてみる。

 案の定、ストンとも、コロンとも腑に落ちてくるものはない。

 そんな私の仕草一つで、どこまでも察しのいいお兄様が口を開く。

「何も難しく考えることはない。そもそも魔法陣には基本形となる型がある。そこに必要な術式を書き込むことで、求められている効果を付与する。それが高度な魔法陣であれば、書き込む術式も細かくなるだけの話だ。そこで今回の件に戻るが、シャウラ嬢の魔道具の底に魔力放出の魔法陣が描かれているとして、魔力放出の魔法陣はたった一つしかないわけではないと、先程皆の前でも話したな」

「はい」

 私がしっかりと首を縦に振ると、お兄様はいい返事だとばかりに目を細めて、次に話を進める。

「そしてここからが問題なのだが、魔力放出の魔法陣にも、やはり基本となる型があり、複雑な魔力放出になればなるほど魔法陣は複雑になる。つまり、魔道具の底にある基本的な魔力放出の魔法陣に重ね合わせる形で、底の裏側に不足している術式を書き込んでやれば、それは表面に見える魔法陣よりも、より強力な魔法陣となり得る可能性があるということだ」

「だから、底に描かれている魔法陣がどの程度の魔法陣で、あとそこにどれだけ術式を書き込むことが可能か、それによってどんな効果がもたらせるか――――それを読み解くことで、秘された魔法陣をある程度予想できるという話だ。ま、秘されていれば…………の話だがな」

 お兄様の言葉をさらりと引き継いだアカの台詞に、私は納得した様子を見せながらも、ふと湧いた素朴な疑問をそのまま口にする。

「秘されているか、秘されていないかは、どうやったらわかるの?」

「それが難問だな」

 そう返してきたのはアカではなくお兄様だった。それに対してアカもまた―――――

「底に何も描かれてない場合は、もっと難問だぞ。秘されているものが、魔力放出の魔法陣かどうかもわからない。下手すれば、魔力変換の魔法陣の恐れだってある」

「魔力変換………………って、まさかシャウラ様の魔力を別のものに変換して利用しようということ?」

「それが善意なのか、悪意なのか…………そこもわからないがな」

 お兄様の言葉に私は愕然となった。

 私たちは未だ何一つとして、確固たるものを持っていないという事実に。

 

 駄目よ。こんなことで落ち込んでいる場合ではないわ。

 サルガス様の話によれば、シャウラが魔力吸収を行うまでにはあと三日の猶予がある。

 だから明日、銀の魔道具を何かしらの理由をつけてもう一度見せてもらえれば大丈夫なはずよ。

 シャウラ様のためにも、サルガス様のためにも、あの魔道具に何か秘されたものがあるならば、必ず突き止めてみせるわ……………


 そう心に決めると、私は再び口を開いた。

「シャウラ様の銀の魔道具については、私とアカで必ず何とかいたします。ですからお兄様は、魔道具師ロー・セルペンティス様についてお調べいただけますか?」

 カタカタと揺れる馬車の中。

 身体はどこか不安定に揺れるけれど、私は堅固たる決意をもってお兄様を瞳の中に捉えた。

 お兄様もまた真っすぐに私を見つめ返してくる。

 まるで探るような視線と、暫しの間。

 けれどすぐに、お兄様の口元がゆるりと綺麗な弧を描いた。

 そして告げる。

 

「我が姫のお望みとあらば、なんなりと」



 

 次の日の放課後、私とアカは勇んでいつもの歓談室へと向かった。

 あれからずっとアカと二人で、どうすればより自然にシャウラから魔道具を見せてもらえるか、借りることができるかを散々自室のベッドの上で話し合った。もちろんアカは仔狼の姿でだ。

 しかし、こういう時に限って妙案は浮かんでこないもので、結局その場の雰囲気と会話の流れ次第という、もはや作戦とはいえない作戦を立て、私とアカは今日の日に挑んだ。

 そんな私たちを待ち受けていたものは――――――――


「あ、あ、ああああの銀の魔道具をもうお使いになったのですか⁉」

 それはある意味、超高速の変化球がど真ん中に返ってきたくらいの衝撃だった。それも――――――――


『そういえばシャウラ様……あの魔道具なのですけれど…………』

『あぁ、あの魔道具でしたら、昨晩早速使ってみましたの』

 

 その場の雰囲気とか、話の流れとかまったく関係なく、たったこれだけの会話で…………

 労せず聞き出せたことに感謝すべきだろうけれど、今の私はそれどころではない。

 正直、感謝は二の次だ。

 私の尋常ではない驚きように、シャウラは若干引き気味となりながら答えてくれた。

「え、えぇ……魔力吸引するにはまだ早かったのですが、せっかく私のために作っていただいたものですから、どうしても使ってみたくて…………」

 私は思わず内心で頭を抱えた。

 すっかり恋する乙女心を計算に含んでいなかったからだ。

 同じ乙女でありながら、こういう時恋愛事の経験値がゼロである元喪女ではまったく役に立たないと、情けなくなる。

 そんな私に追い打ちをかけるように、シャウラは恋する乙女心ほどままならないものはないと、さらに実証を重ねてくる。

「それで、思ったように魔力放出ができなくて、ロー様に不具合の原因を調べてもらうために一度お返ししてきましたの」

『か、返してしまったのか?』

 アカの喰いつきように、シャウラは一層引き気味となりながら「えぇ……善は急げと申しますし、不具合があるなら、すぐにでも相談すべきだと思いまして…………だから、午前の授業を二時間程お休みして、お店の方まで届けてきましたのよ」と、頬を染めた。

 もちろん不具合は本当だとしても、おそらくそれを口実にして、今すぐにでもその魔道具師ロー様に会いたかったのだろう。

 それは一々尋ね返すまでもなく、薔薇色に色付く頬と揺れるヘーゼルの瞳が大いに語ってくれている。

 そんなシャウラの姿は、同じ女性である私から見ても非常に愛らしく見えたけれど、今はこちらの意気消沈具合が酷すぎて、シャウラを愛でている余裕はすでになかった。

 というか、意気込んで来たところにこの展開は、完全に肩透かしを食らった気分だ。

 しかし、物は考えようで、シャウラの手に(くだん)の銀の魔道具がないという事実に、今は安堵すべきなのかもしれない。

 このままシャウラの手元にあの魔道具が戻りさえしなければ、あの“先見”は覆せるかもしれないと。

 けれど世の中、そう甘くはないようで………………

「でも大丈夫ですわ。明日、学園の方に届けてくださるとのことですから」

 いや、それは全然大丈夫ではない。

 むしろそのまま不良品回収願いたい。

 そんな言葉をぐっと呑み込み、しっかり聞こえていたにもかかわらず再度問い返す。不毛だと知りながら。

「あ、明日にですか?学園まで?」

「えぇ明日、学園にですわ」

 すると今度はアカから、あくまでも至極真っ当に聞こえる意見が寄せられる。

『いや、不具合があるならもっとちゃんと見てもらうべきじゃないのか?』

「アカの言う通りですわ。こういうものはしっかりと見ていただくべきです」

『おう、その不具合のせいで何かあったら大変だからな』

 交互に寄せられる私とアカの意見を、シャウラは不思議そうに聞いた後で、コロコロと楽しそうに笑い始めた。

 私たちからすれば笑い事ではない。

 しかし、シャウラは存分に笑ってから、嬉しそうに微笑んでくる。

「お二人とも私のことを心配してくださっているのですね。不具合のある魔道具を使うことによって、何か私に甚大な被害が及ぶかもしれないと」

 厳密に言えばそうではないけれど、結果としては同じなので、ここはシャウラの言葉をそのまま受け止め、盛大に首を縦に振る。

 そんな私とアカに、シャウラは益々笑みを深め、破顔した。

「まぁ……お二人がそこまで私のことを想ってくださっていると知れただけで嬉しいですわ。しかし本当にご心配には及びませんわ。ロー様の魔道具師としての腕は確かですし、そして何より私が困らないようにと最優先で調整してくださるみたいですの。と言いますか、別に魔道具自体に不具合があったわけでないらしくて、私自身とその魔力放出の魔法陣の相性が悪く、巧く発動させられなかっただけなのです。私も今回のことで初めて知りましたが、すべての魔法陣が、あらゆる魔力に対応するわけではなく、魔法陣の種類によって反応しやすい魔力の属性があるみたいですわ」

 私にとっても初めて聞いた話だったけれど、アカにとっては既知の事実だったらしい。

『確かに、それはあるな。その魔法陣がもたらす効力の内容によって、相性のいい魔力属性はある。だからといって、魔道具に施されるような魔法陣は万人の魔力に反応するよう万能型のものになっているはずだが?』

 アカからのご尤もな意見に、シャウラは何故か頬を染めながらそっぽを向いた。

「あ、あの魔道具は私のための特別製だそうですわ」

 なるほど…………ご馳走様………………

 と、言いたいところだけれど、ここではどう解釈していいか正直悩む。

 

 善意か――――――

 悪意か―――――――――

 それとも純粋な好意からか―――――――

 それ以上の何かなのか―――――――――

 

 しかし、その答えもまた魔道具に秘されているような気がする。

 だからこそ私たちはあの魔道具をもう一度この目で直接確認しなければならない。

「ところでシャウラ様、明日その魔道具をお持ちくださるというお話ですけれど、それはいつ頃でしょうか?もしよろしければ、私とアカも、シャウラ様の友人として同席させていただきたいのですが」

『ユフィ!』

 アカの制止を含んだ声に、私は視線だけで言い包める。

 魔道具を確かめ、さらには魔道具師ロー・セルペンティスという人物を見定めるにはこれ程都合のいい機会はない。

 それがわからないはずもないアカは、渋々ながらも口を噤んだ。

 本当にどこまでも心配性な守護獣様である。

 私は内心で、勝手に決めてごめんね…………とアカに謝罪しつつ、シャウラに視線を戻した。

 そのシャウラは私の問いかけとお願いに対し、告げるべき答えを宙に探すように目を泳がせてからようやく口を開く。

「えっと……同席でございますか?それは構いませんが…………確か時間は、放課後と仰っていたかしら」

「ありがとうございます。でしたら明日の放課後、アカと一緒にシャウラ様の教室に寄せていただきますね。その時は、アカは仔狼ではなく人型のイグニスとしてですか………」

「え、えぇ、わかりましたわ。私もロー様にユーフィリナ様とイグニス様をご紹介できて嬉しいですわ」

 シャウラは僅かな戸惑いを残しつつも、それを綺麗な笑顔で隠した。

「はい、私も今からロー様にお会いできるのが楽しみです」

 私もまた、精一杯の笑顔を作る。

 そう、ここでシャウラを不安にさせるわけにはいかない。

 ただシャウラの大事な人を見ておきたいというお節介な友達として振る舞う。

 けれど、やはり私はとことん甘かったらしい。

 

 

 この世界に恋する乙女心ほどままならないものはないようで――――――――

 

 

 私たちがそれを改めて思い知らされるのに、そう時間はかからなかった。


 

こんにちは。星澄です☆ 

たくさんの作品の中から、この作品にお目を留めていただきありがとうございます♪


さて、今回のお話のテーマ(?)は

恋する乙女心はままならない………でした。

そしてそれに振り回されることになっていくユフィ。

さぁ、またまた騒動の予感です。


皆様にとってドキドキワクワクできるお話となりますように☆



恥ずかしながら誤字脱字は見つけ次第、すぐに修正いたします。

何卒ご容赦のほど………。:゜(;´∩`;)゜:。


どうぞよろしくお願いいたします☆



星澄

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