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命の咲く場所で、私は枯れる  作者: 鈴音イビ
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Chapter1;出会い



人は、いつ死んでもおかしくないと言われる。

だから、今を必死に生きなければならないと。後悔しないように行動していかなければならないと、と大抵の人は考える。

私は、そんな風に思いながら生きたい。




Chapter1;出会い

私の名前は一ノ瀬由紀。看護師だ。

とある大きな病院の、整形外科に配属されている。

毎日患者さんをサポートし、コミュニケーションしながら仕事に没頭している。看護師歴は今年で3年目、そこそこ慣れてきた頃だ。忙しい日々を送っているが、なんとかやってきた。


今日は、新しい患者さんを担当することが決定した。長い髪をお団子に束ね直し、私は張り切って挨拶に向かった。


その子は、一人の少年だった。交通事故にあい、足を負傷して運び込まれたそうだ。


「こんにちは、はじめまして。私はあなたの担当になった一ノ瀬由紀と申します、これからよろしくお願いしますね」


両手でカルテを持ち、笑顔で深々と頭を下げた。


「こちらこそよろしくお願いします、一ノ瀬さん。俺は瀬戸祐と言います。」


彼…祐くんは優しく微笑んだ。

窓から入ってくるそよそよとした風が、綺麗な黒髪を撫でていく。整った白い小さな顔は、笑うとより一層輝いて見えた。


「では、さっそくバイタル検査を行います、…」


私は祐くんを気遣いながら検査を終わらせた。特に異常はなく正常な数値だったので、今日の診療はこれで終了した。


「何か不安なことや、聞きたいことがあったら遠慮なく話しかけてくださいね」


「あの、…」


祐くんは俯きながら、私に尋ねる。


「退院出来るのは、いつ頃になりそうですか?」


「えっと…明々後日に手術があって、容態次第でリハビリに取り掛かることになるので…まだ未透視は立っていませんが、恐らく当分先にはなってしまいます…」


そう伝えると、彼は悲しげな表情で「そうですか」と呟いた。


「大丈夫だよ、入院してれば治るからね。心配しないで、私たちが全力で貴方を助けるから」


少しでも不安を和らげようと、私は強い眼差しで訴えた。だが、表情は変わらないままはにかんで


「ありがとうございます」


と、どこか儚げな姿を見せた。

最後まで見ていただきありがとうございます。

次のお話も是非ご覧くださると嬉しいです(不定期ですが徐々に更新予定)

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