ぱっと思いついた童話
グリム童話の研究中に思い付きました。
西洋の童話って教訓めいたことを言うやつがあんまりないですよね。
なかのいい友達。
あるところに、なかのいい三人の男の子たちがいました。三人はとってもなかよしで、ずーっと一緒に公園で遊んだり、鬼ごっこをしたり、犬を追いかけたりしていました。
ある日、背の高い男の子が飴玉を取り出すと、背の低い男の子がそれを欲しいと言いました。しかし、飴玉は一つしかありません。
「これは、ぼくのだよ。君のあめっこはないよ」
背の高い男の子は、そう言って飴玉を食べようとしますが、背の低い男の子は、どうしても飴が欲しくて欲しくてたまりませんでした。
「ちがうよ。これは、ぼくのだよ。君のあめっこじゃないよ」
背の低い男の子はそう言うと、背の高い男の子の飴を取ろうとしました。
背の高い男の子はこれにかんかんに怒って、取らせまいと喧嘩になります。
「これはぼくの!」
「ちがうよ、ぼくのだよ!」
二人は叩いたり、蹴ったりしながら取っ組み合いになってまいました。
仲のいい二人が争うのはみにくい。もう一人の仲のいい男の子は思います。仲直りさせようと思った彼は、二人の喧嘩を止めさせて言い聞かせました。
「いいかい。君たちは仲がいい、それなのに喧嘩するのは、とってもよくなくて、とっても悲しいことだ。だから、仲直りしよう」
しかし、二人は仲直りしようとしません。男の子は、二人にいいことを思いついたと話します。
「じゃあ、このあめっこはぼくが食べるね。そうすればほら! 君たちは喧嘩しなくていいんだよ。ぼくはあめっこを食べられるし、君たちはずっと仲良しさ」
男の子がひょいと口の中に飴玉を入れると、それを聞いた二人は大喜び。お互いにごめんねと言い、仲良く手を繋いでお家に帰りましたとさ。
めでたしめでたし。
教訓 漁夫の利には気を付けようね!