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精霊の御子  作者: 壱原 棗
第2章:諦めた変化
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敵意

国の特徴を散りばめがちなのでまとめてみました。


〔大陸を統治する3つの王国〕

◎ウェルス王国 〜魔術と学問の国〜

西に位置する王国

魔術や研究機関が発展している

研究者の養成など教育に力を入れており

王都には名門の学問所や研究所がある

ハーフエルフ差別が少なく魔術師人口が多い

貴族の養子制度が充実


◎ランティス王国 〜騎士と資源の国〜

東寄りに位置する王国

騎士の育成に力を入れており

騎士志望の者が世界中から集まる

闘技場が世界中にある

大陸最大の森林や鉱山を管理している

貴族の血統観念が強い

レムの出身地


◎トール帝国 〜技術と工業の国〜

北に位置する帝国

工業や研究機関が発展している

鉄道が開通している

マナフィラーの数が多い

ティルナ教会の自治区が存在し

枢機院を設置している


 * * *


 衛兵に連れられてやってきたのは、リマが魔術の特訓で何度も来ていた遊泳施設だった。

 魔術を見せてよ、というレムの一言でリマは水を操って見せた。2人は抑制器が出来上がるまで魔術の使用をレイラから禁じられてる。



「つい最近使えるようになったから、このくらいしか出来なくて……。攻撃の魔術も覚えないといけないんだけど」

「僕もはじめはわからなかったなぁ。魔術の家庭教師が来てくれたんだけど、お互いおっかなびっくりでさ。でもシルフィは筋が良いって褒められてたよね〜」

「そ、そうでしょうか?私も攻撃系の魔術は練習していますが、実践したことは無いに等しいです」


 レム曰く、純粋な別属性の魔術がどんなものか興味があったらしい。間違いなく彼らは自身の精霊の属性の魔術が使えるのだ。



「慣れてきたらきっと、リマちゃん水の上歩けるよ」

「えぇ?想像できないなぁ」


 多分ね、という彼の言葉にリマは眉を下げて困ったように笑うと、首を傾げた。すると、談笑する3人の後ろから待ち人の声が聞こえた。


「生身の状態でいつまでも潜水してる子の言葉じゃないわね」

「あ、レイラさん。お話は終わったの〜?」

「陛下に掛け合って、今後精霊の子に対して抑制器を造る許可を得たの」



 市場に出回っている抑制器は数が少なく高値であるのは常である。少数部族であるドワーフとゴブリンは近年の人口減少に伴うかのように、定住区を持たず移動している事が多いらしい。

 その門外不出の稀有な技術を守るため、ウェルスでは国を挙げてドワーフの技術保護の活動を続けている。一方でゴブリンの技術は、トールが積極的に保護の政策を採っているのだ。


 今回は城内に常駐しているドワーフの技術者(細工師)に協力を仰ぐことになる。

 いたずらに抑制器を増やす訳にはいかないため正式な手続きを行ったようだ。



「2人の抑制器ができる間に、リマの特訓をしようと思って。サイモンは室長代理の仕事に追われちゃってて、手が回らないんですって。ダメよね〜」

「すごいねリマちゃん。天才魔術師から手ほどきを受けるんだね!」

「レム、面白がってません?」


 腕や手首を伸ばしたり、ほぐすように指の骨を鳴らしながらレイラはリマの正面に近づいていく。悪い予感しかしないリマは一歩一歩後ずさっていた。


「だから一刻も早く、あなたは本能的に理解しなければならない。いえ、してもらわないといけない」

「レイラさ……えっ……?と、止まって」

「なぜ人間である精霊の子が魔術を使えるのか、その必要があるのかを」

「お、落ちちゃいますって!!!」


 後退する足元は水場の縁で当然止まるが、彼女はそのままリマの顔が目と鼻の先まで迫るほどに近づくと、トンと軽い音が聞こえた。


 レムとシルフィが唖然として口をポカンと開けるが早いか、リマは水場に落ちていたことに気づく。


「えぇぇ!?」

「レイラさん!?」

「っはぁ!レイラさ…ん!?」


 予想外なことを目の当たりにして、さすがにレムとシルフィも驚いた。

 慌てて水から顔を出すと、その瞬間に水面一帯が光り目が眩んだ。瞬き一つの間に水に浸かる胸から下のあたりが凍る。


「いい?少し凍らせたから。手足を使わずに、そこから出てきなさい」

「む、無理です!!」


 水面より下こそ水のままだが、体の周りは分厚い氷の層で身動きがとれない。涙目で混乱するリマが訳もなく上から腕を振っても、水面の氷はビクともしなかった。それどころか、無駄に上半身を動かそうとすれば、リマだけに伝わるような速度で境界面から上が凍っていく。



 魔術の特訓が始まった頃、サイモンに言われたことを思い出す。レイラが天才である所以。

 術者には属性と相性がある。それは生まれ持った素養で変えることはできない。

 彼女は全属性の魔術が使える数少ない魔術師なのだ。


『水と氷は対象が物質的には同じだが、魔術の原理では根本が違う。ちなみに俺は氷属性の魔術は会得できなかった』


 魔術に明るくない人間からすると、はじめは水と氷の属性が分かれている意味がわからなかった。

 その大きな違いは、物体を生み出せるか否か。

 環境に左右されずに氷塊を生み出すことが、氷属性の最低条件なのだという。そこから、冷気や状態変化を起こす応用になるらしい。発動と共に熱を奪うため、氷の侵食が進むほどその部分の温度が下がる一方なのだ。


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