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6友人が来たようですね。


「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」


「はい。そうです。ある分でいいのでお腹にたまりそうな物をとりあえずお願いします。」


おや?どうやら友人は後から来るようですね。しかし、これはなかなか難しい注文ですね。多く出し過ぎるものお金が欲しいみたいでなんか嫌です。何より残されると気分がよくないです。だからと言って少ないと、お客様に何度も注文させることになりますからね。


「いや、やはり注文をパスタとタルトをお願いします。飲み物はコー・・・・・・ちゃをアールグレイで。パスタは本日のパスタで。」


「それでは、本日のパスタ、トマトとチーズのクリームパスタと食後にアールグレイとタルトをそれぞれ1つずつでよろしいでしょうか。すみませんがタルトは昨日のものになりますが、ベリータルトでいいでしょうか。」


「ええ、それでよろしくお願いします。」


「分かりました。それでは少々お待ちください。」


昨日のタルトを出すことになるのは少々気が引けますが、お客様が許してくださったので、よしとしましょう。今日のお客様は1人しか来ていなかったので、パスタソースも多く余っていて温めるだけでしたので早めに料理を出せそうでよかったです。

お客様は1つしか頼まなかったけど、友人はどうしたのかしら。彼から連絡があったのに、彼は食べないのかしら。とりあえずはお客様の分をつつがなく用意をしてから手紙をもう一度確認してみましょう。


「こちら、お水とパスタになります。どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。」


友人からの手紙では特に書かれてなかったですね。それよりもお礼を叶えてくれるということですが、何をお願いしましょうか。悩みますね。そういえば、そろそろアレが切れそうですしそれをお願いしてみましょうか。断られてもだめでもともとですしね。

待っている間に、クレープの考えでもまとめておきましょう。


チリンチリーン


「先輩、先に行かないでくださいよ。できるだけ一緒に行きましょう。って話したじゃないですか。」


「あくまでもできるだけ、であって絶対ではなかっただろう。私は待った方だと思っていたのだが?

それよりも、早く何か頼むなら頼みなさい。彼女がどうしたらいいか、困っているでしょう。」


「あ、わりぃ。俺は、先輩と同じのでいい。あるか?それともう閉まっている時間だから普段の話し方でいい。おまえは公私混合しないヤツだが、気を楽にしていていい。」


「あ、うん、ありがとう。じゃあ今から持ってくるね。」


なんだか、いい職場についていたようで安心したわ。あんなにはっきり文句も言えるほどアットホーム的な職場なのね。貴族がいる職場ってことで、心配していたのだけど本当によかったわ。

ただ、貴族様かもしれない上司がいるのに、普段通りの話し方っていうのは慣れないわね。正直言うと気が進まないのだけれど、友人の隣で貴族様らしき方が頷かれていたらお言葉に甘えるしかないわ。ところで、あの方は貴族なのかしら・・・・・・。動作などに品があるから、貴族のような気がひしひしと感じているのですけどね。


「はい、お待たせ。トマトとチーズのクリームパスタと水です。」


「ありがと。それにしても、お前はクリーム系のパスタが好きだよな。」


「それを言われると困るんだけど。そもそも王城の料理を日々食べている人間に評価をされるのはきついわ。比べる対象が王城の料理人のものだなんて。」


しまった。普段通りでいいと言われたからって、ここまでいつも通りじゃダメだったわ。

普通の顔して、王城の職員に料理を出していたのに・・・・・・。頭を抱えたくなる。

何が悔しいって友人にはめられたことよ。現に、彼は今目の前で大笑いしているわ。一応、上司の前だからなのかまだ上品に笑っているかとが、また嫌なことだわ。事前に分かってたから、爆笑してる訳じゃないのよね。私の反応が予想通りってことじゃない。本当に悔しいわ。


「お前のそんなうかつなところを見ると、王城勤めにならなくて正解だなって思うわ。お前、先生からの評判はよかったから、お前が拒否しなかったら、王城勤めだったぞ。」


「この際だから、はっきり言うけどそんなの無理よ。今みたいに簡単にはめられるし、探り合いとか苦手だもの。それにそんな技術ないもの。」


「魔法だけじゃないさ。計算だって得意だったろ。

王城はある意味で人で不足だからな。いくら頭がよくても使えるかでいうとそうじゃない。協調性って大事なんだな。頭が良すぎると、正直俺たちじゃ話が分からないことがある。そこは貴族と平民の違いでどうしようものが有る。

そこで協調性があるヤツは、分かるように説明できるが、ないヤツはかなり端折ったりする。もちろん分かるように頑張るし、聞けば簡単に教えてくれるが、毎回聞きたくないだろ。頭良いヤツに合わせてもらうしかないんだな。って実感するわ。

協調性がない頭良いヤツだけ集まると、博士とか専門家とかになる。そうなると、事務が多い部署が人で不足になるのは必然だろう。」


友人は話している間にすっきりしていたようだけど、私は顔が引きつっちゃうわ。彼、ここに来る前に飲んできたのでは、って考えてしまうわ。

何より気になるのは、彼の上司の反応よ。大丈夫なのかしら。とりあえず、水と酔い冷まし薬を持ってきましょう。それで、自然な形でここから離れましょう。


「すみません。水と薬を持ってきますね。」


「ああ、ありがとう。是非頼むよ。」









「お待たせしました。はい、これ飲んで落ち着いて。

それと、こちらにデザートと紅茶の方もお持ちしました。それでは失礼します。」


「あぁ、気を利かせてくれてありがとうございます。

遅い時間に来てしまいましたし、もう片していていいですよ。終わった頃を見計らって帰りますので、こちらの方は気にしないでください。」


「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きます。」


ほんとにいいお客様だわ。友人は酔いが覚めたとしても、店が閉まるまで居座るつもりだったのか、後ろですごく頷いていたのが気になったけど、よしとしましょう。上司がいる限り、早く帰ってくれるでしょう。

それでは、もうお店を閉めたら、すぐに寝られるようにしておきましょう。










「おーい、アイリス。ちょっといいか?」


ちょうど、片付けが終わったあたりに声をかけられたわ。様子を伺ってたのかしら、それなら上司さんに悪いことしてしまったわね。


「今、ちょうど終わったからタイミングよかったわ。何?」


「お礼何がいい?大体の予想はついてるから、無理そうなのも叶えられるぜ。」


「あ、そうなの。じゃあ、質のいい魔石が欲しいわ。最近切らしそうで、どこで買おうか悩んでたのよね。」


「追加注文の方は、ものによっては料金とるぞ。複数用意するから、時間はかかるだろうけどいいか。」


「お祭りまでには用意して欲しいわ。お祭り終了まで保つけど、弱い状態だと不安だから。」


「あー、そうだな。了解。じゃあ、今日はありがとな。」



いつもだけど、すぐに転移したわ。上司も連れて・・・・・・。

最後に挨拶してなかったけどいいのかしら。まあ、責任は友人にあるのだから、いいわよね。


さて、今日はもう寝ましょう。



お待たせしました、いつぶりでしょう・・・・・・。

題は、主人公は友人が来たと思っていたからです。


次回は、ヒーローサイドです。さて、どちらでしょうね。(わかりやすいと、思いますが・・・)

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