第2話 逃走
キャラー紹介ー
ロンド
レクイエムの父
有名な旅人として知られている
戦花
レクイエムの母
自分の子供達を溺愛してる
風花
レクイエムの妹
天真爛漫でいつも兄の傍に居たがる
・・・僕が囚われてからずっと、
彼らはこちらに来ては槍で僕の身体をいたぶり、
貫き、嘲笑っていた。
あれからどれ位の時間が経ったかも分からない。
痛みで必死に泣き叫ぼうとも、
許してくれと謝っても、
彼らは全く聞く耳を持たない・・・
しまいには口に布を詰め込まれて、口を
閉じることすら出来なくなった。
(・・・もう嫌だ・・・・・・何で・・・こんな目に・・・)
身体に力を入れる気力は既になく、
時々、夢で家族を見るようになった
父さん・・・母さん・・・風花・・・・・・
考えることも嫌になり、
このまま何も考えずにいようかと思った。
・・・何も考えず・・・・・・何も聞かずに・・・・・・
「なぁ、そういえばコイツの居場所を嗅ぎ回ってたアイツ。結局どうしたんだ?」
・・・・・・・・・アイツ?
「ああ、ロンドのことか。あいつなら殺したって村長が言ってたぜ」
・・・・・・・・・父さんが・・・・・・死んだ?
「そんな事したらあの女と娘に気付かれるんじゃ・・・」
「大丈夫だって、そいつらは母方の実家に逃げたって聞いたし」
・・・・・・・・・嘘だ・・・そんなの・・・
「おい、こいつ目から血ぃ流してるぞ」
「やべ、さっきの聞こえてたのか・・・」
「ガアアアア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
「ひっ!ギァァアアアアアア!!!」
「た、助け・・・・・・ヒィィ゛ィ゛ィ゛!!!!」
・・・殺す。
・・・・・・・・・皆、殺してやる!!
ーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・・・・・・・あ・・・?」
気がつけば、僕は村の中央に1人で立っていた
手は血や肉で真っ赤に染まっていた
周りを見渡すと、それはただの地獄だった。
誰のものか分からぬ血液がそこら中に
飛び散り、地面には死体が転がっている。
死体は腹をくり抜かれていたり、首が飛んでいたり、手足がありえない角度に曲がっていたりと
どれが原因で死んだか分からないものまである。
「・・・・・・僕が・・・やった・・・?」
・・・いや、とにかくここから逃げよう!
こんな所は放ってどこか遠くへ!!
そう考え僕はその場から逃げ出した。
周りを何も見ず、ただひたすらに走り
遠くへ逃げようとした。
無我夢中で、僕の存在を気付かれない場所に
向かって走った。
「・・・・・・あれ?」
ふと辺りを見渡すと、そこは真っ白な場所だった