食欲にまさるスパイスは無し
昨日はすみませんでした。
予約をした記憶はあったのですが、忙しくて
編集してなかったこととか色々忘れてました…ははは
すみません
サブタイトルは遊びでつけてるので分かる方だけ
くすっと笑ってください
それ以外の方はスルーで…お願いします。
たっぷり2分は固まってから、私はくるっとチャッピー君を見た。
「チャッピー君。お腹痛い?気持ち悪くない?」
「え、あ、あのはい。大丈夫です」
そうか、良かった。
「ごめんね。私が知らなかったから食べさせちゃったね」
「え、いえ。食べたのは自分で…」
とりあえず、蹴られて転がった食材を籠に拾う。
うん、全然大丈夫そう。
「…おい」
咎めるような声を大師君があげるけど、無視。だって、コレは猫クロスケが私の為に見つけてくれて、食べて問題なかったんだもん。
「この辺りで取れる物は毒だから、チャッピー君はこの食材を見
た事がなかったんだね」
ごめんねともう一回あやまると、チャッピー君は美味しかったで
すからと応えてくれる。
うん美味しかったよね。だから、私はコレをあきらめるつもりは
さらさら無いのです。
「あのね、大師君」
「…大師君?」
「知らないで、毒をチャッピー君に食べさせたのは本当に申し訳
ないと思う」
ごめんないさいと私は頭をちゃんと下げる。
「…でも、これは猫クロスケがちゃんと私が食べられるものとし
て教えてくれたし、昨日食べたけどちゃんと生きてるし」
それに何よりも…
「私、美味しいものを食べるのは権利だと思うから料理作るのはやめないから」
にこっと笑って私は籠をしっかりと抱えた。
「……毒を自ら食べるとは」
信じられないと大師君は言うけれど、私はもうあの素材感しか感じないスープとパン的なものを3食食べるなんてまっぴらですから。
「あの!僕も問題が無かったので、食べます!」
お、おおう。
チャッピー君の熱意が凄い…
「チャピタ・ケソッソ。結界外の生物や植物は…」
「分かっています。でも、僕はマーサさんの世話を任されています。同じものを食べて大丈夫なのか確認するのは僕の使命だと思います」
…うーん。人種が違うので、その言い訳は若干苦しい気がするんだ、チャッピー君よ。
「呆れる事だな…好きにすればいい」
大師君はふんと軽蔑の眼差しをチャッピー君に向けたけど、その後は何も言わなかった。
さて、魚も取れた事だし、昨日見なかった食材もある事ですので、お家に帰りますかね。
「にゃーお」
と、足元の猫クロスケが私に声を上げて、またついておいでと先導し始めた。
素直に猫クロスケに従って歩いていくと、途中で今までみたいな軽快な足取りではなく、ゆっくりゆっくりと猫クロスケが何かに近づいていくのが分かった。
「猫クロー」
「しっ」
声を上げようとすると、後ろからついて来ていたチャッピー君に黙るように指示された。
…流石に大師君はついてこなかったみたいだ。
「-チュプパスの巣ですね」
何をするんだろうと小さな声でチャッピー君が言ったときに、騒ぎが起こった。
「クワァックワワワアワッ」
そんな叫び声と共に、ばさばさと激しい音がして、辺りはシーンとなった。
「ね、猫クロスケ…大丈夫なの?」
恐るおそる猫クロスケに近寄った私は、思わず、ぎゃああああああっと叫んだ。
猫クロスケが茶色くて気持ち悪い顔をした鳥みたいな何かを咥えていたのだった。
ピクリとも動かないので、多分お亡くなりになっています。
「チュプパスです。比較的大人しい小型の魔獣ですよ」
「…ううう、グロイ」
そうは言っても、多分食べられるんだろう。こういう時はにゃんこを褒めねばいかんのだ…。それが飼い主の定めである。
「あ、ありがとうね、猫クロスケ。偉い偉い偉い」
猫クロスケは私が頭わしゃわしゃ撫でるとそうでしょとでもいうように胸をそらす。うう、可愛い…。しかし、これはどう捌くのよ…。そう思いながらも胸毛のあたりももしゃもしゃと撫でる。
心の中でげんなりしていたら、猫クロスケはとっとと歩いていって、何かを咥えてまた私のところに戻ってきた。
翡翠色の長細い丸いもの。…これって!もしかして!
「た、卵!卵なのね!!」
やった!コレで格段に料理の幅が広がる事間違いが無い。
「…ま、マーサさん。まさかそれも食べるんですか?」
チャッピー君はちょっと引いているようだけど、私は全然気にしない。だって、猫クロスケはこれまでもかなり私の嗜好にあった食材を探してくれているのだ。
だとすればコレもほぼほぼ”卵”で間違いないのだと思う。
若干顔をひきつらせているチャッピー君をよそに、私は嬉々として卵集めを始めるのだった。
その後、木になっていた実とか、きのこっぽい何がしかを採ったりしながら、私達はお家に向かった。
チャッピー君が言うには、普通この結界の外の森では人は採取したりしないんだそうで、食材も決められた場所で、決められたものが育てられて食べられているだけなんだそうです。
ふーん、だからご飯はワンパターンなのかもね。
そんな事を話しながらお家に着いた私達は、家についてびっくりしてしまった。
「…遅かったな」
そんな事を言いながら部屋で待っていたのは、不機嫌な顔の大師君だったのだ。
えーと、えーと。…それで、結局私は何人分くらいご飯作ったらいいんだろうね?
そんな気持ちでチャッピー君の顔を見ると、彼もとっても困ったような顔で、私を見ていたのだった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
美味しいものが毒だからやめなさいって言われたら
どうしましょうと思いますね。
美味しいものは太るとわかっていても食べてしまうタイプです。
ブックマークなどありがとうございます。
とても励みになっています。
連載開始から2週間ですが、全然話が進んでませんので
がんばりたいと思います。