いわゆるひとつの等価交換
こんにちは
いつも見てくださりありがとうございます。
懲りずに予約投稿にしました。
猫クロスケと意思疎通した私は、伊○門を飲みつつちょっとだけ後悔していた。
ーお腹が空いた…。
きれいごとを言わずに、食べ物を出してもらえばよかったかなぁとほんのちょっと考えていた時だった。
コンコンとノックがした。
「はい!」
「遅くなりました。ケソッソです」
私は急いで扉を開けた。
「すみません、色々準備をしていたら遅くなってしまって…あ、コレ食事です」
チャッピー君の差し出してくれた篭が嬉しくて私は思わずぎゅっと彼をハグしていた。
「チャッピー君!マジ嬉しい!ありがとう!!」
「…っいや、あの、マーサさん!」
慌てたチャッピー君の声に私は彼を離す。急におばちゃんに抱きつかれたら困っちゃうよね。
へへっと笑いながら、私はチャッピー君の持ってきてくれた籠の中を覗き込む。
なんか、茶色っぽい塊と筒…だ。
「えーと…」
「あ、それはスープです。それにそちらのパンをつけて食べてください」
チャッピー君は、言いながら部屋の中の戸棚から食器を出してきて、スープとパンを用意してくれた。
匂いは良さそうなので、おいしく頂こうと思う。うん、贅沢は敵。スープは、鮮やかなピンクです…。
チャッピー君は更にさっき見つけていた瓶に水をためてくれた。何やら光る石みたいなものを投げ入れてためる仕組みだったみたいです。
「すいません、何も置いていかなくて。喉も渇いたんじゃないですか?」
「あ、うううん。飲み物は一応…」
私が机の上の伊○門を指し示すと、チャッピー君は凄い勢いでそれに駆け寄ってきた。
「…な、何ですかコレ」
「えーっとね。お茶?」
「こ、これがですかっ??」
チャッピー君は恐る恐るペットボトルに触れて、持ち上げたり色々している。
私はそれを見ながら、用意してもらったパンとスープを食べた。
ーうん。まずくは無いけど、素材の味が生きている…シンプルなお味のスープですね。
次は自分で料理をしたいと思います。うん。
「マーサさん、コレはどうやって飲むのですか?}
の、飲みかけだけど…良いのかな?と聞いてみたけど、全然気にしない様子だったので、ふたを開けてあげる。
私が食べ終わるまで、チャッピー君はペットボトルに夢中だった。色々とそれについて説明しながら楽しく話をした。
私が食べ終わった頃、、チャッピー君は神妙な顔で私の名前を呼んだ。
「マーサさん。コレがここにあるという事は、既に魔幼を配下に納めたのでしょうか?」
「配下…というか、話し合いはしたけど…」
「…話合い?」
どういうことかと問われて、ここまでの事を説明する。チャッピー君は話が進むにつれて、食い入るように私のほうを見つめてくる。
ーいや、あの、おばちゃんも照れますよ…。
「…マーサさんは、凄いですね」
「え?」
話終えた時に、チャッピー君はふうと息を吐いた。
「…今、おっしゃった事は僕達、幻翔修練の塔の学生が学んで身に着けるべき考えや理です」
我々はまずそれを学ばなければ、魔幼を手にする事は許されないのですと言いながら、チャッピー君はまたため息をついた。
「マーサさんは…魔幼や、魔法のない世界からいらしたとおっしゃったのに、何故それを…」
「いや、あの年の功よ年の功!私、おばちゃんだから…」
「え?マーサさんはおいくつなんですか??」
ーっそれ聞くか少年よ!
「うっ、えーと…40才です」
幾つにみえるー?というお約束を飲み込んで応えた私に、チャッピー君から絶句が返る。
…いや、まあしょうがないね。うん、傷つくけど、あるあるですからねっ。
「…てっきり、僕の年下と思っていました…」
「えええ!それは無いでしょ!ないない!」
「そうですか?僕は今30歳ですので…」
え!そうなの??
「…あのつかぬ事を伺いますが、ここではお幾つが成人ですか?」
「成人は大体50歳前後ですね。魔幼を手にする時に、我々の見た目は止ります」
ショーゲキ…。見た目と皆さん違うのですね…。
「ちなみに、クヌート師は123歳です」
のぉぉぉぉ、まさかのオーバー100!!
「魔幼を身に宿すと寿命が延びます」
通常の寿命は100歳くらいですよとチャッピー君は笑った。
「それにしても、マーサさんは本当に凄い方ですね。魔素を扱うための理にご自身で気がつくとは…」
そう言いながら、チャッピー君は少しだけ申し訳なさそうな顔をした。
「本当をいうと、ここに来る時にクヌート師に言われていたのです。…もしかしたら、既にお亡くなりになっているかもしれないと」
「ええ?!」
魔幼を扱う者はそれだけ危険なのですとチャッピー君は続けた。
「僕も、そうでしたが、通常人は魔法や魔素を無限の力と勘違いしています」
そ、そうだね、魔法ってチート能力的な認識が多いかな?…あれ、でもMPとかが一般的になってるかも?
「しかし、何事にも対価がありそれは必ず巡っています」
それに気がつかず魔幼を呼んで力を使い続けた者の多くは、すぐに命を落としてしまうのですと言われて私はぞっとする。
そ、そういう事は早く言って欲しいんですが…。
「…なので、僕はびっくりしたんです。そうして魔幼を外に出しておく事だって魔法です。何かしらの対価が働くのでそれはマーサさんの負担になっているはずなんですよ」
な、なるほど…。
当然のように私の膝に丸まっている猫クロスケは、今は大人しく目を瞑って尻尾だけをゆらゆらと揺らしている。お腹は凄く空いたけど特に具合が悪い感じはしない…。猫クロスケが私に払わせている対価ってなんなのだろう??
…正直全然思いつくことは無かった。
読んでいただきありがとうございます。
あんまり説明とかしないで進めきたい気持ちと
がっつり色々世界観を出したい気持ちにはさまれています。
やりたいことは育成!!忘れちゃダメです!!
ブクマ、ポイントありがとうございます。
感想等いただけたらとても嬉しいです。