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脚本家もどきの日常。  作者: まめたろう
8/13

08 動き始めた演劇部。

溝口は相変わらず、Japanese土下座styleを繰り出して謝っている。意味ないのに。

その横で、綾瀬先輩たちは活動を再開した。

綾瀬先輩は平均台で遊んで…いや練習している。

加藤さんは男子に例のドレスを着せている。

僕が来てまだ10分経っていないのに、僕はそれを日常だと受け入れてしまった様だ。

そりゃ、あんなカオスを5分見ていれば、脳がおかしくなるのも致し方ない。


ここは本当にカオスだ。



僕は暫くそのカオスな現状を眺めていた。


30分くらい経っただろうか。

いきなりマダムが入ってきた。

「ミーティングを始めます。」

マダムの声が響く。

「「「「「はい。」」」」」

部員皆さんの声も響く。

「羽島君も、こっち。」

山森さんに手招きされる。

とりあえず、手招きされた方へ行く。

綾瀬先輩や長屋先輩の声が響く。

タイトルらしきものが連呼されていく。

全くついていけない。


「羽島君。」

ん!?

何か今呼ばれた様な…。

「今呼ばれたよ。」

横で山森さんが囁く。

「…はい?」

「彼が今度脚本を書いてくれる、羽島君です!」

へ!?

全く状況が読めない。

けど、嫌な予感がする。

「自己紹介して、書きかけのやつざっと話して。」

は!?

「早く、ね。」

ほへぇ!?

…何かものすごく情けない声が漏れてる気が…。

ああああ!!はい!!

今すぐ話しますんで、その黒い笑顔だけは止めてください…。


「羽島直樹です。よろしくお願いします。えと、今…」

「質問いいですか?」

僕が話すのを遮る様に手が上がった。

「まあ、いいんじゃない?」

長屋先輩が適当に答えた。

「な、綾瀬?」

「いいよ。」

…僕の意見は無視ですか。

「先輩は今までどんな作品を書かれたんですか?」

…確か彼は、加藤さん事件のときの、?椅子に腰掛けた少年″君。

「えと、ゆるーい学園ものかと思います。」

「他、質問ある人ー?」

長屋先輩がゆるーく聞く。

…あれ、長屋先輩って、こんなゆるーい人だっけ…?

「はーい。」

誰だ?

…溝口だ。

「えーっとぉ、羽島君はー、好きな人はー、い…」

バシッ

気付くと、山森さんに叩かれた溝口が伸びていた。

…恐ろしい…。

「よい子のみんなは、変な質問しちゃだめだよー」

「関係ない質問は後にしてね。」

部長&副部長が締めた。

「じゃ、続きを。」

部長に促される。

「今、僕はこんな話を書いています…。」


* * *


時は江戸時代。

ある大名の娘がいました。

彼女は12歳でした。

彼女はとても身分が高く、結婚相手も決まっていました。

大名が決めた結婚相手は、自身の側近でした。彼はまだ若く、忠実で、大名のお気に入りでした。

そのため、大名は彼を跡取りにしようとしたのです。

しかし、彼は彼女の事が好きでしたが、彼女は彼の事が嫌いでした。

彼女が15歳になったら、彼らは結婚する約束でした。


13歳の春の日でした。彼女は侍女たちが街の様子を話しているのを聞き、とても興味を持ちました。


ある侍女を彼女は姉の様に慕っていました。名はおねといいました。

彼女はおねを連れて街に出かけ、色々店を回ったあと、ある団子屋に入りました。

彼女は団子屋で働いている青年に一目惚れしてしまいました。


屋敷に帰ってからも、彼女は彼の事が忘れられませんでした。

彼女はおねに相談しました。

「私はあの方が忘れられないの。私はあの方に恋をしてしまったみたい。あの方にもう一度会いたい…。」

おねは困りました。

そして、ある方法を思いつきました。

「姫様、では、あの店の団子をあの方に届けさせればよいのではないでしょうか。」

彼女は早速そうする事にしました。


といっても、ただの団子屋を屋敷に上げる事は出来ません。

彼女は屋敷の窓から、彼の姿を見るのみでした。


1週間に1回、彼を眺めるのが彼女の楽しみでした。


* * *


「ちょっと待ったあ!」

一段落した所で綾瀬先輩の妨害が入った。

「これ、展開読めちゃうよ!?」

いやいや、それは最後まで聞いてからにしてください…。

「綾瀬さん、お静かに。」

…マダム、ナイスだ。

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