弱者
オチビの話。
怖い。
呼吸をしようとしても、喉が詰まったような感覚がして上手く呼吸が出来なかった。まるで、喉も肺も固まってしまっているようだった。
ぐるぐると視界が回り、落ちていく最中、目前に岩肌が見えた。
ぶつかったら、もう一溜まりも無い事は分かりきっている事だった。あの、頭を潰されて自分の目の前に出された鹿のように、自分がそうなるのだと。けれども、そうならない為に翼腕を広げなければいけないのに、体は縮こまってしまって動かなかった。
風が体を通り抜けて行く。目が閉じてしまう。死にたくないのに、死にしか向っていない体を憎たらしく思いながらも、どうしようもなく思った。
その時、体が岩肌に擦り、痺れるような痛みが体を走った。兄弟姉妹と喧嘩をした時、毎回大体負けていた時、その時でもそんな痛みを覚える事は無かった。びくりと体が反応し、その時、ふわりと体が持ち上げられるような感覚がした。
縮こまっていた翼腕が痛みで動き、偶然広がっていた。ああ、と頭で、それ以上に体で理解した。これが、空を飛ぶ感覚なのだと。
すると、自然と翼腕は最善の位置へと動いた。
真下へと落下していた体が翼腕が動かされた事によって、速度を和らげられた。既に加速して落ちていたので、翼腕には酷く負担が掛かっていたが、どうにかして堪えた。
ここで我慢出来なければ、死んでしまうとは分かっていた。あの、ただ落ちて行く時の絶望はもう、味わいたくなかった。
そして、落ちる感覚が無くなり、やっと目を開く事が出来た。
目の前を成獣のワイバーンが悠々と通り過ぎていくのがまず最初に見えた。そして、その先には川が見え、森が見え、山脈が見えた。
そして空は、青かった。白い雲が所々にあった。
暫く滑空した後に、初めての草原に着地した。
生えている草の匂いは心地良く、ただ、少しだけそれに糞尿の臭いが混じっているのが残念に思えた。
そしてすぐに、自ずと足ががくがくと震えて、尻餅をついた。
心臓の音が、今更自分の中で強く響いていた。
死に掛けた恐怖が、今更になって自分の中で強く思い返されていた。崖の方に振り返ると、今もただ落ちて行く自分と同じ子供のワイバーンが一匹見えた。
叫ぶ事も出来ず、岩肌に当たって一層強く体が回転させられ、血を撒き散らしながら落ちて行った。そして、地に落ち、糞尿が飛び散ったのが僅かに見えた。
自分もそうなっていたかもしれない。
呼吸も荒くなり、暫くは収まりそうになかった。
その時、自分の後ろに影を感じて、息を荒くしながらも振り向いた。
母が、何故か自分を困惑したかのような顔で見ていた。何故、そんな目で見られているのか、分からなかった。
生き残れたのに、どうして。素直に喜んでくれない親に対し、単純にそう思った。
背中を舐められ、背中に傷を負っている事を思い出した。
-*-*-*-
友達は普通に出来たけれど、そこでも自分は弱かった。喧嘩をしても勝てる事は殆ど無かった。
憂いを晴らす手段も無く、どうしようもない苛立ちが募っていく。そんな中、良く見かける、一匹で居るワイバーンが気になるようになっていた。
売られた喧嘩は買っている。それで、大体は勝っていた。一度自分も戦ってみたけれども、すぐに負けてしまった。
けれども、誰かと遊んだりするのを見る事は殆ど無かった。精々、兄妹と思えるワイバーンと少し遊んでいるのを見た事があるだけで、後は大体一匹で過ごしていた。
それでいて、その状況で良いと思っているように見えた。そんなワイバーンは、彼女だけだった。
性格が酷く悪いのか、どの集団に入ろうとしても突っぱねられているワイバーンは居たけれども、自分から一匹で居てそれで良いとしているワイバーンは彼女だけだった。
ただ、それでも寂しそうではあった。
そしてまた、彼女と居たら、喧嘩に負け続けても癒されるかもしれないと何となく思った。
理由は、はっきりとは分からなかった。
自分の両親のような、そんな感じになれるような気もしたが、それ以外にも何かあるような気がした。
喧嘩を彼女と毎日するようになった。しかし、彼女と喧嘩をすると他の友達と喧嘩をするより、より早く、何もさせて貰えずに負けてしまい、それはやはり苛立ちを感じた。
勝てるイメージすら、余り思い浮かばなかった。
どうすれば勝てるのか、頭で考えても実戦では全く生かせなかった。
でも、彼女と居るようにしている時間は、そんな苛立ちが少しだけ和らげられる気がした。それは、とても救いのある事だった。
そんな、暑さが殆ど無くなった頃の日、彼女が崖の真下の糞尿塗れの場所に行こうとしているのが見えた。
いつも通り、喧嘩をしようと思っていたから、それを追いかける事にした。けれど、彼女は何故か逃げ出した。
今まで、逃げた事何て無かったのに。
その時、勝機が浮かび、全力で追いかける事にした。
今まで自分の兄弟と戦っても、殆ど勝てる事は無かった。でも、勝つ方法は無い事は無かった。
片付けられる前の糞尿を浴びせ掛ける。それをすると、勝てた。
けれども、その後親に怒られるし、兄弟にも苛められる。負けるよりも嫌な後があった。
でも、この場所なら。それに、一度も勝てていないのは嫌だ。どんな手を使っても、一度だけは勝ちたかった。
彼女はどうしてか、糞尿塗れの場所に行こうとしている。けれども、体が糞尿で汚される事は嫌みたいだった。
なら彼女は、糞尿を身に浴びてしまった時、絶対に自分の兄弟と同じように怯む。
……勝ちたい。
何故、こんな場所に行きたいのかは分からなかったけれども、躊躇いがあるのか、それとも自分がこんな場所まで来るとは思わなかったのか、走る速さは自分でも追いつける程度だった。
距離はもう、殆ど無い。
まだ、彼女は背中を向けたままだ。この距離で背中を向けられているのなら、跳び掛かればそのまま押し倒せる。
そうして走っている勢いを真直ぐ彼女に向けたまま、跳び掛かった。しかし、その瞬間、彼女は身を伏せて尻尾を強く薙いだ。
それは自分の右側から瞬時に迫って来て、顔面に直撃した。
思わず悲鳴を上げてしまい、次の瞬間には糞尿が落ちている場所に吹っ飛ばされた。
彼女が吹っ飛ばされた自分の方を見て、そして飛び散った糞尿が顔に付き、思わず頭を振ったのが見えた。
勝手に、体が動いた。最速で立ち上がり、そしてそのまま、彼女に跳び掛かった。
彼女は呆気なく押し倒された。今しかない。もう、これを逃したらいつ勝てるか分からない。
生え揃い、鋭くなりつつある牙を、彼女の首に向けた。届く寸前、翼腕でまた殴られ、牙の狙いは外れてしまった。
もう一度、体を起こしてより強く、牙を向けた。同じく殴られたけれど、今度は首を掠めた。さっきより近い。もう、ここから首を戻さないでも噛む事が出来る。暴れられているけれど、もう、終わった。
そうして、翼腕を挟み込まれる前に、首に牙を当てた。彼女は、素直に負けを認めた。
……勝った。本当に。
こんな、自分に有利な場所でだけれど、それでもこの子供の中でも強い彼女に勝つ事が出来た。
とても嬉しかった。吠えても吠えても、どんなに体を動かそうとも、この喜びは抑えきれなかった。
彼女がこの場所で何をしたかったのかはっきりとは分からなかったけれど、飛べずに落ちてしまった兄弟がきっと居るのだろうとは推測出来た。
この糞尿の場所で、子供の骨のみならず、成獣の骨もあった事に彼女は驚いていた。飛べる成獣が何故、こんな所で死んでいるのだろうとは思ったけれど、それ程の疑問でも無かった。
糞尿の場所から戻ると、すぐに父がやってきて彼女と一緒に川へと連れられた。足で少し強く握られて、やっぱり少し怒ってると思った。でも、今日ばかりはそれでも嬉しかった。格上に勝てた事は、兄弟に勝てた事よりもとても嬉しく、怒られる辛さよりも上回っていた。
川が近付いて来て、乱暴にいきなり空に放り出される。
川は外に出るようになってから毎日見ていたけれど、行くのは初めてだった。飛び込むと水はとても冷たく、そしてそれに慣れるととても気持ち良かった。
体に付いていた糞尿は一気に川の下流へと流れて行く。一度も泳いだ事何て無いし、水に潜ったのは初めてだったけれど、溺れないようにするのは意外とそこまで大変な事ではなかった。
そして、一緒にはしゃいでいて、その時思った。彼女とは、とても仲良くなれる。強さは全く違うけれども、喧嘩に負けても、彼女と居たらその悔しささえもがとても薄れると思えた。
けれどもその時、何故かとっくに治った筈の、背中の傷が頭に過った。
何かまだ、怖い事がある。そんな気がした。
-*-*-*-
勝てないけれど、その苛立ち自体に慣れるようになった。それに何よりも、彼女と居る時間がそれ以上に心地良いものだった。
毎日、洞窟に戻らなければいけない時間になるのがとても口惜しく、そしてまた、洞窟に戻れば明日になるのが待ち遠しかった。
そんなある日、老いていたり、翼が破れたワイバーン達の次元が違うような戦いを見た次の日。その日は何故かいつも、朝に食事を終えたら外に連れ出してくれるのに、今日はそうしてくれなかった。兄弟達も疑問に思っていたけれど、そんな日もあるかみたいな様子で、兄弟同士で遊び始めた。
喧嘩は、負けた。いつも通り。どうしたら勝てるのか全く分からないのも同じだった。しかし、苛立ちはいつもより少し強かった。
昼になっても、父母は外へと出してくれなかった。おかしいとは思ったが、それが何なのか兄弟全員がはっきりとは誰も分かっていなかった。ただ、治っている筈の背中の傷がまた僅かに痛んでいた。
そんな違和感はあれど、雨の日のような退屈な日だった。
そして、日の沈む頃、やっと母が外へと連れ出してくれた。今日はどうやら、今まで行った事の無い川の向こうへと皆で行くようだった。
初めての場所にわくわくしながらも、やはりどうしてか、背中の傷は僅かに痛んでいるままだった。
川の向こうには、何故か老いたワイバーン達が居た。老いたワイバーン達の中でももう、死が近いワイバーン達だった。
違和感自体は感じていたけれど、それが形を持ち始めていたような気がした。
着地して、これからどうしようか少し迷っていると、彼女が来た。いつも通りに喧嘩を始めようとしたら、彼女はそんな事してる場合じゃない、と自分に翼腕を伸ばした。
やっぱり、何か起こるのか。
心底から来た恐怖を僅かに感じると同時に、羽ばたきの音が一斉にし、思わず身を縮こまらせた。振り返ると、親達が全員飛び、そして崖の方へと戻って行くのが見えた。
彼女に叩かれ、森の方へ走るように急かされた。
そして一匹の、老いたワイバーンが強く吼えたのが聞こえた。それは二足歩行の、物を使う成獣達と戦う時に良く聞いた声と全く同じだった。
まさか、いや、違うとは思うけれど。
けれども、背後から聞こえた疳高い子供の悲鳴が聞こえてしまった。そして、一気に混乱に陥った声、また更に、最期の声。
老いたワイバーンが、自分達を殺しに来る。どうしてだかは分からない。どうしたら良いのかも分からない。
あの時と同じ感覚だった。背中は今日のいつよりも痛みを訴えていた。
呼吸が出来ない。
落ちているのに、いつものように翼腕を広げられない。いや、そもそも体が動かない。
目を瞑っている筈なのに、どうしてか落ちている今の、外の風景が見える。周りでも、自分と同じ子供のワイバーンが落ちている。
糞塗れな地面は近付いているのに、一向にその場所に落ちていかない。
自分の目の前を落ちて行ったワイバーンがその代わりに悲鳴を上げながら地面に激突して、そして何も言わなくなった。
何匹も、落ちて行った。死んでいった。
背中が痛む。いつの間にか、自分の背中から血が出ていた。ぽたぽたと、生温かいそれが回って落ちている自分の身を赤く染めて行く。
心臓がばくばくと動いていた。肺が空気を欲していたけれど、喉が固まったように動かないのは同じだった。
ヴッ、ヴッ、と体を動かすようにして何とか呼吸が出来た。背中が岩壁にぶつかり、鈍い痛みを感じた。
どうにかして、少しだけれど肺に空気を送る事は出来た。でも、体が動かなかったのも、ずっと落ち続けているのも、同じだった。
もう、どれだけ落ちているのだろう。
いつになったら、体が動くようになるのだろう。落ちる前に動くようになるだろうか。
恐怖は、今は外から見ているような感じになっていた。
その時、とん、とんと肩を叩かれた。
……え?
目を開けて、夢だった事に気付いた。
夢は直前まで見ていたけれど、思い出せない事も多かった。けれど、今回は思い出せる夢だった。
立ち上がって、未だにばくばくする心臓を深呼吸をして抑えようとしながら、心配そうに自分を見つめて来る彼女を見ながら、その夢を思い出す。
背中が痛む理由が、やっと分かった気がした。そして、それがどうしようも無い事にも気付いた。
自分が弱い事は分かっていた。弱いと分かっていても、ただ毎日同じように喧嘩して負けていた。強くなろうとは余りしなかった。
特に、彼女と会ってからは。
負けるのは悔しかったし、苛立ちが溜まる事だったけれど、強くなろうとは余りしなかった。それは、すぐに苛立ちを解消出来る手段では無かったから。そして、彼女が苛立ちを消してくれたから。
そして、ここに送られた理由は余り理解していないけれど、この今感じている空腹を満たす為には、自分の力で生きた獣を狩らなければいけない事は分かっていた。
ただ、狩れる気がしなかった。死んでいても、目の前に出た獣には生きていた頃の力があった。それは大概自分よりも強いものだった。
それは勿論、老いたワイバーンに対しても言える事だった。死に掛けであろうとも、自分より絶対に強いと断言出来た。
とにかく、生き延びなければいけない。分かってはいたけれど、出来る気がしなかった。
背中の痛みはじくじくとした、傷を受けた直後のようなものになっていた。
あの時のように、飛べなかった、翼を広げられなかった子供達のように、自分はここで死んでしまう。
それはもう、確証に近かった。
どれだけ否定したくとも、今まで自分がしてきた事、そして経験して来た事が、否定をさせてくれなかった。
悲鳴は、偶に聞こえて来た。
その度に、次は自分になるのではないかと気が気でなかった。ただ、そう思っているだけで体力も削られていくようだった。
困ったように、彼女が上を向いて、月を眺めた。自分と同じように恐怖を我慢しているように思えたけれど、振る舞いはいつものようだった。
どうして、そんなに恐怖を抑えていられるんだろう。
その時、彼女が震えた。彼女が見ている方向を見ると、そこには長い胴を持った、足も手も無い、目の前に出る時には常に死体となって出て来た獣が居た。
目だけが黄色く、妖しく光り、細い舌がちろちろと動いていた。
反射的に、恐怖で叫んでしまった。その瞬間、のっそりとしたその獣の動きは目にも止まらないような速さになり、気付くと彼女に抱えられて獣の突進から助けられていた。
そして、彼女は自分より先に立ち上がり、体勢を立て直しつつある獣に吠えた。
どうして、逃げない。
立ち上がりながら、酷く困惑してしまった。こんな大きな獣に勝てる訳が無い。どうして、立ち向かえるんだ。
そんな怯えている自分を察したのか、彼女は自分を押した。逃げろ、と。
その瞬間、目の前に獣の口が迫って来た。動くだけの時間はあったのに、反応出来なかった。
大きな口に咥えられ、そして放され、その獣の胴が体に一瞬にして巻き付いた。一重、二重、三重と。
そして、締め付けられた。
体がぼきぼきと大きな音を鳴らし、劈くような痛みが声と共に出た。
体が潰れて行く。ぐちゃぐちゃと体の中の何かが潰れて行く。声も出なくなった。口から血がごぽごぽと噴き出してきた。
外から、微かに彼女の声が聞こえた。吠えながら、その小さな体でこの獣と戦っていた。
どす、どすと獣に容赦なく鉤爪を突き立て、牙で肉を引き裂いていた。
体が解放され、地面に落ちた。けれどももう、死ぬのだと分かった。分かってしまった。
体は全く動かなかった。呼吸をする度に体が酷く痛むと同時に、何かが抜けて行く感覚がした。見なくとも、尻尾も背中も、翼腕も、全てがおかしな方向に曲がってしまっている事が感じられた。
そんな中、彼女の怒声が聞こえた。
彼女は、自分とは全く違う場所に居た。悲しいけれど、生まれた時からきっと、違ったのかもしれない。
そして、初めて外に出た時、母親が自分を困惑した目で見ていた理由も分かった。
母親は、あの時から、辛うじて墜落しなかっただけの自分がこうなってしまうと分かっていた。この時に、死んでしまうと分かっていた。
ああ。月が赤くなり始めている。ごぽごぽと、血を吐きながら、ぼやけて行く視界が初めて見る赤い月を捉えていた。
けれども、こんな死に掛けだというのに、目とは違く、耳は外がどうなっているのかを鋭敏に拾って来ていた。
彼女は何かを噛んでいた。全力で、唸り声を上げながら。獣は既に相当弱っているようだった。動きがまた、緩慢になっていた。
本当に、違ったんだ。こんな、すぐに殺されてしまうような自分とは。
あんな大きな獣とも渡り合える彼女を、凄いとも思ったし、そして羨ましいとも、また僅かに妬ましいとも思った。
死にたくなかったけれど、どこかでその内こうなる事が分かっていたのか、諦めのようなものもあった。
背中の痛みは、他の体の痛みにかき消されている訳でもなく、ただ、消えていた。
ばきり、と音がした。ああ、決着が付いたんだ、と思った。
彼女が勝ったんだとも、分かった。ぼきぼきと、自分がされたように続けざまに骨が折れる音はしなかった。それに、どさりと、自分の体よりとても大きなものが落ちる音もした。
疲労したような呼吸が聞こえ、それから少しして彼女は自分の方へ歩いて来た。
もう、視界にも何が映っているのか分からなかった。けれど、彼女が今、自分の近くで泣いているのは分かった。
そして、酷く痛む自分の体を、早く楽にしてくれ、という事も伝わった。
彼女は泣きながら、その獣を殺した牙を、自分の首に当てた。牙を突き立てられ、そして自分の体から消えていく何かの速さが緩やかなものから、急激なものへと変わって行った。
ああ。もう、本当に死ぬんだ。
それは、悲しい事でもあったけれど、痛みから逃げられる事もあって、少しだけの安堵もあった。
それと最後に、一つだけ欲張りたかった。
全ての力を振り絞って、翼腕を彼女の頭に乗せた。
こんな自分と居てくれて、ありがとう。そして、生きてくれ。
体はそして、動かなくなった。自分自身が消えていくのが感じられた。
多分、次はロの話。
いつになるかなぁ。それと、二次選考が近くて怖い。
後、twitter始めました。




