その鳥
矢張 凶也と花鳥 ミラ
肩を並べ歩く二人。辺りにはまばらに人が歩いていた。
ほとんどが子どもや学生である。同じ大学生や仲良く歩く小学生達だ。
不意に凶也が空を見上げるとそこにあったのは鳥ではなかった。
空飛ぶ物質と名付けてもいいかもしれない。宇宙人は「ソード」と読んでいるらしい。昔は鳥が飛んでいたらしいが今ではあまり見かけない。
凶也が空を見上げている時ミラが何かを見つけ急に走り出す。
「ミラ?」
上げた視線を下ろすとそこには鳥がいた。黒い羽に覆われた鳥。
しかしその体は傷ついていた。羽を動かそうとしても大きく振り上げれないようで横たわっている。ミラはその鳥を抱え上げる。
「これは・・・」
ミラが鳥に触りながら呟く。彼女が少し目をつむるとすぐ見開く。
「凶也君!ここら辺に動物病院ある?」
ミラの声は慌てていた。鳥の状態は良くないようだった。
「ミラが知らないなら俺もしらないよ」
凶也が言うとミラは納得する。
「取り敢えず大学の医務室に」
「ええ、そうしましょう」
凶也の提案にすぐにミラは了承する。ミラが鳥を抱えて走り出す。
急いでいたミラは鞄を落とした。凶也がそれを拾い上げてそのままミラの後を追う。
二人は自身のもてる速さを出し切るように走り出した。