水律死す!!! ――静水は血涙を流す――
炎鎖が倒れた空は、まだ黒く染まっていた。
俺の終焉黒翼が暴走を続けている。
「落ち着いてください」
背後から、水の気配。
水律が前に出る。
「あなたの力は均衡を壊します」
「壊れていい!」
俺は叫ぶ。
天界の奥から、神域中枢が光を放つ。
【神域維持機構 再起動】
「……まずいですね」
水律の顔色が変わる。
「今、あなたが暴走すれば――世界ごと崩れます」
「知るかよ!」
俺は拳を握る。
その瞬間、天界から純白の裁きが降る。
光の奔流。
世界の再構築エネルギー。
「……ここまでですね」
水律が一歩前に出る。
水壁を最大展開。
「水律!!」
「炎と闇だけでは、世界は保てない」
静かな微笑み。
「均衡とは、誰かが支えるものです」
光が水を蒸発させる。
蒸気が天を覆う。
「あなたは前へ」
水律の身体が、粒子に崩れ始める。
「アーシュを……救いなさい」
「やめろ!!」
「そして、世界も」
最後に、メガネが光った気がした。
水が弾ける。
完全消滅。
静寂。
炎鎖は既にいない。
水律も消えた。
残るは鬼と俺。
そして、囚われのアーシュ。
黒翼が震える。
怒りじゃない。
孤独。
「……神」
空の奥で、巨大な影が動く。
「次はお前だ」
仲間は散った。
だが俺は止まらない――。
だって俺は――
堕天使だから。
次回
「鬼、死す!!!」




