超超超超耳袋 拾 ――同じ教室
横浜市立東中学校で起きた様々な物語を書いていると、読者から次のように思われる方も多くいると思う。
「こんな学校生活で、休みたくならなかったのですか?」
この生活を長く続けてしまうと、恐怖や混乱はむしろ無い。どこか、日常に溶け込んでしまったせいで、麻痺してしまったのかもしれない。
しかし、義務教育というシステムに感謝こそすれ、登校拒否をしたいと思うことは一度もなかった。それは、学校という物がそういう怪異を含めた融合体であり、思春期の心や性の揺らぎが日々移ろいながら生きている物と認識していたからだ。
もし、義務教育中に似たような怪異に一つも出会わなかった時。
そちらの方が、余程怖いではないか。
机の上が侵食されること。ノートが入れ違うこと。呪いの噂。よく分からない事情で泣き出す一軍女子。
こういった日常的な小さな怪異を、一度も体験せずに社会人になっていくのは、怪しい出来事に慣れないまま、異世界へ飲み込まれた日常に迷いこんでしまうのだ。
そこに逃げ場はない。
及川西野ペアの停学が明けると、二人は即別れた。
ばかな。俺が毎日耐えていたあの時間。
それが無かったことになってしまった。
更に、一軍達の行動に、にわかには信じがたい事が連続して起こった。
あれほど桜井を信奉し、男二人で牽制し合っていた一軍男子の一人が及川と付き合いだしたのだ。
そして、残ったもう一人が桜井とくっついて、夏休みの仲良し四人組が完全復活したのである。
電車内で浴衣を着、笑い合っていた四人組が何食わぬ顔をして舞い戻ったのだ。
俺は、仲良し一軍グループが楽しそうに姿を消した途端、クラスメイト数名が机横で話される噂話に、何度も耳を傾けた。
西野は塾にいる、学外の幼馴染みと付き合い始めた。一人で机に突っ伏して寝ていた。
存在してるが、今は話しかけない方が良い。
そんな、ポジションで毎日全員が変わらぬ顔をし、同じ教室にいる。
俺とアーシュは
~ TRUE LOVE 4EVER~だから――――。
次回
「地獄転生!? 俺とアーシュが出会うまで」




