超超超超耳袋 漆 ――横浜市立東中学校 二年A組の呪い伝説
キラキラ一軍女子及川さんが、一週間欠席した――原因は、インフルエンザだと、担任の岩長先生が言っていた。
俺は休み時間に、机を占領されずに済んだ――。
西野くんは、及川さんがいない間、もう一人のキラキラ一軍桜井さん(前下りショートボブ)とよく話すようになった――。
桜井さんは、俺の机を占領しない。
なのに、俺がトイレから帰ると桜井さんが西野くんへ話している声を聞いてしまった――。
「おいっちは、水谷くんの呪いで休んでるって、ホント――?」
――え? 俺、いつ呪いかけたっけ――?
俺はアーシュと脳内で、校内の邪気を九字切りで祓ったことは多々あれど、呪いをかけたことなど一度たりとてない。全く、失敬な――。
――やれやれ、オカルトに被れやすい年頃ってのは、厄介だぜ……。
俺がため息をつきながら、席に戻ると、桜井さんは、俺を見て震えだした。
「今の話――聞かれてた……!?」
――おいおい。俺みたいな無害陰キャを怖がるなんて、うっかりさんだな……。
俺は聞こえないフリをしながら、席に座ったが、西野くんの背後で桜井さんが、なぜか号泣しだした――。
――なんだこれ……? 既視感?
俺のせいで、一軍女子が泣いた。一回目は及川さん、今回は桜井さん――。
俺は、静かに息を吸った。それから、教科書とノートを丁寧にリュックサックに詰めると、黙って教室を出た。
――ここは一旦、保健室だな。その後、早退しよ。
保健室へ向かう廊下で、アーシュと話した。
「何でも呪いにするのって、ちょっとな……」
「誠司は、存在感あるから。仕方ないのかも?」
保健室のドアを開けると、消毒液の匂いがして、ホッとした。
俺とアーシュは
~ TRUE LOVE 4EVER~だから――――!!!
次回
「超超超超耳袋 捌」




