表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】俺とアーシュ~TRUE LOVE 4EVER~  作者: 水谷誠司
超耳袋 拾篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/90

超耳袋 捌――木更津CAT'S EYE

 終電だった。


 水谷誠司とアーシュは、郊外からの帰り、空いている車両に並んで座っていた。車内は静かで、蛍光灯が少しだけ明滅している。

 

 見慣れないアナウンスが流れた。


「――次は、きさらぎ駅」

 

 誠司は顔を上げた。

 そんな駅名は聞いたことがない。

 

 電車は減速する。

 窓の外に、ホームが見えた。

 駅名標は古い。白地に黒い文字。


 “きさらぎ”

 

 乗客はいない。

 ホームも暗い。

 

「降りる?」

 誠司が冗談めかして言う。

 

「降りない」

 アーシュは即答した。

 

 ドアが開く。

 冷たい風が入り込む。

 

 遠くのホーム端に、人影のようなものが立っている。


 白いシャツ。

 動かない。

 

 発車ベルが鳴らない。

 

 数秒。

 

 誠司は立ち上がらない。

 

 アーシュは、袖を軽く引く。

 

「乗ってよう」

 

 ドアが閉まる。

 電車はゆっくりと動き出す。

 

 次のアナウンスは、聞き慣れた駅名だった。

 

 誠司はスマートフォンで路線図を確認する。

 きさらぎ駅は、どこにも載っていない。

 

 翌日、同じ時間帯に信号トラブルで一時運転見合わせがあったとニュースで知る。誠司たちの乗った列車も、遅延していたらしい。

 

 あのホームが何だったのかは分からない。

 幻覚かもしれない。

 別の駅名の見間違いかもしれない。

 

 ただ、降りなかった。

 

 俺とアーシュは

 ~ TRUE LOVE 4EVER ~



次回

「超耳袋 玖」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ