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【完結】俺とアーシュ~TRUE LOVE 4EVER~  作者: 水谷誠司
超耳袋 拾篇

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超耳袋 伍 ――山のてんそーめつ

 山道は、思ったより静かだった。

 水谷誠司とアーシュは、郊外のハイキングコースを歩いていた。木々は高く、道は細い。人影はない。

 案内板には「この先通行注意」とある。

 崩落の可能性、と小さく書いてあった。

 

 少し進んだところで、音がした。

 カタ、カタ。

 乾いた、小さな音。

 

「聞こえた?」


 誠司が言う。

 アーシュは頷く。

 

 風はない。木の葉も揺れていない。

 それでも、もう一度。

 カタ、カタ。

 

 道の先は、木陰で見えにくい。

 視線を凝らせば、何か動いているようにも見える。

 小さい。

 低い位置。

 

「戻ろう」


 アーシュが言った。

 理由はない。

 ただ、足が止まった。

 

 二人は来た道を引き返した。

 振り返らない。

 

 その日の夜、局地的な豪雨があった。翌日、そのハイキングコースの一部が土砂で塞がれたとニュースで知った。

 音がしたあたりだった。

 

 あれが何だったのかは分からない。

 小石が転がっただけかもしれない。

 動物だったのかもしれない。

 

 ただ、あの音を無視しなかった。

 

 俺とアーシュは

 ~ TRUE LOVE 4EVER ~




次回

「超耳袋 陸」

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