表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】俺とアーシュ~TRUE LOVE 4EVER~  作者: 水谷誠司
超耳袋 拾篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/90

超耳袋 参 ――田んぼでくねったヤーツ

 夏の午後だった。

 水谷誠司とアーシュは、住宅街の外れにある河川敷を歩いていた。日差しは強く、草は伸びきっている。川の水面は光を弾いていた。

 堤防の向こうに、田畑が広がっている。

 その中央に、白いものがあった。

 人のようにも見える。

 細く、縦に長い。

 ゆっくりと揺れている。

 

「……あれ」


 誠司が指さしかけた。

 アーシュが、静かにその手を下ろした。


「見なくていい」

 

 距離はかなりある。

 顔は見えない。

 ただ、白い何かが、くねくねと揺れている。

 風はない。

 揺れ方が一定ではない。

 人が立っているようにも見えるが、足元ははっきりしない。

 

 誠司は目を細めた。

 陽炎かもしれない。

 畑のビニールかもしれない。

 そう考えようとした。

 

「帰ろう」


 アーシュが言う。

 声はいつもと同じだった。

 

 二人は堤防から視線を外した。

 振り返らない。

 足音だけが、草の中に吸い込まれていく。

 

 数歩歩いたところで、誠司は気付いた。

 背中が、妙に静かだ。

 振り返れば、まだそこにいる気がした。

 だが、振り返らなかった。

 

 その日の夕方、局地的な突風が発生し、河川敷の一部で足場が崩れたとニュースで知った。

 白いものがあったあたりだった。

 

 あれが何だったのかは分からない。

 見間違いだった可能性もある。

 ただ、二人はそれ以来、夏の河川敷では遠くをじっと見ないようにしている。

 

 俺とアーシュは

 ~ TRUE LOVE 4EVER ~



次回

「超耳袋 肆」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ