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俺とアーシュ~TRUE LOVE 4EVER~  作者: 水谷誠司
厨学二年生

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6/20

アーシュが泣いた日

俺は、何もできなかった。



世界は終わらなかった。



クラスの女子も、敵にならなかった。

誰も、俺と戦ってなどいなかった。



ただ――

アーシュが、泣いた。



理由はわからない。

いや、正確には「わかろうとしなかった」。

俺はナイトだったはずだ。

守る役割だったはずだ。



だから、泣かせるはずがなかった。


でも現実は、

剣もなく

呪文もなく

選択肢すら表示されなかった。



>はなす

>なぐさめる

>だきしめる

>ほんとうのことを言う



どれも選べなかった。

カーソルが、最初から動かなかった。

アーシュは机に突っ伏して、

肩を小さく震わせていた。



俺は、その背中を見ていた。

見ていただけだ。

胸の奥で、また音がした。

でもそれは、噛み合う音じゃない。



何かが外れる音だった。



「大丈夫?」



声に出したつもりだった。



でも、実際に出ていたかどうかはわからない。



アーシュは顔を上げなかった。

俺の方も、見なかった。

その瞬間、

俺は悟った。



ナイトは、

泣いている人の前では

役に立たない。



守ると誓うのは、

何も起きていない時だけだ。



本当に必要な場面では、

自意識が邪魔をする。

誇大妄想が足を引っ張る。



そして現実は、

一度も俺にコマンドをくれない。



俺は、何もできなかった。



だから、ノートに書いた

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