特命リサーチ2010X 河童再び!! 謎の水棲生物の再調査!!! 石崎川を徹底解剖!!!
(重低音BGM)
ナレーション:
横浜市内を流れる石崎川。
都市化が進んだ現代においても、
なお“河童”の目撃証言が報告されている。
我々ファー・イースト・リサーチは、
その真相を科学的に検証する。
現地調査開始
夜。
エージェントアーシュが単独で現地へ向かう。
防水ブーツ。
簡易水質測定キット。
録音機材。
「チーフ、石崎川プロムナード到着しました」
通信の向こうで、チーフ(水谷誠司)が静かに応じる。
「周辺環境を記録しろ」
目撃証言①
“生臭いにおいがする”
ナレーション:
河童伝承には、しばしば“異臭”の記述がある。
エージェントアーシュが水面付近の空気を採取。
「微弱な硫化水素反応。
水底の有機物分解が進んでいる可能性があります」
チーフ:
「嫌気性細菌か。
生臭さは自然発生的に説明できる」
目撃証言②
“きゅうりが減る”
ナレーション:
河童はきゅうりを好むという。
エージェントアーシュが袋から取り出す。
きゅうりの浅漬け。(とても美味しそう)
「チーフ、河童はなぜきゅうりを好むとされたのでしょう」
チーフ、少し間を置く。
「水分量が多く、塩分吸収が早い」
「夏場の水辺。
塩分補給食として理にかなっている」
ナレーション:
きゅうりの95%は水分。
体温調整、電解質補給に適した食材である。
エージェントアーシュが小さな口でかじる。
「……美味しいですね」
チーフ:
「味覚は別問題だ」
目撃証言③
“水面を横切る影”
エージェントアーシュが水中ライトを照射。
一瞬、魚影が走る。
ナレーション:
石崎川には外来大型魚の生息報告がある。
チーフ:
「コイ、ナマズ、ブラックバス。
夜間は動きが活発化する」
エージェントアーシュ:
「……翼には見えませんが」
チーフ:
「見たい形に脳は補正する」
BGM少し上昇。
ナレーション:
河童は存在するのか。
現段階での科学的結論。
テロップ:
【未確認】
エージェントアーシュが静かに言う。
「チーフ。理屈は通ります」
「でも……」
水面に、波紋。
風はない。
ライトの先、ほんの一瞬。
長い影。
「……今の、魚ですか?」
通信が一瞬途切れる。
チーフの声が遅れて届く。
「記録しろ」
ナレーション:
科学は、説明を与える。
だが、すべてを断定するわけではない。
石崎川に河童がいる証拠は、ない。
しかし、いない証拠もまた、ない。
夜明け。
エージェントアーシュが帰還。
「チーフ。結論は?」
水谷誠司は、四角い眼鏡の奥で静かに言う。
「仮説は保留だ」
「だが――」
右目が、わずかに光る。
「調査は続行する」
ナレーション:
河童は伝説か。
生態学的存在か。
それとも、人間の不安が生み出した像か。
真実は、水面の下にある。
そして静かに。
俺とアーシュは
~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――
(キーボード音と共にフェードアウト)
次回
「特命リサーチ2010X
心霊体験徹底調査!!!
横浜市立東中学校の怪異!!!」




