その腹は異様に太い――ツチノコ生存仮説!!!
俺は、
またインターネッツを開いてしまった。
でも今回は、
世界を疑うためじゃない。
存在を信じるためだ。
ツチノコ。
名前からして、
ふざけている。
土の子。
蛇なのか、
トカゲなのか、
分からない。
なのに。
目撃情報は、
多すぎる。
山。
林。
川辺。
しかも、
日本全国。
「……絶滅してない?」
俺は、
画面を見つめる。
写真は、
全部ブレている。
動画も、
決定的じゃない。
でも。
いなかったら、
ここまで語られない。
俺の右目が、
静かに疼いた。
呪鏡眼。
陰謀論の時とは、
少し違う感覚。
怖さじゃない。
――期待だ。
「ツチノコは、
人目を避ける」
「縄張りを持つ」
「跳ぶ」
……跳ぶ?
意味が分からない。
でも、
その無茶な設定が
逆にリアルだ。
俺は、
放課後、
学校裏の雑木林に向かった。
理由は単純。
人が来ない。
草が多い。
水がある。
完璧だ。
「……いるなら、
ここだろ」
枝を踏む音。
風。
鳥。
全部、
普通。
でも。
草むらが、
少しだけ揺れた。
――今。
俺は、
息を止めた。
呪鏡眼を、
開く。
視界の端で、
何かが――
太い。
異様に。
蛇より、
短くて、
ずんぐりしている。
「……ツチノコ!?」
声に出した瞬間。
それは、
跳んだ。
信じられない軌道で。
俺は、
尻もちをついた。
次の瞬間、
何もいない。
草だけが、
揺れている。
心臓が、
うるさい。
「……今の」
幻?
妄想?
いや。
見た。
俺は、
確信した。
ツチノコは、
いる――――。
隠れているだけだ。
世界が、
全部説明できるわけじゃない。
だから、
まだ面白い。
そのとき。
「誠司?」
後ろから、
声。
振り向くと、
アーシュが立っていた。
「……また、
世界の裏側?」
俺は、
真剣に頷いた。
「今回は、
裏じゃない」
「まだ、
名前のない存在」
アーシュは、
苦笑して言った。
「……ツチノコ?」
「うん」
アーシュは、
少し黙ってから、
俺の隣にしゃがんだ。
「見つからなくても」
「探したって事実は、
消えないよ」
その言葉で、
胸が落ち着いた。
ツチノコは、
捕まらなかった。
証拠も、
残らなかった。
でも。
世界には、
まだ余白がある。
それだけで、
十分だ。
俺とアーシュは、
~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――
次回
「吸血は神話ではない――チュパカブラ目撃記録」




