世界は最初から壊れていた――それでも少年は意味を欲した
俺は、
もう分かっていた。
陰謀論は、
世界の真実じゃない。
でも、
嘘でもない。
世界は、
複雑すぎる。
理不尽で、
説明がなくて、
納得できないことばかりだ。
なぜ、
皆と同じようにできないのか。
なぜ、
空気が怖いのか。
なぜ、
一人になるのか。
その「なぜ」に
答えが欲しかった。
だから――
俺は、
物語を選んだ。
新世界秩序。
秘密結社。
管理装置。
空の雲。
給食。
アニメ。
なろう。
全部、
名前をつけただけだ。
怖さに、
輪郭を与えただけ。
陰謀論は、
俺を支配するためのものじゃない。
俺が、
世界を理解するための
仮説だ。
そして。
どんな仮説にも、
必ず
“観測者”が必要だ。
「……誠司」
アーシュが、
隣にいた。
最初から、
ずっと。
「考え終わった?」
俺は、
少し考えてから、
頷いた。
「世界はさ」
俺は言う。
「最初から
壊れてると思う」
アーシュは、
黙って聞いている。
「でも」
「壊れてるからこそ、
意味を探したくなる」
「俺は……
それを
陰謀論って呼んだ」
アーシュは、
静かに笑った。
「それ、
悪くないね」
「誠司が
ちゃんと考えた答えだ」
呪鏡眼が、
静かだった。
もう、
何も見えなくていい。
世界の裏側より、
今の方が
大事だ。
「なあ」
俺は、
アーシュを見る。
「もしさ」
「世界に
本当の意味が
一つもなかったとしても」
アーシュは、
すぐ答えた。
「二人で
作ればいい」
その言葉で、
全部が終わった。
陰謀論は、
俺を守ってくれた。
でも――
必要なくなった。
俺は、
この世界で
生きる。
怖がりながら、
考えながら、
好きなものを信じて。
そして。
俺とアーシュは、
~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――
次回
「その腹は異様に太い――ツチノコ生存仮説!!!」




