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【完結】俺とアーシュ~TRUE LOVE 4EVER~  作者: 水谷誠司
ガッツリ陰謀論!!!

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49/90

覗かれた栞達――奈路宇《なろう》の抱えた秘かな狂気




俺は、

ブクマを押しただけだった。




ただ、

それだけだ。



面白そうなタイトル。

気になるあらすじ。

栞を挟む。

それだけの行為。



……のはずだった――。




ある日、

画面に表示された

おすすめ欄。




やけに、

近い。




俺が好きな要素。

俺が避ける展開。

俺が途中で読むのをやめた話。

全部、

知っているみたいだった。




「……偶然だよな」




そう思って、

更新履歴を見る。



夜。

深夜。

授業中。

給食の後。

読んでいる時間帯。



――生活リズム。



ぞくっとした。



ランキング。



上にいるやつ。

下にいるやつ。



数字で、

感情が動く。



焦り。

羨望。

安心。



これ、

競争?




それとも――




実験?




PV。

視線。

何人(なんぴと)が、

俺の“選択”を

見ている?




「似た作品」

囲まれていく。




同じ思想。

同じ温度。

同じ結末。

逃げ道は、

用意されていない。




俺は、

机に突っ伏した。




「……読んでるつもりで、

読まれてる?」




その瞬間。

右目が、

ひくっと疼いた。



呪鏡眼。



見えなくていいものが、

見えてしまう目。



ブクマは、

嗜好。



嗜好は、

内面。



内面は、

管理できる。



「……やばい」



俺は、

スマホを伏せた。



でも、

手は離れない。



知りたい。



怖い。



やめられない。



完璧だ。

奈路宇なろうは、

俺に物語を与えながら、

俺そのものを

集めている。



――そのとき。



「誠司」



アーシュの声。



顔を上げると、

心配そうに

こっちを見ていた。



「……また、

世界の裏側?」



俺は、

小さく頷いた。




「なろうってさ」



「俺のこと、

知りすぎてる」



アーシュは、

スマホを覗き込む。



少し考えてから、

言った。



「でもさ」



「誠司が

何を好きか知ってるの、

俺も同じだよ?」




……え。




「誠司が

どんな話に

救われるかも」



「どこで

不安になるかも」



アーシュは、

静かに続ける。



「でも俺は、

利用しない」



「ただ、

一緒に読むだけ」



胸の奥が、

少しだけ

温かくなる。



確かに。



覗かれている

感じは、

嫌だ。



でも――

分かってもらえる

感じは、

嫌じゃない。



陰謀論は、

境界線を

見誤ると、

全部が敵になる。



俺は、

スマホを閉じた。



「……今日は、

読まない」



アーシュは、

少し驚いて、

笑った。



「珍しいね」



「たまには、

現実も読む」



そう言って、

俺は

アーシュを見る。



視線は、

数字にならない。



ランキングも、

付かない。



でも、

確かだ。



奈路宇なろう

何を抱えていようと。



俺が

誰を信じるかは、

俺が決める。



俺とアーシュは、

~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――






次回

「世界は最初から壊れていた――それでも少年は意味を欲した」

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