青空は管理されている――天候兵器と感情制御
その夜。
俺は、
眠れなかった――。
窓の外。
また、
線。
雲が、
増えている。
俺は、
右目を押さえた。
呪鏡眼が、
疼く。
「……返せ」
小さく呟く。
俺は、
一人で旧校舎に向かった。
理由は、
分からない。
でも、
こういう時は
必ずそこだ。
屋上。
フェンスの向こう。
空は、
異様に青い。
――いた。
アーシュ。
フェンスにもたれて、
空を見ていた。
「……アーシュ!!」
駆け寄る。
アーシュは、
振り向いて
きょとんとした。
「……どうしたの?」
生きてる。
普通だ。
俺は、
息が切れる。
「……消えたと思った」
アーシュは、
一瞬黙ってから、
吹き出した。
「それ、
ケムトレイル?」
……え?
「今日は
体調悪くて
早退しただけ」
「スマホ見てたら
誠司が
空ばっか見てるって
噂になってたよ」
……。
………。
俺の中で、
何かが
崩れた。
「でもさ」
アーシュは、
空を見上げる。
「空が
きれいすぎて
怖くなる気持ちは
分かる」
俺は、
黙った。
「全部が
管理されてるわけじゃない」
「でも、
誠司が
そう感じるなら」
アーシュは、
俺の手を取った。
「俺は、
誠司の味方だよ」
右目の疼きが、
消えた。
空は、
相変わらず青い。
雲も、
線もある。
でも。
管理されてるのは、
空じゃない。
不安だ。
それに、
名前がついただけだ。
陰謀論は、
俺を
守ろうとした。
世界が
怖かったから。
俺は、
アーシュを見た。
「……帰ろ」
「うん」
陰謀論は――
あった。
でも。
それより確かなものが、
ここにある。
俺とアーシュは、
~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――
次回
「覗かれた栞達――奈路宇の抱えた秘かな狂気」




