愛と裏切りの映画鑑賞会 ~思いがけない大大大冒険~
映画鑑賞会。
俺は、
かなり楽しみにしていた。
なぜなら――
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
だと思っていたからだ。
暗い。
重い。
意味がわからない。
渚カヲルくん最高。
なのに、よりによって
我が校の選択は
『ホビット 思いがけない冒険』
いや、悪くはない。
悪くはないが、そうじゃないだろう。
観たいのは、ヱヴァなんだよ――!
大人しく、
席に座って、
スクリーンを見上げる。
でも。
始まったのは――
ホビット 思いがけない冒険。
……悪くない。
映像もきれい。
音楽も壮大。
でも。
エヴァが観たいじゃん。
俺は、
渚カヲル✕碇シンジだ。
心が、
そっち向きにできている。
正直に言うと、
指輪物語系に
俺好みのキャラは、
皆無だ。
小さいおじさん達と、
ひげと、
剣と、
旅。
うん。
違う。
テンションが、
分かりやすく下がったのだと思う。
アーシュが、
俺の方をちらっと見た。
「……残念だった?」
「……うん」
小声で答える。
アーシュは、
少し考えてから言った。
「でもさ」
「一緒に観てるし」
それを聞いた瞬間、
俺の脳が
フル回転した。
……そっか!
これは、
映画デートだ。
内容が何かは、
もう関係ない。
暗い館内。
隣の席。
同じスクリーン。
俺は、
天才だと思った。
アーシュの隣で、
同じ映像と音楽を楽しむ。
画面では、
思いがけない冒険が続いている。
でも、
俺の冒険は、
ここだ。
アーシュが、
小声で言う。
「……楽しい?」
俺は、
ちょっとだけ笑って答えた。
「……うん」
エヴァじゃなくても、
今日は、
悪くない。
俺とアーシュは、
~ TRUE LOVE 4EVER ~だから――――
次回
「悪魔の陰謀論~新世界秩序~」




