闇の調理実習!? 家庭科室は毒の味!!!
家庭科室は、
別に闇でも毒でもなかった。
でも、
タイトルは強そうだからいい。
俺とアーシュは、
同じ班だった。
エプロンをつけて、
机に並ぶ。
「アジ、三枚おろしできる?」
アーシュが聞く。
「まあ……たぶん」
言いながら、
内心ちょっと緊張している。
アーシュが後ろから、
そっと手元を覗き込む。
「そこ、
骨に沿って……」
近い。
近すぎる。
「集中できないんだけど」
「えー♡」
楽しそうに笑うの、
かわいい♡ ずるい♡
なんとか、
アジは三枚になった。
成功♡
「おおー! 流石、俺の誠司だね♡」
アーシュが拍手する。
俺は、
ドヤ顔で言った。
「次、タルタル作るから」
卵を刻んで、
玉ねぎ混ぜて、
マヨネーズ。
味見して、
もう一回混ぜる。
「完璧」
一方、
アーシュはフライ担当。
衣をつけて、
油に入れる。
「……熱っ!」
ちょっとだけ、
火傷した。
「大丈夫!?」
俺が慌てると、
アーシュは笑う。
「平気平気」
かわいい。
絶対、
かわいい。
揚がったアジフライは、
きれいな色だった。
「じゃあ……」
「……あーん」
二人で、
同時に言ってしまう。
ちょっと照れて、
でも、
そのまま。
サクッて音がして、
おいしい。
「……うま♡」
「な?」
そのとき、
アーシュの口元に、
タルタルソースがついた。
「ついてるぜ?」
「え?」
俺は、
指でそっと取る。
そして――
そのまま食べた。
「……何してんの」
真っ赤になるアーシュ♡
「味見」
嘘。
アーシュは、今日もかわいい♡
家庭科室は、
今日も平和だった。
(※ハートがたくさんかかれる)
次回
「禁じられたミシン室!? 消失したパジャマ型紙――」




