やっぱり、伝説へ…
三人で旅を続けていると、
道の真ん中に少年が立っていた。
腕を組んで、
いかにも生意気そうな顔。
「お前、強いんだろ」
いきなり言われて、
俺は戸惑った。
「え……?」
アーシュは一歩後ろで、
静かに様子を見ている。
かわいい少年も、
首をかしげていた。
生意気な少年は、
なぜか俺の方だけを見る。
「俺、お前についてく」
理由は、よくわからない。
でも、
目が本気だった。
困った。
「えっと……」
俺には、
もう先約がある。
隣には、
アーシュがいる。
前世も、来世も、
一緒だって決めてる。
「ごめん」
勇気を出して言った。
「俺には、
アーシュがいるから」
生意気な少年は、
一瞬、きょとんとして、
それから顔を真っ赤にした。
「……そっか」
声が、
小さくなる。
そして、
ぽろっと、涙が落ちた。
泣くとは思っていなかった。
俺は、
どうしていいかわからなくなる。
アーシュが、
そっと俺の肩に手を置いた。
「誠司は、
悪くない」
かわいい少年も、
生意気な少年に
ハンカチを差し出した。
「大丈夫だよ」
生意気な少年は、
鼻をすすって、
強がるみたいに言った。
「……また、強くなるから」
そう言って、
走っていった。
少しだけ、
胸が痛んだ。
でも、
後悔はしていない。
俺は、
ちゃんと選んだ。
アーシュが、
少し照れた顔で言う。
「一途だな、誠司」
それだけで、
また歩ける気がした。
ノートの余白に、
泣き顔とハートを描いた。
(※消せなかった)
旅は、
まだ続く。
やっぱり、
俺たちは伝説へ向かう。
次回
「もしもし、亀よ、伝説へ…」




