表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/369

「到着! クカタバーウ砦」(前)

翌日も当然、スブック商隊の護衛をした。


回復院に入院してしまう者(入院費は仲間(ぼくら)の寄付だ)が若干名出たり、目的地の関係で護衛を抜ける討伐団もあったが、スブック親方は代わりを(やと)わなかった。


「あなたたちが居れば大丈夫。オーガの大剣戦士も加わってくれたし」

   と、言うのだ。

確かに、ゴルポンドさんその他も同行するので、戦力的には、抜けた人の分も充分カバー出来ていると思う。


ぼくたちの目的を言うと、

「なに? クカタバーウ砦へ伝説の棍棒を引っこ抜きに行くだと?」

「棍棒? この時代に棍棒?! エレローブのコラーニュを、ここまで笑わせるとは」

  と、大剣使いのオーガと、旅の僧侶にはウケた。 


ぼくたちは、街道を(ふさ)水吹(マジ)大蜥蜴(ヌイサウラー)や、丘に寝ているだけの火吹(フー)中蜥蜴(ヤンサウラー)などを、頼まれて退治しながら進んだ。


ぼくは大ジャンプやロケットダッシュの練習を兼ね、()んだり()ねたりして、ゴルポンドさんを感心させたり、スブック親方を喜ばせたりした。


残念なのは火吹き系トカゲだ。

  絶滅は近いように思われた。

飼い慣らすにしても「火吹き」が危険だからだ。

「必ずや殺してくれ!」

「卵があったら、取って来てくれ。後で食べよう」

    と、スブック親方も随分気合いが入っていた。


二角黒馬(ドスエレマー)に乗った野盗団にも襲われた。


「よう、スブック。気が()くじゃねえか。上玉を持参とはよう」

  野盗団の首領らしい髭男は馬上から笑ったが、

「馬鹿め。今日が貴様らの命日(めいにち)だ」

  と、上玉のジュテリアンに守られて、親方は放言した。


「了解。ヤっちゃって良いのね?!」

ミトラが棍棒に斧刃(ふじん)を出し、確認すると、

「あっ、すみません。カッコつけました。出来るだけ生け捕りで」

  と訂正する親方。

「ちぇっ」

  と言って(ブレード)を引っ込める古代紫の小娘。


()っこいの、()めてんのかオレらを。てめえに何が出来るって言うんだ」

と言う首領の声に(かぶ)せてぼくは足の裏のブースターを()かして空中に跳んだ。


同時に胸から高熱鞭を出し、馬や野盗どもに当たらぬように振った。


馬たちはぼくの蛮行に驚いて暴れ、人間を振り落として逃げてゆく。

  落馬した野盗団に襲いかかる商隊の護衛たち。


勝敗はすぐに決したが、親方の言った「生け捕り」を愚直に守ろうとした者が数名、負傷した。


野盗団は激しく抵抗したため、半数の四名が死亡した。


野盗のボスはミトラに(シルト)を砕かれ棍棒で殴られ、頭に鏡餅(かがみもち)のような巨大な(こぶ)(こしら)えて気を失っている。


商隊や野盗団の負傷者は、ジュテリアンや(エレ)ローブのコラーニュさんたちの回復魔法で、大事にならずに済んだ。


ところが、スブック親方は、

「野盗にも家族がいるのだぞ」

          と説教を始めた。


するとオーガの大剣使い、ゴルポンドさんが(まなこ)(けわ)しくして、

「オレたちの命はどうなっても良いのか?!」

  と言い返した。


スブック親方はそれで黙った。

  そして、先頭の(ほろ)馬車に帰って行く。


「野盗は生け捕りにして警備隊に売った方が金になるからな」

  と、ゴルポンドさん。


「言い返してくれてありがとう」

  と言ったのはジュテリアンだ。

「親方に気に入られていたもんだから、良い子ぶって黙っちゃったわ」


「まあそれが普通だろうよ。オレは一匹ダヌキで失うもんがないからな」

  とゴルポンドさん。

(この世界にもタヌキが居るんだ)

  と衝撃を受けるぼく。容姿は知らないけど。


「それにしても、あんた美人なのに正直なんだな」

  と笑うゴルポンドさん。

「全くだ」

  とコラーニュさんも笑った。

「そんなので、よく溝泥(ドブドロ)のこの世の中を生きてこれたもんだ」


「言いたくても言えなかった事を代弁してもらって、嬉しかったわ。今夜も私たちの部屋に来て頂戴(ちょうだい)

  と、ジュテリアン。

「そうそう、たっぷりお礼をしなくちゃ」

  と、ミトラが笑った。


「い、いや、今日はそんなに疲れてねえ。要らないよ、また今度な」

アラレもない(もだ)えをうら若き女性に見られて、()りた。

  と言うか、恥ずかしくなったのかも知れない。


ゴルポンドさんもコラーニュさんも、()みほぐしをキッパリ断って去った。


「なによオスども、だらしないわねえ」

  何故(なぜ)か勝ち誇るジュテリアンであった。



      次回「到着! クカタバーウ砦」(後)へ続く





次回、「到着! クカタバーウ砦」後編。

は、今日の午後に投稿します。

よろしかっら、読んでみて下さい。


週三話の投稿は今週で終わります。

来週からは、週二話投稿になります。

木曜日、前編。金曜日、後編。で、一話。

土曜日、前編。日曜日、後編。で、もう一話。

在庫に余裕が出来たら、数を増やしたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ