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斎場イブキの引退

俺は、西方樹。Vtuberをしている。あの最大大手Vtuber事務所、VSTARに所属するVtuberだ。


俺、斎場イブキは五期生としてデビューして破竹の勢いでトップVtuberに駆け上がって行った。俺がデビューした当時は、男性Vtuberは、全くといって人気が無かった。今でこそ人気がある、二期生の天才棋士Vtuberの白英クロロも今みたいに、全タイトルを保持してなく、将棋好きしか知らなくて知名度も無かった。同じく二期生の天才漫画家、獅子怒大牙も連載自体は決まっていたが、まだ連載していなかった為人気は無かった。そんな中俺は、抜群のトーク力で上に駆け上がって行ったが、上には上がいる事が分かった。


これでも最も登録者が多い男性Vtuberと言われていて、現Vtuber四天王の1人でもある。


それでも、俺は自分の限界を知った。


勿論ウサギ先輩を超えたかった訳ではない。俺はウサギ先輩の横に立ちたかった。だから俺は頑張った。何度か炎上もしたけど、それでもウサギ先輩と同じ四天王という地位に付くことが出来た。


後は隣に立つだけ、そう思っていたが俺だが、幸皇かんな、シャルル・クロノアールに勝てる気がしなかった。そして俺は四天王の座を直ぐに降ろされた。


それが白糖トバリだ。初めてアイツを見た時に、こういう奴がウサギ先輩の隣に立つのか。と悔しかったが、納得するしか無かった。なのにアイツはクビになり、俺は再び四天王に返り咲いた。俺は心が折れた。


勿論表には一切出さなかった。もう俺にはやる気が無かったのだ。ウサギ先輩の隣には立てないし、夢を託した奴はクビになる。俺は、デビュー当時のやる気を無くしていた。


それからは、四天王の座だけは死守しながらのらりくらりとVtuberをしていた。


そんな俺だが、またやる気を出した事があった。それはある事件が起こりウサギ先輩の貯金が全部無くなった時だ。


その時は、俺はウサギに貢ぐ為死ぬもの狂いでVtuber活動に打ち込んだ。それでも俺の売り上げは、7位だった。


マジでやってもこんなもんか。と少しショックを受けて俺は再びやる気を無くしていた。


そんな中ウサギ先輩がVSTARを辞めた。  


俺はそれを知った5分後には辞表を書いていたが、やはり辞めておいた。


ウサギ先輩は必ず帰ってくる。だからウサギ先輩の力になれるようVSTARに残ろう。そうして俺はVSTARに残ったのだが、


「まさかウサギ先輩じゃなくて社長を助ける羽目になるなんて。」と呟いていた。


全く何でこんな目に合うんだか。社長なんか助ける価値無いのに。……でも推しが助けたいと思っている。それだけで充分だ。


そして俺は捕まった。




………………捕まったのだが、「本当に俺は捕まっているのか?」と思わず呟いていた。


何故そんな事を言ったというと。まず部屋が豪華すぎる。個室だしめちゃくちゃ広いして、トイレも風呂も全て揃っている。勿論ゲームもあるし、ネット環境も整っている。そして飯が豪華だ。単純計算しても一食1万円は超える料理が3食出てくる。そして、俺は刑務作業が無い。他の囚人が働いている中俺は部屋で自由だ。本当に俺は囚人なのか?と意味が分からなかった。まぁ良いかそんな事はどうでも良い。だって、


「どう?ここの生活にはなれた?」


ウサギ先輩が毎日面会に来てくれるのだ。最高過ぎる。捕まってまだ3日だがウサギ先輩は毎日俺の為に時間を作って面会に来てくれるのだ。マジで最高だ。


と思っていたのに、「で?お前はどうするんだ?」と社長が来たのだ。


……いや気まずいな。普通に会いたく無かった。と思っていると、


「辞めるんだったな。」と聞いてきた。


うるさいな。俺が辞めようと何とも思ってないくせに、と思っていたら、


「お前が辞めようと特に被害は無い。」と自分が理解している事を言ってきて、こいつ何しに来たんだ?とイラついていると、


「被害は無いが、今まで良くやってくれた。お前のおかげで男性Vtuberが活躍出来るようになった。そこだけは感謝してやる。だからその功績を讃えて俺を撃った事は不問にしてやる。」と言って者は帰って行った。


社長が帰った後俺は自分のスマホを取り出した。捕まっていても、スマホは自由に使える。俺は最後に連絡を取る事にした。大切な同期(なかま)達に、俺を支えてくれた、彼女(イラストレーター)に、気に食わない四天王(どうほう)達にメッセージを送った。そして、俺を今まで応援してくれたファンに向けて、ネットを更新して、配信の枠を立てた。まさかここで最後の配信をするとはな。と思いながら俺は配信が始まるまで瞑想をした。  


そして始まる5分前に世界で1番愛してる最愛の推しにメッセージを送った。


【俺の最後のVtuber活動観ていて下さい。】


そして俺斎場イブキはVtuberを引退するのだった。

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