親子の再会
杏奈さんが大きい声出すから起きちゃったか。私は自分の後ろから現れた凛ちゃんを見ながらそう思っていると、
「凛❗️ごめんね‼️」と杏奈さんが走り出して凛ちゃんに抱きついたのだ。そして、
「ごめんね❗️あんなくだらない事で怒っちゃて。そして直ぐに迎えに行って上がれなくてごめんね❗️」と泣いていたのだ。
……杏奈さんは本当に凛ちゃんの事が好きなんだな。……いい親で凛ちゃんが羨ましいよ。
おっとこんな事考えちゃ行けないな。とりあえず親子水入らずって奴だ。邪魔者はちょっとお暇しようかな。と思い、私はその場を後にして、自室に向かった。
私が自室で休んでいると、
ーコンコンー
とドアを叩く音が聞こえた。私が返事をしてドアを開けると、杏奈さんが立っていた。
私が杏奈さんを部屋に招き入れた。よく見ると、背中には凛ちゃんを抱えていた。私は杏奈さんに、無駄にクソ広いベットに寝かしつけるように指示をして、
「仲直り出来ました?」と聞くと、
「おかげさまで仲直りする事が出来ました。ありがとうございます。」とお礼を言われた。
別にお礼なんていいのに思った私は、
「お礼なんていいですよ。てかいい加減その敬語辞めてくれませんか?昔の杏奈さんそんな感じじゃ無かったじゃ無いですか。」と告げると、
「私も親の自覚が出てきたって事ですよ。あの時は仕事も忙しくて、凛をよく両親に預けていたんですけど、こうやって結婚して凛を育てるようななって、立派な母親になろうと思ったんですよ。」と返してきた。
……親になって変わったって事か。まぁならしょうがないか。と諦めたのだが、
「でもそれは凛の前だけでの話、凛が寝た以上は私は理想の母親にならなくてもいいって事だと思いません?」と私に聞いてきた。
………つまり?凛ちゃんが寝てる時は昔みたいに接してくれるって事?と思いうなづくと、
「あかちゃん❗️また会えてお姉さん嬉しいよ❗️」といい私を捕まえて膝の上に乗っけたのだ。
あはは懐かしいな。でも、
「杏奈さん辞めて下さいよ❗️私もう20歳ですよ。あの時はまだ15歳だから良かったけど流石に恥ずかしいです。」と振り解くと、
「ふーん?分かった。」と案外あっさりと諦めてくれた。
意外と諦めがいいな。と思っていると、
「ふむ。あの時からあんまり成長してないな。」と私の胸を触り出して失礼な事を言ったのだ。
………うん。懐かしいな。私にこんなセクハラ仕掛けて来るの杏奈さんしかいないんだよね。セクハラ大魔王の異名を持つ、VSTAR3期生、星空花火でさえ、一緒に着替えた時にチラチラ見るだけなのだ。ちなみに他のメンバーは恐れ多いと、一緒に着替えすらしない。とまぁそんな事はどうでもいい。
この人いつまで触ってるの?私はいまだに触り続ける女さんに驚きを隠せなかった。昔でもここまで長くなかった。まさか成長してるのか?最悪な方向に。
私が変な事を考えていると、
「ねぇ直でいい?」と言ってきたのだ。
うん。これは酷い。昔とは比べ物にならないくらい酷い。母親になって我慢していた分の反動がすごい事になってる。と思っていると、
「なーんてね。嘘だよ。冗談冗談。」とからかうように私のお尻をぽんぽんと叩いた。
普通頭だろ。この人マジでヤバいな。誰か一緒に来て貰えば良かったと後悔していると、
「私といるんだよ。他の女の事なんて考えずに私の事だけあかちゃんは考えればいいんだよ。」とめちゃくちゃ甘い声で囁いた。
……流石だな。この聞く人を魅了する甘い声。流石は元VSTARスパチャ3位にしてグッズ売り上げ2位だ。と関心していると、
「どう衰えてないでしょ?」と言ってきた。
うん。確かに声は全然衰えて無いな。でも凄いな。杏奈さんもう3…
「おっと、考えるを辞めようか。あかちゃん、年齢の事は考え無いでね。」
と私が年齢を考えのを辞めさせた。別にそんなに歳じゃないじゃん。確かに私とは一回り以上離れてるけど、私は友達だと思ってるし、何なら、VSTARで私と一回り離れてる子は結構いるのだ。何なら、半世紀以上歳が離れた人もいる。だから歳なんて気にしなくていいのに、と思っていたのだが、
「それはあかちゃんが若いから言えるんだよ。30を超えると一気に変わる。私もそうだった。」と凄い真面目なトーンで喋った。
私は何も言えなかった。
………………そんな話をされしばらく私たちの間に会話は無くなった。
そして私は考えてしまった。もしかして私は今までだいぶ無礼を働いていたのではないか?と。
年齢が近い、まーちゃんや、志保ちゃんや、同期の子たち。その子たちはいいにしても他のメンバーは大抵かなり離れてる。若い方の奏さんですら、7個離れてる。基本は敬語で話してるけど、もしかして馴れ馴れしいと思われてたのかな?と考えたが、
【そんな事ないですよ。】というメッセージが届いた。
………………え?何どゆこと?




