幸皇かんな
ゆりりんからの電話。私は電話をとる事を躊躇っていた。イブキが危険を冒してまで私に電話をかけたみたいだから、ゆりりんには危険を冒して欲しくない、そう思い私が電話に出ないでいると、電話はきれた。
だがその直後に再び電話がかかって来た。
……あっこれ出るまで無限にかかってくる奴だ。ゆりりんの諦めの悪さを知っては私は、仕方なく電話に出る事にした。
「久しぶりゆりりん。」私が電話を出て声を掛けると、
「………………」返事が帰って来なかった。あれ?どうしたの?ま、まさか❗️ゆりりんは既に社長に捕まってる⁉️やばい助けないと❗️と焦っていると、
「私は大丈夫です。」と返事が帰って来た。
良かった捕まってなかったんだ。安心した。私は、ゆりりんが無事だった事に安心して、
「所でゆりりん私に何のよう?」と聞くと、
「ウサギ先輩。今は私の事を友人のゆりではなく、後輩の幸皇かんなとして接して下さい。」と言われた。
珍しいな。ゆりりんがそんな事言うなんて。私にあだ名で呼んで欲しいって自分から言ったのに。まぁいいか。ゆりりんがそれを望むならなので私は、
「かんな。私にいったい何のようなの?」と質問した。
「ウサギ先輩。私ってそんなに頼らないですかね。」と言い出した。
え?いきなり何?と私が疑問でいると、
「イブキさんから、今日の会議で何があったか聞いてるから分かりますよね。私がシャルルさんと喧嘩した事。」と答えてくれた。
なんで私がイブキと電話したかと分かるの?と思ったが気にするのは辞めよう。でもそれと何か関係あるかな?と結局分からないでいると、
「如何してウサギ先輩は、私じゃなくてシャルルさんを選んだんですか。VSTARの後継者に?」とかんなは言ってる。
その事で怒ってる?と正直に思ってしまた。すると、
「別に怒って無いですよ。ただ私の頑張りは全く足りてないって事が分かったんですよ。」となんだかヤバい事を言しそうな感じでかんなは話し出した。
「私これから頑張ります。今以上に頑張ります。配信も毎日10時間以上するし、今まで殆どやってこなかった、ASMRもシチュエーションボイスも出します。案件も沢山受けます。そして、頑張って、頑張って。シャルルさんを抜いて私がVSTARで1番になります。そして私がウサギ先輩の後継者になるんです。」と言ったのだ。
いやそんな事したら体壊すよ❗️だって入院してたんでしょ?と私が言おうとしたら、
「壊しませんよ。だって今こうやってウサギ先輩と会話が出来ている。私の体調の不良なんて、ウサギ先輩と喋るだけで簡単に治るんですよ。」とかんなは興奮気味で喋っている。
……元気になって良かった。最初元気が無いから心配したよ。と私が安心していると、
「さてと。ウサギ先輩に幸皇かんなとしての気持ちを伝えたので、ここからは、ゆりの気持ちを聞いてください。」と言ってきた。
結局、シャルルをこえて、自分が世界一なるって事でいいんだよね。と思いながらも、かんなの言葉を了承した私は、
「ゆりりんは私に何のよう?」と聞くと、
「転生するんだよね?だったら私に手伝える事ってある?」と聞いて来た。
手伝ったらゆりりんが危険な目に会うよな。だから、
「手伝いは無いけど、お願いはある。」と言うと、
「別に危険な目に会ってもいいのに。で?お願いって何なの?」と行って来たので、
「メンバーと喧嘩したんだよね?仲直りしてよ。」とお願いすると、
「それはちょっと無理かな。」と断られてしまった。
え?何で無理なの?と思っていると、
「私も大好きなあーちゃんのお願いだから聞いて上げたいんだよ?でも、幸皇かんながそれを拒んでいるの。」とゆりりんは言って来た。
……どゆこと?ゆりりんもかんなも同一人物じゃん?とよく分からないでいると、
「さっきも言ったじゃん。私は、ウサギ先輩の後継者になりたい。ウサギ先輩が以前いた場所に着きたいんだよ。そして、それは、あそこにいるメンバーは全員そう。あーイブキは違うか。まぁそう言う事だから。」といまいち納得の出来ない事言った。
うーん。深く言及するのはやめるか。多分聞いても分からないし。と思い、そこからは二人でたわいのない話をした。
楽しかった。久しぶりにこうやってゆりりんと話せて、なのに、
私達が通話をして、1時間を過ぎた時に、電話先からなんだか変な音が聞こえて来た。
それはドアが開くような音だった。
私は、「ゆりりん?ドア開けた?」と聞いたら、
「いや?開けてないよ?どうして?」と聞かれたので、ドアで開くような音がした。と伝えると、
「怖い事言わないでよ。」とゆりりんが言った後、
ガッゴン‼️と大きな音がした。そして、バタ❗️と人が倒れたような音がした。
え?え?何が会ったの?焦った私は、
「ゆりりん‼️大丈夫❗️」と声をかけると、
「久しぶりだな。猫犬ウサギ。いや猫井あかり。」と電話の先から、社長の声が聞こえてくるのだった。




