元後輩からの電話
猫犬ウサギ。
それは私のもう一つの名前だ。私の名前は、猫井あかり。元Vtuberだ。
ついこの前までは、世界一のVtuberなどと世間にもてはやされていたが今の私は違う。ただのニートだ。
引退、いやクビになってからもう一ヶ月経つのだが私は未だにニートをしていた。
正直な話貯金はある。Vtuber時代に稼いでいたお金が腐るほどある。辞めた時に色々お金を払ったがそれでも一生遊んで暮らせるくらいのお金はある。
だけど流石にニートは良く無いと思い、働こうと思っているのだが、
何処も私の事を雇ってくれない。ていうか面接すら受けれてない。恐らく履歴書で弾かれているのだろう。
まぁそりゃそうか。だって私の最終学歴中卒だし。中学のからVtuberとして活動して高校受験もせずにそのまま8年間Vtuber。履歴書にVtuberをしていたなんて書けないから、私の履歴書には8年の空白があるのだ。そんな私を雇ってくれる会社はどこにも無いのだ。
さて、どうしたものかな。と私が悩んでいたそんな時、電話がかかって来た。
私に電話?いったい誰だ?私は電話がかかって来た事にかなり驚いていた。私には友達が居ない。中学は不登校だったので友達といえる人は居ない。小学校の時も不登校だったの居ない。家族にも絶縁をされてるし、Vtuberの子達は、友達だが連絡は絶対出来ない。だってVSTARが圧力をかけているんだから。そう思いながら携帯を見ると、
そこには、轟かなめと書いていたのだ。
轟かなめ。元VSTAR二期生として活躍していたVtuberで、3年前にクビにされたメンバーだ。轟かなめがクビになった理由それはとても可哀想だ。
轟かなめは、ゲームが強い。プロゲーマー比べても圧倒的に強かった。大会も何度も優勝していてし、どのジャンルのゲームをやらせても強かった。
そんなある日、VSTAR公式のチャンネルで、轟かなめVS VSTARメンバー全員で対戦をするという、企画があった。当時のVSTARメンバーは、200人いて、リスナーも流石にかなめが負けると思っていた。私も流石に勝てるだろうと思っていた。しかし、蓋を開ければ、かなめの圧勝だった。苦戦なんて無かった。最後10人になった時、このままじゃ負けると思い、10人一気に突っ込んで行ったのだがそれでも負けた。かなめのゲームの腕はまさに異次元だった。
しかしかなめはこの動画で大炎上をする事になった。
かなめはゲームをしたいる時口が悪くなるという癖があった。その為、メンバー倒す度に「雑魚乙」とか、「流石に今のは下手すぎだわ」とか「マジで弱いわー」とか言ったりもしてた。また、煽りもプレイもしたりしてた。
それがかなめのスタイルだし、別に私達メンバーは誰も何とも思っていなかった。
しかし、リスナー達は違った。
自分の推しが一方的に倒され、馬鹿にされたり、煽られて居るのを見て、かなめは批判された。それどころかアイツはチートをしているとかいうアンチまで現れたのだ。
そして、かなめはそのコメントに反論した。「私はチートなんか使っていない❗️」しかし、その反論は何も意味が無かった。
最初は、すぐに治ると思っていた。しかし、かなめに対する批判は一向に治る気配が無かった。
かなめに対する、批判が続くと、かなめのファンも黙っていなかった。かなめの事を批判している人を叩いた。そして、私達VSTARも叩いて来た。「お前らが弱すぎるせいでかなめちゃんが批判されているんだと」
それは確かにそのとうりだ。そう思っていたのに、あのクソ野郎がやらかした。
あのクソ野郎とは社長だ。VSTARの社長だ。社長は、かなめを捨てたのだ。
かなめがいるとVSTARの価値が下がるといって簡単にクビにしたのだ。当時のかなめ登録者は、2385万人でVSTARの中でも上から数えた方が早いくらいの人気があった。それでも簡単にクビにしたのだ。しかもそれだけではない。
社長は、かなめの契約解除をする時、
かなめはチートを使っていたという事にしたのだ。ヘイトを全てかなめに集める為に、そして社長はかなめと連絡を取る事を禁止にさせたのだ。今の私みたいに、
それからかなめとは連絡をとっていない。そんなかなめから連絡が来た。私は、
電話をとった。
「もう出るの遅いですよウサギ先輩。」