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蓬莱ヒビキ

ここがヒビキの実家か。私は、奏さんが指を刺している家をぼーっと眺めていると、


「じゃあ入ろうか。」と私の腕を引っ張ってきた。


は?今の時間分かってるの?もう日にち変わったんだよ?こんな時間に行ったら迷惑でしょ。と思い、


「待って下さい奏さん。こんな時間に行ったら迷惑ですよ。」と止めたのに、


「大丈夫だよ。私おじさんとおばさんとも仲良いし、それにもっと遅い時間にいきなり行った事あるけど、怒られなかったよ。」と言いながら、私を引っ張って連れて行き、インターホンを押した。


すると、


「あら遅かったわね奏ちゃん。」と優しそうなおばさんが出てきた。


「ごめんね。おばさん。ちょっと道が思ってたより混んでてさー。」と楽しそうに会話している。


なんだ来るって言ってたのか。と思っていたら、


「あら?その後ろの子は?」とどうやら私に気づいたようだ。私が自己紹介をしようとすると、


「私と日向が世界で一番大好きで尊敬してる人だよ。」と言っている。


「???え?も、もしかして、猫犬ウサギちゃん‼️だ、大ファンでしゅ‼️」とおばさんは興奮状態になっていた。


その後はサインをせがまれたので、しっかりと書いて、リアルスパチャをされて、私達がヒビキに用事があると言うと、寝ているおじさんを無理やり起こして、何処かに行ってくれた。


そこまでしなくてもいいのに。と思っていたら、


「おばさんもあかりちゃんのファンなんだね。」


うん。私もビックリした。まぁでもヒビキは活動が親バレしてたし、私とヒビキは、私の初めての後輩という事で、コラボも多かったしその経緯で私の事を知ったのかな?などと考えていたら、


「じゃあ行こっか。ヒビキの部屋。」


そして、私は、奏さんに再び引っ張られて、2階の奥の部屋まで連れて行かれた。


そして、部屋の前に着いた奏さんは、何の躊躇いもなく、ドアを開けようとした。


だが扉には鍵が掛かっており、


「お母さん❗️勝手に入ろうとしないで❗️」と部屋の中から、ヒビキの声が聞こえた。


……ヒビキの声久しぶりに聞いたな。3日に一回は電話を掛けてきていたのに、私が引退してから一回も喋れてない。そんな事を考えていたら、


「日向❗️貴方いつになったら部屋から出てくるの❗️いきなり家に戻って来たと思ったら引きこもって何がしたいの❗️」とさっきのおばさん声真似をいきなり始めたのだ。


「???お母さんじゃない?」あっ一発でバレた。私的には結構似てるけど、流石に娘は騙せないか。


「この声は奏?」そして奏さんだって事もバレた。流石に付き合いが長いから分かるのか。


「そうだよー。今日はアンタに大事な話があって来たの。」と奏さんが言うと、


「帰って。」とだけ冷たい言葉が返って来た。ヒビキのこんな声音初めて聞いた。いつもと全然違う。私がヒビキを追い詰めたんだ。ヒビキに合わせる顔がないや。私が後ろを向き、帰ろうとすると、


「待って❗️いや待ってください❗️」と部屋の中から大声が聞こえて来た。え?何?と私が戸惑っていると、


「この可愛らしい足音。部屋の外にいても、伝わって来る甘い香り。も、もしかしてウサギ先輩?」


何やら怖い事を言ってた気がするが聞かなかった事にして、どうやらヒビキは私がいる事にきづいたようだ。そして、


「間違いない。そこにいるんですよね。ウサギ先輩。ドアに近づく度に私の細胞一つ一つが幸せになってくる。」と怖い事を言いながらこちらに近づいてくる足音がする。


「開けますね。」そして、扉が開いた。


扉の先には、最後に見た時は随分容姿を変えた、ヒビキがそこにいた。目は真っ赤にはれあがり、髪はボサボサで、おまけに大幅に痩せていた。そして、扉がひらくなり、ヒビキは私を凝視して来て、


「ウサギ先輩だ。ずっとずっと会いたかった。」と言いながらヒビキは気絶した。


私はヒビキが気絶した事を驚こうと思ったが一応横の奏さんの様子を確認すると、何事も無かったかのようにしている。


つまりこれが普通なのかな?と思いながらも流石に気絶したヒビキをこのままにしとく訳にはいかないと思い、ヒビキを二人でベットに運んだ。


ヒビキの部屋には、私のポスターやタペストリーそれから抱き枕にアクリルパネルやアクリルスタンド。私のグッズが沢山あった。


この部屋を見て最初に思った事は、よくこんなにグッズ集めたな。部屋を見る限り、抽選でしか手にはならないグッズが多くあった。本当によく集めたよ。と部屋の中を見ていると、


奏さんがベッドの下を物色していた。そして、ベットの下から、


私とヒビキの同人誌が出て来た。


………私は何も見ていない。


そして、しばらくすると、ヒビキは目を覚まして、


「ウサギ先輩がいる。あれは夢じゃなかったんだ。もう二度と離しません。」と私に抱きついてきた。 


すると、速攻奏さんが引き剥がし、


「頼み事があるんだけど?」と私を抱きしめながら言うのだった。

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