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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

那須高原大橋

作者: 森三治郎

那須連山がまじかに一望出来る、絶景スポット。

全長1320m、高さ42m、那珂川に架かる橋。

国道30号線、西に行けば那須塩原市、青木方面。東に行けば那須町、広谷地方面。


Aさんの証言


「あの日は、那須ロープウエイ近くの友人の家から、那須塩原市の家に帰る途中だったんだ。

他の用事も済ませて、広谷地を通過したころはだいぶ夜も更けてモヤが出ていた。

那須高原大橋を緩くカーブしてしばらく行ったら、白っぽいモヤのようなものが見えた気がしたんだ。

そこで、那須塩原市側の橋の端に車を停め、ブラブラと橋の歩道を歩いた。

夏の夜の橋の上は、不気味な感じでドキドキしながら歩いた。橋の下は真っ暗で、奈落のよう、いっそう不気味だった。

あの白っぽいものを見たと思った近くまで行くと、そこには白い花が供えてあって、ジュース類やお菓子も供えてあった。

『ああ、あそこから飛び降り自殺したんだ』と分かって、怖ろしくなって走って逃げ帰ったよ」


挿絵(By みてみん)


那須高原大橋


Yさんの証言(遺体処理にあたった警察官)


「この話しは、ないしょだよ。こんなことベラベラ喋ったって知られたら、懲戒ものだからね。頼むよ。

ホトケは体の前面から落ちたらしい。顔はぐちゃぐちゃ、骨は至る所折れている。軟体動物みたいな、クラゲみたいな感じになっていた。目が飛び出していてね、割れた頭蓋骨が見え、ピンクの脳漿も見えていた。血みどろの頭付近に、乱れた長い髪が張り付いていてね、ちゃんとタンカに載せることが出来るかなと思ったよ。あちこち、骨が折れているみたいで、大腿骨なんか折れた骨が飛び出していた。大きい石がゴロゴロある所にあの高さだろ、白いワンピースが血みどろで、ぐにゃぐにゃの図多袋みたいな感じになってた。こんなの親が見たら、どう思うかね。親不孝だね。

遺体を、タンカに載せるのも大変だったんだ。

手を持って引き上げようとすると、ビロ~ンと伸びてしまって始末に負えない。

近くにいた消防の人に『手伝ってくれ』と言うと、おずおずと近づいて来た。『真ん中を持ってくれ』と言ったら、触るか触らないかで『おえっ!』とうずいて逃げてしまった。

しょうがない、近くにいた人に『君・・・』『あなた・・・』と声をかけるも、皆そっぽを向いて知らんぷりしてる。

しょうがない、『遺体はいいから、タンカだけ持っててくれ』と頼んだ。4人にタンカをしっかり持ってもらって、私らはゴロリと遺体を転がしてタンカに載せたんだ。タンカを持ってた奴は、ガクンと負荷がかかり思わず振り返ったらしい。『ひえ~』と悲鳴をあげてたな」

「今は、ここ心霊スポットになってますよ」

「へえ~、そう。迷惑な話だなあ」


挿絵(By みてみん)


高原大橋から河原を臨む





私は、『安楽死』が出来る法律を作った方が良いと思う。人は様々だと思うが、ある程度の歳を重ねれば一度や二度『死』を考えた人がほとんどと思う。もし『一度もそんなことを考えたことが無い』という人は、余程の恵まれた幸運の持ち主なのだろう。

もし、そういう気楽に相談出来る場があれば『死』に対して真剣に考えることが出来ると思う。それは、『生』を考えることと一体なはずだ。


仏教の考えに『四苦』というものがある。『生、病、老、死』のことだが、『生』そのものが『苦』ということ。

現在は『生』は『楽』みたいな捉え方があってると思う。


昔はというと、いかにも年寄りの繰り言みたいだが、昔は見合い結婚が主で良く分からない()に嫁にいった人が大勢いた。すごい勇気と決断と思う。私なんかとても恐ろしくて、出来ないことだ。だって、夫も含めて舅、姑、小姑、など全然分からない人と一緒に暮らすわけなのだから。

正直、私なんて、肉親と一緒に暮らすことさえイヤだった。(愛情がなかったわけじゃない)進学と就職で首都圏に出るまで、生活基盤は家、寝る場所は蔵だった。

当時の嫁のメンタルは、すごいと思うな。

それに比べて『イジメ苦に自殺』とか『ネットで仲間外れを苦に自殺』なんて聞くと『メンタル弱すぎない』と思ってしまう。(あくまでも、私見です)


『イジメ』や『イジメに類したこと』は絶対なくならないと思う。それは、実社会が弱肉強食の強欲を肯定してる世の中なのだから。学校も実社会の影響は当然受ける。

だから、『イジメ』は無くならない。

なら、どうすれば良いか。

私は、武道とかスポーツを奨励する。座禅とかヨガも良いと思う。

『健全な肉体に、健全な精神が宿る』といわれるように、肉体と精神はシンクロしている。

やり過ぎて『筋肉バカ』ばかりでは困るが、少なくとも『筋肉バカ』がイジメに悩んでメソメソしている何て聞いた事がない。

もし部活がイジメの場なら、そんな部活はさっさと辞めたらいい。

それに、友達とか仲間は本当に必要なのか。

助けあい。かばいあい。価値観の共有。共に喜び、共に悲しみ。絆。一緒に居ると安心。

そういうことが、あるに越したことはないが、なければ無いで良いような気がする。

『孤高』なんて響き、カッコイイじゃないか。


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