やらないか(導入部)
エッセイなのかリプレイなのか、謎の読み物がはじまりました。
登場人物は架空の人達です。
伏せ字にしたり、してなかったり──気にしないでください(笑)
これを読んで、違ったプレイスタイルで、もう一度モンハンをやってみたくなった。そんな風に思ってもらえれば幸いです。
巷はコロナ対策で自粛ムード。いや、自粛モードと言ってもいい。
かく言う私も大学を休校中だ。
まあ、私の自己紹介などどうでもいいか。
ある日、自室に籠ってダラダラとしているわけにもいかず、机を前にして勉強をしていた私。
図書館にも行けず(閉まっている)、うちにある専門書を開いて、もう一度基礎から勉強し直してみることにしたのだ。
そんなこんなで数時間──みっちりと本を読み、第一部を読み終えた。
気になった部分に付箋を貼っておき、後でノートに書き写しておくのだ。
──ちなみに付箋は、市販の物を小さく切って、行と行の間に収まるくらいの、細長い物にカットして使っている。
作るのは面倒だが(定規を押さえるのに力もいる)、無駄が無く、本に使うにはこれが一番いい。
まずは一休みして、コーヒーでも飲もうと、電気ケトルに水を入れ、スイッチを入れる──そこに、友人から電話がかかってきた。
*****
「やらないか」
友人は携帯電話の向こうから急に、そう切り出す。
「いや、やめておこう」
私は即座に断って携帯を切ろうとする。
「いや、まてまて、まだだ、まだ、終わってなぁ~~い!」
お前はどこの○キッド・○ネークだ。と、心の中でツッコミを入れつつ、一つ○十円だというコーヒーフィルター付きのコーヒーを取り出す。
「ほら、自粛で外にも出られないじゃん?」
「そうだな」
「で、暇だったから、携帯ゲームアプリをやってたわけよ」
「おう」
「そしたら携帯の電池が切れちゃうし?」
「そらそうだな」
「そこで、昔やってた携帯ゲーム機PSPを取り出して、プレイしていたわけよ」
「あ──、懐かしいな。ずいぶんやったよな、PSP──モ○ハ○とか、鬼の様にやり込んだもんだよ」
PSPとはS○NYから出た携帯ゲーム機、「○レイステーション○ータブル」の略称だ。
その後継機のPS=VITAも出たが、私は断然PSP派だ。
「それそれ! やらないか。久しぶりに」
「何をだ」
「いや、だからモ○ハ○」
「いや、だから。どのモ○ハ○だよ、何作目のやつだ」
モ○ハ○には多くのシリーズがあるが、今回はPSPで出た物を中心に紹介する。
そもそも据え置き機の、○レイステーション2で登場したモ○スターハ○ターが、その後にPSPの移植される形で世に出たのだ。
これが社会現象と言われるまで、売れたかどうかは──ここでは説明しない。そういうことは他の誰かに任せるとしよう。
PSPのモ○スターハ○ターは、MHPと略され、MHP。MHP2。MHP2G。MHP3がPSPで出たのだ。
「ああ、そうだったな。今やっているのはMHP2Gだ」
「一番やり込んだやつだな……しかし、もうやり込んでしまって、することも無くなっていただろう」
「ばかやろうっ、最初からやり直しているに決まっているだろう!」
「お、おう……」
「まあ、セーブデータを入れたメモリースティックが、どっか行っちまって、新しいメモリーで始めているんだけどな」
「なぜ無くしたし……」それについては謎だった。
「しかし、協力プレイするにしても、お互いの家に行くわけにもいかんだろ。なんのための自粛だ」
「そこは、PS3のアドパでしょ」
アドパとは──「アドホックパーティー」の略称だ。
PS3でDLできる無料コンテンツの1つで、PSPやPS=VITAと接続して、離れた場所からでも通信機能を通して友達と遊べるのだ(ただし、PS3を有線接続しないと、この機能は使えない)。
「アドパ。懐かしいな、そんなのもあった」
「さっそく用意してくれ──ぃ」
私は友人に言われるままに、テレビの下にしまっていたPS3を引っ張り出し、LANケーブルも繋げたり、PSPを用意したりする。
電源を入れ、立ち上がるのを待つ間に、コーヒーと水を用意し、座布団の前に置いたテーブルの上に乗せた。
すぐにアドホックパーティーを開始し、先に始めていると言っていた友人の元へ飛ぶ。
フレンド登録している相手を検索して移動する以外にも、自分が起動しているゲームと同じ物をプレイしている人を探し出して、その人の場所の近くに行くこともできる。
エリアごとにA、B、C……などと分かれており、1つのエリアに多くのスペースが用意されているので──そこに部屋を作るわけだ。
MHP2Gや、MHP3が出た頃は、どこのスペースも満杯で、ほとんどの場所が満杯を示す、赤い人影が立ち並んだものだ。
それが今はガラッガラ。
白い人影がズラッと円を描いて並んでいる。
フレンド「かんぱん味噌汁」の元へ飛ぶ。
誰もいない空間。ぽつんと画面の左側に家が建っていた。
これが「ルーム」。2人から10人以上が入れる大部屋まで作ることができるが、通常は4人部屋のはずだ。
部屋の上に「モ○ハ○部屋」と表示されている。
その部屋に入ると、拍手と歓声が響き渡る。
コントローラーの十字キー使って鳴らすのだ。私は応えて「ピンポーン」と軽快な音を鳴らす。
「来たな」
「うい」
私のアカウント名は「紅茶騎士」
まあアカウント名など、この際どうでもいい。
「ガラガラだな──」
「だな」
そんな会話をしつつ、友人のコメント欄の所に──モ○ハ○で使用しているキャラ名「MIMI」が表示されるのを見た。
そうだった、こんな風に、自分の名前を示すこともできるのだ。──ちなみに、かんぱん味噌汁の使うキャラは女だ。
私も友人に倣い、どうやるんだったかと尋ねながら、自分の使うキャラ名──「Aaron」を表示させる。
MHP3からはカタカナで名前を入れることが採用されたので、二人とも3ではカタカナで「ミミ」「アーロン」となった──ここでは、どのシリーズでもカタカナで表記するとしよう──