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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第六章 お付き合い始めました

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06-07 相談を受けました

 注目株のプレイヤーが集う、ギルド【七色の橋】。そんな【七色の橋】のギルドホームでは、報告会が行われていた。

 前日は来客……レーナ達四人をもてなしていたので、報告会は出来ていなかった。レーナ達と談笑していたら、良い時間になったのである。やむを得まい。


 そんなわけで、一夜明けてからの報告会と相成ったのだが……まずは、ヒイロとレンからである。

「クエストやダンジョンは確認出来なかったけど、起点になりそうな情報はいくつか見付けたよ」

「興味深かったのが、PACパック系のクエストですね。まだ未契約の皆さんの為に、情報を取りまとめておきました」

 二人は北部第二エリアの鉱山町[ホルン]で、情報収集を積み重ねていた。得られた情報の中で特に興味を引かれたのが、PACパック関連の情報だ。


「あとはアイテム入手系と、スキルオーブ入手系だね。まだクエストは受諾していないけど、掲示板の情報と併せて精査してみよう」

 得られた情報から手当たり次第に手を付けていては、時間がいくらあっても足りない。まずは必要な情報かそうではないかを、振り分けなければならない。


 続いて、ハヤテとアイネが報告する番だ。

「まだ情報が出回って無さそうなダンジョンを六箇所、発見したッス!」

 ハヤテの言葉に、他の面々が驚きの表情を見せる。未発見のダンジョンなど、そうそう見付かるものではない。だというのに一箇所や二箇所では無く、六箇所だ。


「念の為に情報掲示板でも確認しましたが、やはり見付かっていないダンジョンだと考えて良いと思います……まだ、プレイヤーが少ないですからね」

 アイネの言う通り、まだ第二エリアに進出しているプレイヤーは多くない。彼等はあっという間に倒したが、エリアボスというのはそれなりのレベルと装備を揃えなければ倒せない難敵なのだ。

「念の為、外側から様子を窺うだけに留めておきました」

 アイネの言葉に、ヒメノが首を傾げる。

「あれ、中に入らなかったんですね?」

「エクストラクエスト対策ッス。ダンジョンに入ってから一度出てしまうと、二度とエクストラクエストが受けられなくなっちゃうッスからね」


 その言葉に、ジンとヒメノがしまった! という顔をした。

「……ジン兄?」

「ヒメちゃん……もしかして……」

 二人の表情の変化に、他の面々はすぐに気が付いた。ジンは両手を合わせ、頭を下げる。

「ごめん、一箇所入っちゃった……!!」

 隠し通せる事では無いし、隠し立てするつもりもない。素直にゴメンナサイするのが一番である。そんなジンの隣で、ヒメノもしゅん……としてしまう。


 そんな二人の様子に、ヒイロ達は苦笑する。

「まぁ、俺もそこまで気にかけていなかったし……今後は各自、注意しようか」

「はい、そうですね」

「はい。お二方に関りの無いエクストラクエストだとよろしいのですが」

 そんなシオンの言葉に、ジンが顔を上げる。

「あ、それは大丈夫だった」

「……え?」

「一応情報は得られたんだ……エクストラクエストの続編だった」

「……はぁ?」


 ……


 ジンとヒメノの説明を聞いた他の面々は、脱力モードに突入していた。

「……まぁ、二人がそのまま攻略したのは良しとしよう。時間も無かったし」

「私達も出払っていて、合流は困難でしたものね……」

 ヒイロとレンの言葉に、二人は尚更申し訳なく感じてしまう。

 しかし、エクストラクエスト攻略で得られる物は大きい。今後はメッセージで情報共有をする様、【七色の橋】メンバー内で決める事にした。


「そしてお二人はユアン様とパーティを組み、エクストラクエストを攻略した……ですか」

「しかもあの人がDEXのユニーク持ちで、同じ極振りプレイヤーだったと……」

「……類友ッスかね?」

 シオンとアイネ、ハヤテも苦笑気味だ。


「まぁ今回は不幸中の幸いだな、俺達に直結するエクストラクエストじゃなかったんだし」

「この情報は【桃園の誓い】にも流しておきましょう」

「そうですね、ケイン様も【鞍馬天狗】をお持ちですから」

 【七色の橋】と同盟関係を結んだギルド【桃園の誓い】……そのギルドマスターであるケインも、ジン達同様に”林”のユニークスキル保有者ホルダーだ。エクストラクエストの続編となれば、興味を惹かれるだろう。


「エクストラクエストの続きで何が得られるかは……解らないッスよね?」

 ユアンも、そこまでは明かしていないだろう……というのが、ハヤテの予想だった。

 普通のクエストならいざ知らず、対象がエクストラクエストなのだ。その情報を公開する事はプレイヤーのビルドやスキル構成、弱点を曝け出す事に等しいからである。


 だがしかし。

「いや? 教えてくれたよ?」

「システム・ウィンドウも見せてくれました!」

 再び襲い掛かる脱力感。

「ハヤテのいう通り、類友なのかも」

「ッスね……」

 極振りプレイヤー三人の行動に、ヒイロ達は肩を落としてしまうのだった。


 ……


 ユアンから提供された情報を、ジンとヒメノが仲間達に解説する。

 まず、スキルオーブの強化……これは所謂、レベルキャップの解放だ。スキルレベルの上限が10のところを、12まで引き上げられるらしい。

 レベル10を超えた時にどの様な恩恵があるかまでは不明だが、確実にユアンのDEXは更に強化される事だろう。


 次に、ユニーク装備が自動的に強化されたという。装備名の末尾に、”弐”という表記が追加されていたらしい。ジンの≪闇狐の飾り布≫を例にするならば、≪闇狐の飾り布・弐≫という表記になるだろう。これによって装備スキル【自動修復】が進化し、上位互換の【破壊不能】に強化される。


―――――――――――――――――――――――――――――――

武装スキル【破壊不能】

 効果:このスキルが付与された装備は、耐久値が減少しなくなる。

―――――――――――――――――――――――――――――――


 加えて、いくつかの素材系アイテムの入手。これは恐らく、最初のエクストラクエストで入手した素材を元に製作した装備を、更に強化する為の物だろう……ユアンは二人に、そう解説したらしい。


「ジンとヒメは、何か手に入った?」

「チケットが手に入ったよ、シルバーとゴールド。まだ回してないけどね」

「それは第一エリアと同じなんですね」

 既にジン達は、第一エリアで遭遇したエクストラクエストを攻略している。その際に得られた二枚のチケットについては、よく知っていたのだ。


 ともあれ、七人の意識はエクストラクエストに向けられた。ヒイロの【千変万化】は解らないが、ジン・ヒメノ・レン・シオンのユニークスキルを強化するのは重要事項だ。

「それじゃあ今日は、東側の第二エリアか」


************************************************************


 ギルドホームでの報告会兼打ち合わせを済ませたジン達は、ポータルを活用して東側の第二エリアへ転移した。

 東側の第二エリアにある最初の町は、商人の町[ミラルカ]。ここではアイテムや素材等がNPCショップでもそれなりの数を取り扱っており、資材調達等には便利な町である。

 とはいえレアアイテムは当然置いていないし、プレイヤー間での売買と比べると割高だ。急を要する場合には便利、というレベルである。


「ここもやっぱり、プレイヤーは少ないみたいッス。第二エリアに進出できているプレイヤーは、今どれくらいなんッスかねぇ」

「エリアボスの攻略は、レイドパーティを想定していますからね。恐らくはまだ、プレイヤー全体の二割程度でしょう」

 ハヤテの感想に対し、レンが涼しい顔でそう答える。


 基本的には、エリアボスは複数のパーティが組んで戦うレイドパーティを想定している。レイドパーティは現状、三組が上限だ。全員が同じギルドメンバーで組むとなれば、最大で三十人……それが、第一エリアのエリアボスに対する適正人数として設定されている。

 それを十人……その内三人はPACパックで攻略したのだから、【七色の橋】の異常性が解るだろう。


「掲示板の情報を見たんですが、大手と呼ばれているギルドは既に第二エリアに進出しているみたいですね。西側には【聖光の騎士団】が到達したとの事です。あと【森羅万象】というギルドは、南側の第二エリアに到達したらしいですね」

 アイネの情報にシオンがふむ、と頷く。

「【聖光】と【森羅万象】……流石は大手ですね」

 先に名前の挙がった二つのギルドは、AWOでは知らぬ者の居ない大規模ギルドだ。そんな二大ギルドに並ぶだけのギルドが、いきなりポッと出て来るとは思い難い。【七色の橋】は、例外中の例外である。


 ……


 ともあれ、ジン達は二手に分かれて本日の探索を開始する。するのだが、今回はいつもとは若干……いや、相当に違う編成だ。

 まずはジンなのだが……同行メンバーはレン・アイネ・リン・ロータス。更に言うとジンは真っ先にレンとアイネによって、カフェに連行された。


 そう、ヒメノとは別行動である。二人が出会って以降、別行動になるのは片手で数えられる程度。交際を始めてからは、皆無である。

 そんなわけで、別れ際のヒメノは非常に複雑そうな表情をしていらっしゃった。今日、明日はご機嫌を取らねばなるまい。


 さて……別行動の恋人を気に掛け、更に目前の美少女二人の様子を気に掛けているジン。対するは優雅に紅茶を飲むレンと、その横で緑茶を飲むアイネだ。共に無言で、何だか圧を感じる。

 両脇に座るPAC(リンとロータス)が助けてくれるはずも無く、既に五分程は気まずい沈黙に晒されている。


――こ、ここは一つ、こちらから切り出さないと駄目か!


 男らしく、そして年上らしくすべきだろう。そんな言い訳めいた言葉で己を奮い立たせ、ジンは意を決して声を掛ける事にした。

「あの……僕、もしかして何かやりました……?」

 ものっそい下手に出た。年上の威厳皆無である。


「あら? ジンさんは何かやましい事があるんですか?」

「ヒメと付き合い出してから、くっ付き過ぎてる……とか?」

 恋人同士とはいえ、仲間と一緒に居る時にベタベタイチャイチャしていれば、それは顰蹙を買うだろう。


 しかし、それに対して二人は苦笑で返す。

「いえ? ジンさんとヒメちゃん、節度は保っていると思いますよ?」

 レンがそう言うと、アイネも優しげな笑みを浮かべる。

「それにヒメちゃん、とても幸せそうですし! たくさん、ヒメちゃんを笑顔にしてあげて下さい」

 何だか二人は、イチャイチャ肯定派らしい。それはそれでどうなのかな? と思いつつ、ならば連れ出された理由が尚更解らない。


「まぁ、本題を言いにくいというのもあるのですが……」

「探索もしなければなりませんし、そろそろ言いましょうか……」

 視線を泳がせる二人の様子は、怒っているのでも不満を感じているのでも無いらしい。

「もしかして相談事? 何か、困った事があったのかな?」

 ジンがそう問い掛けると、二人は真剣な表情で頷き返した。二人はジンに相談をしたくて、こうして連れ出したらしい。


 レンとアイネ……二人の少女は、ジン個人に相談を持ち掛けたかった。しかしその相談内容を、どう切り出すか? 二人はそれに悩んでいたのだ。

 だが、その悩みは目の前の忍者な少年がぶった斬る。


「相談って、ヒイロとハヤテの事だよね?」

「「えっ!?」」

 ジンの【言葉の一閃】!! こうかはばつぐんだ!!

 ずばり図星を刺され、二人は思わず立ち上がってしまう。


 幸いだったのは、ここが第二エリアのNPCが営むカフェだった事だろう。まだ第二エリアに到達しているプレイヤーは少なく、カフェもジン達しか居ない貸切状態だったのだ。

 もしも第一エリアの様に人が多かったり、プレイヤーが営むカフェだったならば? その様子が面白おかしく、噂話となって、尾ひれが加えられて広まる。

 ネット界隈の情報拡散速度は、目の前の忍者のAGIに匹敵するか、あるいは凌駕するかもしれないのだ。


「……な、何故ヒイロさんの、事だと……!?」

「え、ええと……ハ、ハヤテさんとは一言も……」

 驚愕度1000パーセントの二人に、ジンは苦笑する。

「レンさんはヒイロを、アイネさんはハヤテを好きだよね?」

「「……ぐぅっ!!」」

 追撃とばかりに【言葉のアーツチェイン】!! こうかはばつぐんだ!!

 全く同じタイミングで、テーブルに突っ伏す二人。ジンに気取られるとは、もしやバレバレでしたか!? とでも言わんばかりである。


「恋の悩みか……僕もヒメが初恋だったから、どこまで力になれるか解らないけど……」

 更に追撃を加えようとするジンに、レンとアイネは何とか抗おうと悪足掻きを試みる。

「ま、待って下さい、ジンさん……」

「なっ……何故、恋愛相談だと……」

 無意味な抵抗を見せる二人だが、ジンは自然体のまま不思議そうに首を傾げる。

「あれ、他の相談だったかな?」

 本気で不思議そうなジンの様子に、二人はギブアップした。粘ってもどうせ、意味は無いのだ……事実、ジンの言う通りなのだから。


「ジンさんに……気付かれていたとは……!! 侮りがたし……!!」

「お、思いの外、鋭いですねジンさん……!! 流石は忍者……!!」

「あ、うん……もしかして僕は、鈍感だと思われていたのかな?」

 非常に悔しそうに、口惜しそうに呻く二人。その様子を見て、ジンはほんのちょっぴり傷付いた。


 実際、ジンは他人の心の機微には敏い方だ。初対面の時に、ミリアの警戒心を察した事もあった。

 それは主に、陸上競技で構築された人間関係が挙げられる。老若男女問わず、様々な人と接して来たジンである。元より和を重んじる性格もあり、他人の心情を気に掛ける様になったのだ。


「……た、確かにそうです。恋愛相談……的な、何か、かも……しれなかったり……」

「アイちゃん……諦めましょう、相手が悪いわ。ジンさんが思いの外鋭かった、それだけの事よ」

 往生際が悪く、まだオブラートで何重にも包もうとするアイネ。それに対し、諦めたらしいレンが不満そうに宥めるのだが……その言葉にはちょいとトゲがあった。


「もしかして僕の評価って、凄く低いのでは……」

 二人の様子に、ちょっぴり傷付いたジン。見るからにしょんぼりしている。この場にヒメノが居たら、それはもう慰めに全力を注ぐだろう。

 そんなしょんぼりジンさんの様子を見た二人は、顔を見合わせ……そして、苦笑する。

「ジンさんの評価が低いのではないですよ?」

「むしろ私的に、ジンさんへの評価は高いです」

 そう言われても、胡乱げな視線を向けてくるジン。二人は苦笑いを深めながら、世辞ではない事をアピールする事にした。


「プレイヤーとしての能力は言わずもがななので割愛しますが、率先して私達を守ろうとしてくれる所は頼り甲斐があります。忍者っぽい振る舞いは人によって意見が分かれるでしょうが、私は嫌いではありませんし」

「それにジンさん、ヒメちゃんと付き合い始めても私達の事も気に掛けてくれるじゃないですか。自然体で仲間を大切に出来る人の評価が、低くなる事なんてそうそう無いですよ」

 それは、忌憚無き二人の本音だ。ジンという少年と行動を共にしていて、不満な点など無い。そう胸を張って言えるくらい、ジンへの信頼度は高い。


「……ありがとう、お世辞でも嬉しいよ」

「お世辞では無いのですけれどね」

「そうですよ……って、しまった! もう結構時間が経っちゃってる!」

 二手に分かれてから、既に十分程が経過している。この後に探索をしなければならないのだ。


「っと、拗ねてる場合じゃないか。それで、相談内容は何かな?」

 ジンが話を促すと、二人は神妙な顔付きになる。

「……あの、ですね。ヒイロさんに……い、意中の相手はいらっしゃると……思いますか?」

「ハ、ハヤテさんも、です……好きな人、とか……」

 そんな言葉を受け、ジンは言葉を失う。この二人は、一体何を言っているんだ? という顔だ。


 ちなみにレンがこの質問をするに至った理由は、数時間前にある。姉との対話で、姉にはバレてしまったのだ……好きな人が居るという事が。彼女の姉はそれを喜び、早く結ばれてしまえと背中を押した。無論、節度ある付き合いを……と釘を刺されたが。

 そこで、レンはアイネに相談を持ち掛け……結果、ジンの拉致に繋がったのである。


 ジンはその事情は知らないが、二人がその質問をする事の意味を理解している。彼女達も、一歩前に踏み出そうとしているのだろう。

 だからこそジンは、二人の質問に素直に答えた。

「好きな人なら居るよ、二人とも。ヒイロからは、実際に聞いている。ハヤテは聞いてないけど、僕が見た感じだと確実に居ると思う」

 その意中の相手が誰か? それは明言するのは野暮というもの。そう思ってこの様な言葉になったのだが……その言葉を受けて、二人の表情から色が消えた。


――ヒイロさん……英雄さんに……好きな人が……?

――そんな……ハヤテさん、好きな人が居たの……?


 言葉を失っている二人を見て、ジンは言い方を間違えたと察した。

 二人の表情が絶望に染まりかけており、目からハイライトが消えようとしている。素直に白状するなら、めっちゃ怖い。


 ジンとしては、当人同士に任せようと思って明言するのを避けたのだが……それが裏目に出てしまった。

 失策は取り返す、それが忍者クオリティ。

「二人共、早とちりしないで。まぁ、僕もハッキリと言わないのはアレだったけどさ」

 幸いな事に、レンとアイネは意識が別次元に飛んでいなかった模様。ジンに視線を向けた所を見ると、ちゃんと聞こえているらしい。


――よし、ギリギリ許される範囲でぶっちゃけておこう。どうせ早いか遅いかの違いだ。


 変な所は、思い切りが良いジンである。我が事ではないので、というのもある。

「まぁ僕から言えるのは、もうちょい待ってあげて欲しい」

 それは、希望の言葉だった。その言葉が耳に入った瞬間、二人の表情に温かみが戻り始める。

「待つ……ですか」

「……待っていて、良いんですか?」

 どうやら二人は、先程の勘違いで相当ダメージを負ったらしい。普段は毅然としているレン、凛としているアイネらしからぬ姿だ。


 ならば畳み掛けるのみ。追撃は忍者の、必須技能ゆえ。

「言い方が紛らわしくて、ごめんね。ヒイロとハヤテの気持ちを、僕から言うのは筋違いだと思ったんだ」

 そこまで言われて、二人はジンの言いたい事を完全に理解した。


 そうして正気を取り戻すと、次いで恥じらいが顔を出す。

「……!! い、いえ!」

「済みません、お見苦しい所を……」

 一瞬でその顔が真っ赤になってしまう。そんな二人に、ジンは優しく微笑んだ。普段は大人びた雰囲気の二人だが、こういった姿を見ると中学二年生の女の子なのだなぁと、再認識してしまう。

「そんな事無いから、気にしないで。まぁ、僕の方からも尻を叩こうかな……物理的措置も辞さない」

 最後の一言は、余計だ。物理的にとは何だろうか、年末恒例尻バットでもするのだろうか?


 調子を取り戻した二人に安心し、ジンはここには居ない恋人と、親友と従兄弟に思いを馳せる。

「そういえば、夏休みも近いんだなぁ……それまでには間に合わせて、トリプルデートでもしたいね」

 茶目っ気を出しながらジンがそう言うと、二人の表情に笑顔が戻る。大好きな人と、大切な仲間達……そんなメンバーで、トリプルデート。それは、とても魅力的な提案であった。

「良いですね……是非、やってみたいです」

「夏祭りとかも、皆で行きたいですね!」


 口々に、夏休みについて意見を出し合い……そして、三人は腰を上げる。

「それじゃあ始めよう、収穫無しなんて報告はしたくない」

「えぇ、行きましょう。遅れを挽回しなければいけませんね!」

「サブマスターとしては、あちらと同程度の情報を得ておきたいところですね」

 いつもの調子を取り戻した三人は、リンとロータスを、引き連れて町へと繰り出す。


 描いた未来予想図を実現する為にも、目の前の事に全力を尽くす……そういう点に関して、この三人は似た者同士なのかもしれない。

今回は何を描きたかったのか?

レンとアイネの可愛い所を描きたかった!!


次回投稿予定日:2020/9/25

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― 新着の感想 ―
こゆめの紅茶が欲しいでザマス... 流石忍者鋭い
[良い点] 尻に物理的措置(意味深)
[一言] >今回は何を描きたかったのか? レンとアイネの可愛い所を描きたかった!! 後悔もしないが謝りもしない!レンもアイネも幸せになってほしい!後メイドさんも…生産なあの人とくっつきそうな予感
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