20-43 最後の動画を撮りました
第三エリアボス討伐の為の、海底ダンジョン攻略。それもいよいよ四箇所目で、【十人十色】の面々は特に不安無く道中を進んで行く。
「もう四箇所目だし、攻略に関してはあまり不安要素は無いッスね」
「うん、そうだね。問題は、あっちだよね……ヒメちゃんとジンさんは、アンヘルさんとダンジョンに入れたかな?」
気楽な様子で歩みを進めるハヤテとアイネの会話に、笑顔を浮かべて加わるのはレーナだった。
「大丈夫! 丁度、アクア先輩とカイルさんから連絡があったよ。三人と無事に合流したって!」
その言葉を聞いたパーティメンバーは、それならば安心だと安堵の息を漏らした。
「後は、予定通り攻略するだけだね。ボス戦のラスト一箇所だし、バッチリ決めようか」
「トーマさんの言う通りだね! 他の大手クランはもう四箇所攻略完了らしいし、サクッと行っちゃお!」
トーマとセンヤが場を盛り上げる様にそう言うと、他の面々も気合十分に声を上げた。
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【ハヤテパーティ】
ハヤテ・アイネ・センヤ・ヒビキ・イカヅチ・レーナ・ルナ・トーマ・メイリア
PACジョシュア
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同じ頃、同様に海底ダンジョンに入って少しした場所。
「皆様、たった今ジン様達が、無事にダンジョンに入る事が出来たとの事です」
そんなシオンからの報告を聞いて、ヒイロ達は表情を緩めた。
「これでひとまずの懸念事項は、解消ですね」
「あぁ、ヒイロ君。しかし、この手を使えるのはあと何回だろうか……」
困ったものだと付け加えて、クラウドが腕を組んで唸り声を上げる。
確かに今回は、海底ダンジョン……インスタンスマップに入り込む事で、追及を逃れる事が出来た。しかしながら、この手段はあまり多様する事は出来ないだろう。
それこそアンヘルを捕捉するために、更に手を尽くす……例えば彼女の動きを正確に捉えるならば、フレンドリストを監視する等の対策が取れるのだ。
もしも【摩天楼】がそこまでやるならば、いずれ自分達がアンヘルを匿っている事がバレかねない。
「それについては、ユージンさんに考えがあるそうです。詳細は教えて貰えなかったんですが……」
「お、おう……あの人が本気を出すと、予想の斜め上で攻めて来そうで怖いんだよなぁ」
ヒイロの言葉を聞いたビィトは、思わずそんな感想を漏らしてしまう。他のメンバーも、思わず「確かに……」と同意を示すのだった。
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【ヒイロパーティ】
ヒイロ・レン・シオン・ネオン・ナタク・ディーゴ・ビィト・クラウド
PACセツナ・PACロータス
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「皆様、報告致します。アクアお嬢様とカイル様より、ジン様・ヒメノ様・アンヘル様と合流したとのこと」
アウスの報告を聞いた【天使の抱擁】の面々は、心から安堵した様子を見せた。実際に連絡を受けるまでは、安否が気になって仕方が無かったのだ。
「これで心配事は解決って事で良いわね? それじゃあここからは、溜まりに溜まった鬱憤を晴らしましょうか」
ジェミーがそう言うと、ハイド達は好戦的な表情を浮かべて武器を握り締めた。
「あぁ、そうだね……ボス戦に影響が出ない程度に、大暴れしたい所だ」
「えっ、今日はモンスターを魔法で吹き飛ばして良いの!?」
「あぁ、派手にやれ!! おかわりも良いぞ!!」
「先行き不安のネタだから、それはやめません?」
折角アンヘルと【天使の抱擁】が、新たなスタートを切ろうとしていたタイミング。そこに無遠慮に突っ込んで来た【摩天楼】のせいで、【天使の抱擁】の面々は気が気ではなかったようだ。
そうなれば、憂さ晴らしに一暴れも二暴れもしたいだろう……というジェミーの予想は、正しかったらしい。
「五年前と変わらず、気配りに余念が無いですね」
「そんなんじゃないですって、先輩。ただ単に、自分だったらフラストレーションが溜まるだろうなって思っただけですよ。適度にガス抜きしないと、精神衛生上よくないですしね」
そう言ってチャーミングなウィンクをするジェミーに、アウスは「確かに、その通りです」と表情を緩めて頷くのだった。
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【天使の抱擁】
ハイド・ソラネコ・エミール・コイル・ジョーズ・ミシェル・ジェミー・アウス
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一方その頃、ダンジョンの入口付近……ダンジョン入場待機列。そこではあるパーティが、やたらと注目を集めていた。その理由は……。
「あらあら、かわい~!」
「警戒とかはしていないみたいね。お利口な子」
ミモリとミリアは、クベラの肩の上で大人しくするシャドウオウルのフクに興味津々だった。フクは初めて遭遇するプレイヤー相手でも、別段警戒した様子は見せていない様だ。
そう……クベラは契約した従魔フクを、あえて公の場で公開していたのだ。
「いやぁ、時間かかってもうて堪忍なぁ。もう、他の四組は入ってもうたんやろ?」
「フ、フクちゃん……と、契約……するの、少し……大変、だった、みたい……で」
申し訳なさそうな演技をするクベラに、演技のはずが本当に申し訳なさそうなカノン。そしてパーティの最後尾で、大人しくしているヴィクト。
フクに注目を集めさせたのは、ヴィクトに少しでも目が行かない様にするためであった。ちなみに仮面は目立つので、眼鏡で変装している。
「それはそうだろうとも。しかし、そうなると……恐らく、初めてのテイムモンスターになるのかな?」
「そうですね、他のプレイヤーがモンスターを連れている様子は……私の記憶する限りでは、一人も居ませんね」
そんな会話を耳にしたプレイヤー達は、クベラが連れているフクにばかり意識が向かってしまうのだった。
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【ミモリパーティ】
ミモリ・カノン・ミリア・シャイン・クベラ・ユージン・ケリィ・ヴィクト=コン
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そしてカノン・クベラ・ヴィクトより早く到着し、人気の少ない場所でカイル・アクアと合流したジン・ヒメノ・アンヘル。五人は変装したままダンジョンに入り、インスタンスマップに切り替わった事を確認して態勢を整える。
「リン、頼むでゴザルよ」
「承知致しました、主様」
「ヒナちゃん、お願いね!」
「はい、お姉ちゃん!」
ジンとヒメノは、変装を解くと同時に自身のPACを召喚。更に人目に付かない様に送喚したコンも、再度召喚して戦力を確保した。
アンヘルはジンとヒメノ、リンとヒナを見て興味深そうにしている。
「PACとの、契約……そこまで行けてなかったけど、私もいつか自分のPACと出会いたいな」
心の中で感じた事が、そのまま口から出たらしい。そんなアンヘルの言葉に、カイルとアクアが笑みを浮かべる。
「あぁ、いつか出会えるだろうさ」
「治療も勿論大事だけど、同時にこの世界を楽しんでくれれば嬉しいわね」
二人の言葉に薄っすらと微笑むアンヘルは、どことなく楽しそうに頷き返した。
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【ジンパーティ】
ジン・ヒメノ・アンヘル・カイル・アクア・PACリン・PACヒナ
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その頃、[オーア山地]に向かった【摩天楼】の面々。アンジェリカことアンヘルの姿を探して街の中を練り歩いた彼等だが、一向にそれらしき人物を見付ける事は出来ていない。
「アンヘルってプレイヤーは、居なさそうだな……それにアバ名を非表示にしているプレイヤーも、全然いない……」
「どこかに隠れてるんじゃ……それか、ここからもう離れたか?」
「ヴィッツ、アンヘルは今はどこだ?」
仲間達に呼び掛けられたヴィッツは、フレンドリストを開く。アンヘルというアバター名の横に表示されているのは、『所在不明』という文字だけだ。
「所在が不明になった……もう、ログアウトしたのか!?」
「おい、もっと早く気付けよ! 無駄に歩いたじゃねーか!!」
「使えねーな、ったくよ!!」
「し、仕方ねーだろ!! ウィンドウ見たまま歩けねーんだから!!」
アンヘルの姿を確認する事すらできなかったからか、【摩天楼】の面々は気が立っている様子である。そんな彼等は、周囲の様子に気付けずにいる。
「何だ、あいつら? 騒がしいな……」
「何か探してるのかしら? それにしても、随分と物騒な雰囲気ね……」
クラン【導きの足跡】が公式掲示板で、[オーア山地]のNPCショップが営業を開始したという情報を公開。それに伴い多くのプレイヤーが、どんな様子なのかと[オーア山地]を訪れているのだ。
そんな中で騒ぎ立てている【摩天楼】は、悪い意味で目立っているのだった。
ちなみに現時点では、【摩天楼】はアンヘルの事を公にするつもりは無い。その理由は、ルールやマナーを重視して……という訳では無い。
アンヘル……元アンジェリカを悪人だと断じている彼等は、彼女を見付け出して何を企んでいるのか問い質し、それを止めるつもりなのだ。理由は単純明快で、そうすることで自分達は名声を得る事が出来ると考えたからである。
つまりアンジェリカが、アンヘルという名前で活動を再開している……それを広く公開してしまえば、自分達の手柄ではなくなると思っているのだ。
クラン【十人十色】にそれを伝えたのは、彼等……特にギルド【七色の橋】が、スパイ集団【禁断の果実】の直接的な被害者だったからだ。上手くいけば、クランに取り入る事が出来ると考えていたのだ。
勿論、その展望は無理筋というものだ。なにせ【十人十色】は、既にアンヘルと【天使の抱擁】を仲間として受け入れる意思を固めていたのだから。
「……チッ、仕方ない。ひとまず【導きの足跡】に情報を伝えるぞ」
先程の[十色城]訪問では、誠実な青年を装っていたエディミオン。しかし今の彼の表情や態度・声色は、明らかに誠実とは程遠い印象を抱かせる。こちらが素なのだろう。
せめて、【導きの足跡】と渡りを付けよう……と目論んだ【摩天楼】だったが、残念なことにカイセンイクラドン達は拠点開業の影響であちこちに出払っており、接触する事は適わないのであった。
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南側第三エリアの、海底ダンジョン。エリアボス【アビス・スキュラ】を討伐したのは、攻略開始からゲーム内時間で三時間が経過した頃だった。
「攻略情報があると、かなり効率が良いですよね」
「本当でゴザルな、あまり≪ポーション≫も消費せずに済んだでゴザル」
戦闘を終えて、肩の力を抜くジン達。ポップアップしたシステム・ウィンドウのリザルトを確認しながら、時間を確認する。
「これなら、十分時間はありそうだ。それじゃあ、アンヘルさん……始めるかい?」
ヒイロがそう促すと、アンヘルは普段とは違う……どことなく、決意を固めた面持ちで頷いた。
「驚きましたよ、本当に……まさかボス部屋で、最後の動画を撮影しようだなんて」
「ははは、これでも合理的な判断をしたつもりだよ?」
そう言いながら、ユージンはシステム・ウィンドウを操作する。収納から取り出したのは、大きなパネル……それも精巧な造りの、質素な家の中を描いたパネルだ。それも画面越しに見ただけでは、これがパネルだとはそうそう気付けないだろう完成度である。
「彼女の最後の動画を、どこで撮影するか? という点について考え始めた時に、既にこの案は考えていたんだ」
「……最初は人気の少ない場所で撮影できれば、と思っていたんですけどね」
昨夜の内に話し合って、アンジェリカとしての最後の動画を撮影する……その方向性については決まっており、今夜の攻略が終わればすぐにそれに取り掛かる予定だった。
その予定が狂ったのは、【摩天楼】の訪問がきっかけだったが……それが不幸だったのか、それとも幸運だったのかはまだ解らない。予定が狂ってしまったのは【摩天楼】が原因だが、彼等の様にフレンドリストで居場所を特定できる存在がいるという点に気付けたのは僥倖だった。
「暴走した正義ってやつは、実に厄介なものだからね。彼等や似た様な勢力はフレンドリストでおおよその場所を特定して、執拗にアンヘル君を追うだろう。撮影をする上で、彼等の存在は非常に面倒だ」
「確かに、そうですね。彼女がアンジェリカとして動画を撮影するなら、第三者が立ち入れない場所が望ましい……それで、ここなんですね」
「あぁ。インスタンスマップであるボス部屋なら、討伐さえしてしまえば邪魔は入らないからね」
よくもまぁ思い付くものだと考えつつ、これ以上に都合が良い場所も他には無い。ヒイロ達もそう考えて、この案に乗っかった。
それはそうとして、ボス部屋と気付かれない為に用意したパネル……これを短時間で用意した点も、驚くべき点である。しかしユージンの実力をよく知るプレイヤーとしては、彼ならばこれくらいは出来てもおかしくないとも思えるのだ。
「いやはや、とんでもない出来栄えッスね。あと、組み立てやすさも凄いッス」
「本当だね……何だか、テレビスタジオのセットみたい」
アイネが冗談めかして言うが、実際似た様なものが組み上がって行く。動画を撮影する為の端末を固定してしまえば、ボス部屋はテレビスタジオ状態になっていった。
「よし、準備完了だ」
「アンヘルさん、準備は大丈夫かしら?」
アクアがそう問い掛けると、アンヘル……いや、アンジェリカははっきりと頷いてみせる。念の為に有料アイテムでアバター名も戻して、久方振りに純白の装備を身に纏う彼女は、幾分緊張気味だ。
「アンヘル君……いや、今だけはアンジェリカ君だね。僕達は声や物音が入らない様に、ここで待機しているよ」
「解った……」
ジン達の見守る中、即席セットに歩いて行くアンジェリカ。その様子を見守る【天使の抱擁】の面々は、複雑そうな表情だ。
彼女は確かに間違えてしまい、その結果として大きな騒動に発展してしまった。それは事実であり、彼女が背負うべき事である。しかし彼女の事を何も知らない者達が、無遠慮に存在を否定して良いかと言われれば……それは否だと、彼等は思っている。
この動画撮影は、アンジェリカというプレイヤーがこのAWOから消え去る為のものだ。そこまでしなければならない状況に至ってしまったのは、ハイド達にとって心苦しい事だろう。
そんな彼等の想いを背に受けた彼女は、システム・ウィンドウを操作して……いよいよ、アンジェリカとして最後の動画撮影を開始した。
『私はアンジェリカ……伊賀星美紀です。アナザーワールド・オンラインをプレイする皆さんに、お話したい事があります』
始まりは、そんな簡素な挨拶からだった。Vアイドルとして配信していた頃とは打って変わって、重々しい雰囲気だ。
『まずは、私自身の事についてです。私が【禁断の果実】と関与していたのは、事実です。彼等が私の為にとスパイ行為を行っている事を認識しており、私はそれを良しとしていました。それがどんな事態を引き起こすか、ろくに考えていませんでした』
多くを語る事は出来ないものの、自分の非を認める発言をするアンジェリカ。言い訳や誤魔化しは、一切しないつもりらしい。
『その結果、多くの人に迷惑を掛けた事も、事実です。この場を借りて、皆さんに謝罪させて下さい。本当に……すみませんでした』
そう言って彼女は、深く頭を下げる。数秒間その状態を維持し続け、彼女は顔を上げた。
『本来ならば配信による謝罪にすべきでしたが、私を現在監督して下さっている方々に相談した所、許可は出せないとの返答を頂きました。その為、動画による謝罪となりました。どうかお許し下さい、と言いたいけれど……皆さんからしてみたら「じゃあ許そう」とは言えない事も、理解しています』
実際に【ファースト・インテリジェンス】に管理監督されている状況、配信の許可が出なかった事も明かしつつ、アンジェリカはつかえる事無く言葉を続けていく。
その様子を見て、ジンは内心で感心していた。これが実況配信者として、多くの人間を虜にしたアンジェリカの姿なのだろうと。
――本当なら明るい話題で、笑顔で配信をしていたんだろうな。確かにその背後には、スパイ達の影があったんだろうけど……それでもハイドさん達の様に、彼女を支えようと踏み止まる人達が居る。この姿を見ると、納得出来るな。
『この動画をアップロードした後、アナザーワールド・オンラインからアンジェリカ……そして、伊賀星美紀は居なくなります。逃げるのかと思う方もいるでしょうが、これは監督の方々と協議した結果になります。どうかご容赦下さい』
彼女が生来持ち合わせた、人を惹きつける才能。それが悪い方向に転がってしまった結果、起きてしまった騒動。それについては残念に思うものの、もしもの話を考えてしまう。
彼女の才能が良い方向に生かされて、悪意ではなく善意で背中を押されていたら……一体、どの様な今になっていたのだろうか? と。
『警察の捜査や【ファースト・インテリジェンス】の方々との話し合いも、徐々に落ち着きつつあります。【禁断の果実】に参加していたプレイヤーは、全員確保されたと警察の方から聞きました。その事を踏まえて、私から皆さんにお願いがあります』
所詮それは、イフの話だ。考えても答えは出ない事は、ジンも理解している。
しかし、もしこの先……彼女のその才能が活きる事があったら。何かしら、大きな前進が起こるのではないか? そんな事を、思ってしまった。
『それは私が結成したギルドである、【天使の抱擁】の人達についてです。現在プレイしている彼等には、何の責任もありません。彼等は【禁断の果実】ではありませんし、私の罪にも関与していません。ただ私が罪を認めて、償った時に、帰る場所があると伝えようとしてくれているだけなんです』
アンジェリカの顔が、先程までとは違う……粛々とした様子が崩れ、懇願する様な雰囲気に変わった。
『そんな事を言って貰える資格が、私にあるのかは別として……彼等はルール違反も、不正行為もしていません。ただ、ただ優しいだけなんです。今もギルドに残っているメンバーや、ギルドを離れた人達を攻撃しないで下さい。どうか、お願いします……!!』
もう一度アンジェリカは、深く頭を下げる。先程よりも、頭を下げていた時間は長かった。それは自分の事よりも、仲間達の処遇の方が大切だという意思の表れだろう。
『最後になりますが、今まで私を応援して下さった皆さんの想いを裏切った事、本当に済みませんでした。こんな言葉では許されない事も、重々承知しています。私はこれから、償いの人生を歩むことになります。終わりが無いのも、理解しています。今考えられる事は……せめて少しでも正しい方向に向かえる様に、そして多くの人の役に立つ為に歩んでいく事。まずはそこから、始めていきたいと思います』
アンジェリカの言葉を聞いていたジン達も、胸の奥が熱くなる。込み上げてくるものがあるのは、彼女を受け入れる立場だからか。それとも、和解していない状態だったとしても……今の彼女の表情と言葉に込められた、純粋な想いが胸を打ったからなのだろうか。
『これで、最後の動画を終わります。最後にもう一度、今まで応援してくれた皆さん……本当に、ごめんなさい。もう、”またね”とは言えません。さようなら……今までありがとうございました』




