20-38 説得しました
三月十二日。この日はエリアボス攻略をお休みにして、ジン達はクラン拠点に集合していた。勿論、【天使の抱擁】とヴィクトも同席している。
ギルドを解体する前に、アンジェリカとして最後の配信を行いたい……そんなアンヘルの意向を聞いて、カイル・アクア・アウスはやはり否定的な考えを示した。
理由は当然、リスクが高いからである。
「俺達の立場上、そして君の事情も考慮すると……現状で、その提案を受け入れる訳にはいかない。それは、理解できるかな?」
「……私が治療中で、完治していないから……?」
「その通りだ」
「でも配信をするだけで、実際に顔を合わせる訳じゃないなら……」
「そう考えるのも解るが、早計と言うべきだろう。そもそも一番の懸念点は、【禁断の果実】と君が大きな騒動を起こした主犯として見られている事にある」
「……ちょっと、あなた?」
歯に衣着せぬ物言いのカイルに、アクアが厳しい視線を向ける。だがカイルはそれを手で制して、アンヘルに更に言葉を続ける。
「【十人十色】が君達の事を受け入れるのは、正直に言うとレアケースだと思って欲しい。今でさえ他のプレイヤーの多くが、君や【天使の抱擁】は【禁断の果実】の関係者だと決めつけている」
自分だけではなく、【天使の抱擁】までスパイ達と同類扱いされる。その言葉に対して、アンヘルの表情が僅かに歪む。自分のせいで彼等を不遇な立場に追い遣られた事は、ちゃんと理解している証拠だろう。
「そんな状況で君が公の場に姿を現せば、格好の標的となって狙われる。彼等はここぞとばかりに、君を糾弾しようとするだろう」
真剣な表情で言葉を続けるカイルを、アンヘルは真っすぐに見据え……そして、頷いた。
「それは解っている……でも、それは当然のことだと思うし、私にはそれを受け止める責任があると思う。それだけでは、いけないの?」
戸惑いながらも問い掛けるその様子は、彼の言葉の意味を必死に理解しようとしている様にも見える。その姿勢自体は、良い傾向だった。
自分で考えて、自分で理解して、自分自身が責任をもって行動に移す……当たり前の事だが、それが出来ない人間も多いのが昨今であるのは事実である。
そんな彼女の意思を認める様に、カイルはハッキリと頷いてみせた。
「自分の行動に対するケジメを付けたい、その考え自体は正しいと俺も思う。だが、人間の悪意ってやつは簡単にそれを呑み込んでしまう。まだ完治していない君を、そんな状況下に追いやる訳にはいかない。リアルタイムでの配信は、危険過ぎるんだ。だから君の要望を、受け入れる事は出来ない……現状では、だが」
そこで、ヒイロがカイルの横に並ぶ。カイルはその行動に驚いたが……すぐに、彼が説得に加わる事を認める様に場を譲った。
そんなカイルの意図を察したヒイロは、アンヘルに真っすぐ視線を向けて口を開く。
「アンヘルさん、やはり言葉を届けたいのなら……録画したものを、公開する方が良いと思います」
ヒイロの提案を受けて、アンヘルは目を伏せながら首を横に振る。
「そうかもしれない。でも皆の声を、受け止めないと……私がした事を、ちゃんと受け止めないといけない。そうじゃないと、私達は前に進めないと思うんだ」
配信を見る者達の言葉を、自分が受け止めなければ……アンヘルは、そんな気持ちでいっぱいだった。
だが、ヒイロはそうは思わない。それを、身をもって知っているから。
「【七色の橋】が不正をしているって疑惑を掛けられた時のことを、覚えているでしょう?」
ジン達の身に降りかかった、周囲の人間の悪意。彼等を称えていたプレイヤー達は掌を反す様に、【七色の橋】を糾弾した。公式掲示板やQチャンネルでは、それはもう酷い書き込みで溢れ返っていたものだ。
「うん、覚えている……あれも、私達のせいで起きた事……」
そう呟いたアンヘルの表情が、僅かに歪む。自分のせいで、ジン達が苦しい思いをしてしまった……そのことを悔やみ、申し訳ないと思っているのだろう。
「それは一旦置いておくとして……あの時みたいに、人間は簡単に他人を攻撃する事が出来るんです。自分の持論を展開して、対象を徹底的に追い詰めていく。そういった人達は、理由を聞かれたらきっとこういうんですよ……『あいつは悪い事をしたんだから、俺達から叩かれて当然だ。俺達は正しい事をしているだけだ』って」
その言葉を聞いて、アンヘルは神妙に頷いてみせる。自分は悪い事をした、だから皆に責められるのは仕方が無い、それが当然の事なんだ……そう思っているのだろう。
だが、ヒイロは次の言葉で、その考えを否定する。
「でも、それは間違いなんです。当事者ならまだしも彼等のほとんどは、貴女とは関係が無い……簡単に言えば部外者で、赤の他人なんだから」
「……え?」
何故、そんな事を言うのだろうか? アンヘルは理解が出来ずに、ヒイロの顔を見つめる。
アンヘルが驚いた様子を見せたので、ヒイロは説得の好機と見て言葉を続ける。
「俺達の時も、そうでした。【七色の橋】を糾弾した奴等は、俺達の事を何も知らない人達。逆に俺達を良く知っている人達や、知り合いじゃなくても色眼鏡抜きで見守っていてくれた人達は……俺達の事を、信じて協力してくれたんです。だから、気付いたんですけどね」
そう言ってヒイロは、クランの仲間達に視線を巡らせる。【桃園の誓い】や【魔弾の射手】、【忍者ふぁんくらぶ】……それにフリーランスの面々、【ラピュセル】や【天使の抱擁】の面々も、彼の言葉に力強く頷いてみせた。
「あなたが配信をして、それを見てコメントをする人達……その中には、確かにあなたが傷付けてしまった人達が確かにいるかもしれない。でも、それはきっと一握りでしょう。蓋を開けてみたら、書き込まれるコメントの殆どは無関係な人間のものだ。それもあなたと会った事も無い、アイドルのあなたを応援していた訳でも無い、赤の他人が書き込んだものなんですよ」
その言葉で、アンヘルは目を見開く。自分と全く関係の無い人間が、自分を攻撃する……それが、過去のトラウマを刺激する。
最後にアンジェリカとして配信をして、迷惑を掛けた人達からの声を受け止める。それが自分の罪に向き合う為に、必要な第一歩だと思っていた。そう思っているからこそ、過去のトラウマにも耐えられるはずだった。
だがその行動を起こした先に待ち受けているのは、正当な理由なく自分を傷付けようとする悪意。
まるでそれは……まだ中学生だった頃、欲望に任せて自分を虐待した、あの養父の様に。
アンヘルの顔が真っ青になり、手足が震え始める。自分がやろうとしていた事が、間違っているとは思わない……だがそれに便乗して、理由なく自分を攻撃しようとする人間が現れる。その可能性を考えて、恐怖が心を侵し始めたのだ。
「確かに、あなたは間違えたかもしれない。でも悪い事をした人が居たら、遠慮なく攻撃していいなんてルールは無い。彼等は『立場的に弱い人間を攻撃したい』という衝動を、自分で抑える事ができずに行動する……自制心が効かない、幼稚極まりない連中なんです。そんな連中のサンドバッグになってやる理由、あなたには無いでしょう?」
「……そう、いう……こと……」
何故、皆が止めるのだろう? と思っていたアンヘルだが、やっと理解できた。彼等は、自分が理由なき暴力に晒されない様にと思って、言ってくれていたんだと。
過去のトラウマのせいか、足に力が入らずにふらつくアンヘル。そんな彼女を、ソラネコとミシェルが支える。
「アンヘルさん!」
「大丈夫ですか? 顔色が……」
「う、ん……ごめん、なさい……私が、私の……考えが、甘かった……んだね……」
彼女の精神に、負荷が掛かっている。それを察した面々は、彼女をログアウトさせるべきじゃないかと考えた。
だが、その前に。
「謝らなくても、良いんですよ」
彼女の手を優しく、包み込む様に握ってそう告げたのは、銀色の髪の少女。
「ヒメ、ノ……?」
「アンヘルさんは、ちゃんと前に進もうとしているんです。その道中で躓く事があっても、一歩一歩進んでいます。気付けなかった事に気付けたり、解らなかった事が解る様になったんですから」
そう言って、ヒメノはアンヘルに微笑みかける。
ジンに好意を寄せ、自分の婚約者に近付いてきたアンヘルは、ヒメノにとっては恋敵なのかもしれない。
でも、今の彼女を見てヒメノは思った……彼女は自分の過ちと、本気で向き合おうとしているんだと。それがどんなに辛く険しい道でも、正しい道に戻る為に必死に頑張っているのだと。
そんな彼女を、恋敵だからと責めたり、見て見ぬふりをする……そんな事は、ヒメノにはできなかった。
精神に支障を来たしている彼女が、必死になって歩もうとする姿は……生まれつき視力を持たない自分や、事故で右足に障害を負ったジンと似ている様に思えたのだ。
「一緒に、助け合って、進んで行きましょう? その為の、仲間なんですから」
ヒメノはそう言って、アンヘルに微笑み掛けて。
「……ありがとう、ヒメノ」
アンヘルも、ヒメノに向けて微笑み掛けて。
「はいっ♪」
「……ふふっ……やっぱり、仲間って素敵だね?」
そんな風に微笑み合う二人の姿を見て、ジン達もようやく表情が緩む。これならば、アンヘルの精神状態も落ち着きを取り戻すはず。それを確信して、ホッと胸をなでおろすのだった。
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そうして皆からの説得を聞き入れたアンヘルは、配信ではなく録画した動画を公開する事にした。自分の事を気に掛けてくれた仲間達の想いを、無碍にするわけにはいかないと受け入れたのだ。
「人気のない所で、配信端末を使って録画。これは良いとして、どこで撮影するかだな」
ケインがそう言うと、クランメンバーが次々と「ここはプレイヤーがあまりいないと思う」だとか、「あのダンジョンならモンスターが寄って来ないスポットがあった」なんて、意見を出し始める。
既にクラン拠点に皆が帰還し、ジン達の説明を受けてアンヘルとヴィクト、【天使の抱擁】のあれこれについて納得。彼女達の現状を快く思っていなかった事もあり、誰もが協力する姿勢を見せたのだ。
「……ホント、良いクランね」
ぽつりとソラネコがそう呟くと、その言葉を聞き取ったチナリがニッコリ微笑んだ。
「もうすぐ、皆さんもその一員ですよ!」
歓迎の意味合いを込めたその言葉に、ソラネコは笑みを深める。死中に活を求めるつもりでいたところに、目の前に蜘蛛の糸が垂らされて……意を決してそれを掴んでみたら、鋼線で出来た頑丈なワイヤーだった。例えるならば、実にそんな気分である。
「そう言えば、新しいギルドを作るとして……どんなギルドにしたいとか、そういうのはあるん?」
ビィトがそう問い掛けると、すぐ隣に居たコイルが「あー、そう言えば……」と苦笑する。なにせクラン【十人十色】は、それぞれ異なるギルドカラーが寄り集まって出来たクランなのだ。
初代・和風ギルド【七色の橋】。
同じく初代・中華風ギルド【桃園の誓い】。
現代風であり特殊部隊風である【魔弾の射手】。
戦乙女をイメージさせる【ラピュセル】。
和風というよりも、THE・NINJAな頭領様好き好き大好きファンギルド【忍者ふぁんくらぶ】。
最後はともかく、それぞれのギルドカラーを持つクラン。それが、クラン【十人十色】である。その一員となるならば、自分達も何らかのギルドカラーを考えるべきでは? と考えても不思議ではない。
「今みたいに、冒険者っぽいのでも良いのでは?」
ジンがそう提案するが、ミシェルが苦笑して首を横に振る。
「名前を変えても、外見があまり変わらないとあんまり意味が無い気がするんだよね。だから何かしらの方向性で外見を変えるのは、大いにアリだと思うの」
「あー、確かにそうですね」
【天使の抱擁】というギルドを解体し、新たなギルドを立ち上げる。自分達も名前を変えるならば、見た目から変えていかなければすぐに気付かれる可能性は高い。そう言われてしまうと、確かにその通りだった。
「しかし色んなギルドが乱立して、結構ネタ切れな気もしますね」
「うーん、騎士系・冒険者系・傭兵……それに厨二系もあるし」
セシリアさんが泣いちゃうから、それはやめて差し上げて欲しい。
そうして【天使の抱擁】以外の面々も、意見を出し始める。
「戦隊まで居るもんね……ラ〇ダーとか、ウル〇ラマンは?」
「ライ〇ー系、実は結構ありますよ。【秘伝インテリジェンス】とか【大天道寺】なんてのが」
もしかして「或〇じゃないと!」とか言ってスベったり、命を燃やしそうな人達なのだろうか。
「ガン〇ムはどう?」
「【ソレシタラビーイング】ってのがある、あと【フラグファイター】も」
「ダブルOーばっかじゃん!! あ、進撃する巨人のあれとかは?」
「【調査HEY団】いるね。あと【イェーガー】も」
「バンド系のはどうかしら?」
「【放火後ティータイム】があるわね。あと、音楽系だと【旋律】もそうらしいわ」
「じゃあ、学生服のギルド……」
「【世代を大いに盛り上げるサリーの団】に【脂肪峰学園】」
「いっその事、ヤンキー系は!?」
「【怒羅厳巣礼夜亜】ってのが、そっち系だな」
「BL■ACHネタとかどうよ?」
「【御面の軍団】ってのがあってだな?」
「じゃあFG〇で……」
「【倫理保障機関】と【七天の担い手】」
「ま、魔法少女……とか、どう、かな……?」
「【ワルプルギス】っていうのと、まんま【魔法少女】があったはずよ?」
「エ△ァ!!」
「【特務機関ワロス】!!」
「艦こ×!!」
「【AWO鎮守府】!!」
「遊〇王!!」
「【決闘者】!!」
「■リポタ!!」
「【グリフォンドール】!!」
「こうなったらもう、バニーで!!」
「【ご注文はバニーガール】ッ!!」
「あほくさ……もう適当に、スーツ着てサングラスで良いんじゃね?」
「それ、【Fabulous Division】がもうやってる。グッド・ルッキング・ガイを侍らす、美女二人が中心のギルドッスね」
「何なんだよ!? おかしくねーか!? このゲームのギルド、ネタ率高すぎんだろ!?」
「おやめ下さい、兄君殿。それは、我々にも刺さる故」
本当に、よくもまぁこんなギルド名を考え付いたものである。
そこで、ジンが「あっ……」と何かを思い付いた。彼の脳裏に、ある映画の広告が思い浮かんだのだ。
先日、ヒメノとデートで見た映画……その作品の世界観が、丁度AWOでは見かけないタイプのものだった。
「何て言うんだっけ……ちょっとレトロ感あって、機械とか出て来る……ストリートパーク?」
「ん? スケボーの競技?」
具体的な名称が出て来ないジンを見ていて、ヒメノも一緒に見た映画のジャンルを思い出した。
「あっ、あれですね!! えーと……スチームアイロン?」
それだと、ただのアイロンである。だがここでレーナが二人の言いたいジャンル名に思い至り、柏手を打った。
「二人の言いたい名称、解ったかも! 【スチームパンク】のことじゃないかな?」
「「そう、それです!!」」
「ほう……」
「あぁ、なーるほど?」
「スチームパンク……か。ふむ……」
「ほほー……言われてみれば……」
カイルとハヤテが感心したように頷き、コタロウとクベラが妙案だと言わんばかりに思案する。
彼等の脳裏には、スチームパンク系のギルドがあったかどうか……それについて記憶を呼び起こし、言われてみれば現時点ではそういったギルドは存在していないと確信する。
運営責任者、【七色の橋】の情報通、忍者、凄腕商人……四人がそう結論付けて、ジンとヒメノに笑みを浮かべ……そして、グッジョブ!! と言いたげに親指を立ててみせた。
そんなやり取りを見ていたハイドも、「確かに、それはいいかも……」と呟いた。そして仲間達に視線を巡らせてみれば、明るい表情が並んでいる。
「スチームパンクか……結構、良いんじゃないかしら? 今までそういったギルドもいないし、戦っても違和感ないし」
「帽子とかゴーグルで、顔を見えにくくしたり出来るし……うん、アリかもしれないぞ?」
「あのクチバシみたいなマスクも、スチームパンクだっけ? あれならバッチリ顔を隠せるぜ!!」
「えー、あんなマスクした人と一緒に歩くのは嫌よ? 普通に、ジン君みたいに何かで口元を隠すとかで十分じゃない?」
「俺もスチームパンク、良いと思う!! ちょっとレトロ風味なやつがいい!!」
仲間達は、スチームパンク風のギルドを結成する方針に対して、前向きな姿勢を見せている。
あとは、ギルドマスターの判断を仰ぐべきだ。そう思って、アンヘルの方に視線を向ける。
「……スチームパンク。あれだよね? レザー系のコートとか、スカートとか……それに、時計とか歯車とかの飾りのやつ」
彼女も、随分とスチームパンクに乗り気らしい。現に記憶の中からスチームパンク系のファッションを思い出して、目を輝かせている。
「スチームパンク系で、賛成意見が多数……と言うよりも、俺含めて満場一致みたいだな?」
「そうね、異議無しよ」
「凄く良い提案だよ、ジンくん、ヒメノさん!」
「うん。うん……私も、良いと思う」
「となると、それっぽいギルド名を考えたいわね?」
「確かに!!」
「……気に入って貰えたみたいだね?」
「えへへ、そうですね♪」
そう言葉を交わして微笑み合うジンとヒメノは、【天使の抱擁】の面々の様子を見てとても嬉しそうだ。そんな二人を見て、ヒイロ達も笑顔を浮かべてしまう。
未だ、火種は燻っている。乗り越えなければならない障害は、数多く残っている。しかしこうして、手を差し伸べる仲間が居れば……一歩一歩、着実に進む事が出来る。
彼等はこの時、そう確信しているのだった。
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丁度その頃……あるギルドの面々が、[ウィスタリア森林]に建設されたクラン【十人十色】の拠点を訪れていた。
外部の人間である彼等は、当然ながらクランホーム[十色城]に立ち入る事は出来ない。だが、[ウィスタリア森林]の拠点だけならば町扱いとなり、立ち入り制限がされていない現状では外部のプレイヤーが出入りする事が出来るのだ。
応援NPC達によって経営されるショップなどには見向きもせず、入った瞬間にシステム・ウィンドウを凝視する一人の男。彼は自分のフレンド欄を凝視して、そこに表示される内容を確認した。
システム・ウィンドウのフレンド欄を見れば、対象が何処にいるのかはおおよそ解る。[十色城]に居る事までは突き止められなかったものの、アンヘルが[ウィスタリア森林]の拠点に居る事までは確認する事が出来るのだった。
「……やっぱりそうだ、間違いない……!!」
そう呟いた男は、背後に居る仲間達に視線を向けた。
「この場所に、アンヘル……いや、アンジェリカが居る……!!」
その言葉を聞いた仲間達は、目の色を変える。アンジェリカ……【天使の抱擁】のギルドマスターであり、【禁断の果実】と密接な関係にあった元・ネットアイドル。
姿を消した彼女が、今もこのゲームにログインしている……その事実を、見過ごすわけにはいかなかったのだ。
「絶対に見つけ出してやるぞ、アンジェリカ……!!」
次回投稿予定日:2026/1/20(本編)




