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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第二十章 第四エリアを目指しました

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20-13 良縁に恵まれました

|∧∧

|・ω・`) 糖だよ

|o【糖】o

|―U

 エリアボス討伐に向けた、準備期間。クラン【開拓者の精神フロンティア・スピリット】や【導きの足跡(パイオニア・ステップ)】同様に、【騎士団連盟(リーグ・オブ・ナイツ)】でも新規加入を希望するギルドの選別を行っていた。

 その為に彼等は、毎週金曜日に定例会議を行う事になっていた。


「……皆、集まってくれたようだな。それではこれより、【騎士団連盟(リーグ・オブ・ナイツ)】の定例会議を始めよう」

 アークがそう言えば、集まったトップ陣……加盟ギルドのギルドマスターとサブマスター達が、真剣な表情で頷いて応えた。

 しかし今週の会議は、先週までと違う点があった。その事に【絶対無敵騎士団】や【白銀の聖剣】の面々は気付いているものの、内心で問い掛けて良いものかと考えている。

 ちなみに【聖印の巨匠】は元々【聖光の騎士団】のサブギルドである為、事情は知っているらしく平然とした様子である。


 それはギルド【聖光の騎士団】の、サブマスターの席。そこには、シルフィ以外にもう一人が座っているからだ。そんな会議メンバー達の様子を見たアークは、「予想していた通りだ」と思いつつ、事情説明の為に口を開く。

「まず本題に入る前に、我々【聖光の騎士団】より報告がある。第二回イベント以降、サブマスターの立場から離れていたギルバートだが……ギルド内で協議を重ねた結果、今日からサブマスターのポジションに復帰する事となった。これから、シルフィ・ギルバートのサブマスター二人体制となる」


 ギルバートのサブマスター返上と、今日この日に復帰した事情。それを知るのは、【聖光の騎士団】幹部メンバーのみだ。

 対外的には、「第二回イベント決勝戦敗退の責任を取る」という建前での地位返上。しかし真実は、ジンとの間で問題を起こした事……それも現実における、彼の障害に関わる発言が引き金となった問題だった。

 奇しくもその一件によってギルバートは驕りや軽薄さを捨て、一幹部として腕を磨き、そしてギルドの為に真摯に尽くして来た。更にはジン達との和解、更にバーベラも巻き込まれた【暗黒の使徒】戦。

 地位返上から今日この日まで、彼は騎士道精神と、トッププレイヤーに相応しい実力を発揮し続けて来たのだ。


 そして一番の切っ掛け……それは第五回イベントの終了後、ギルドメンバーの一部からある声が上がった事だった。「ギルバートのサブマスター復帰は、いつになるのか」と。

 その声は徐々にギルド全体に広がり、そして幹部メンバーが集まってその件について話し合う事になるのだった。

 幹部内での意思は概ね賛成意見だったのだが、ギルバート本人が渋ったのだ。

「サブマスターの座に復帰したいという意思はあるが、まだまだ未熟だと私自身が痛感している所だ。今の私に、その大役を務められるか……正直、迷っている」

 かつての慢心っぷりは何処へやら、謙虚かつ真剣に熟考するギルバート。その姿を見た彼以外の全員がサブマスター復帰に賛成する事になり、ギルバートも最終的に承諾する事となったのだった。


 これまで幹部メンバーは、この定例会議に参加していなかった。そしてクラン活動の中でギルド外のメンバーと組む事もあるが、フデドラゴンとベディ、ブレイクとスパーダは彼と組んだ事は無かった。

 そうなると大規模クランである事も影響して、これまであまりギルバートとの接点が得られない。結果、彼等のイメージはかつてのギルバート……群を抜いたAGIと高度な技量を持ちつつも、自信過剰で女性に対して気安い態度で声を掛けるイメージが先行してしまう。


 勿論、それは過去の事。今の彼は、その地位に見合ったプレイヤーだ。それを確信しているアークは、ギルバートに視線を向ける。

「それではギルバート、挨拶を」

「了解した」

 アークに促されたギルバートは、席から腰を上げて姿勢を正す。

「本日付で【聖光の騎士団】サブマスターの役職に復帰した、ギルバートと申します。【絶対無敵騎士団】と【白銀の聖剣】の方々とは、中々戦列を共にする機会がありませんでしたが……これよりギルドとクラン【騎士団連盟リーグ・オブ・ナイツ】の為に、皆さんと共に尽力する所存です。引き続き、どうぞ宜しくお願い致します」

 実に丁寧に、そして真っ直ぐな言葉からの深い一礼。その姿を見たギルドマスターとサブマスター達は、彼がかつてのギルバートとは大きく違うと感じさせられた。

 実際にその言葉と姿勢を、フデドラゴンとブレイクは真っ直ぐに受け止める事が出来ていた。


 以前のギルバートは無意識の内に、アークとライデン以外を下に見ていた。それは自分の実力に、絶対の自信を抱いていたからだろうが……その驕りは過去のものとなり、今の彼からは全く感じられない。

 彼の変化を生んだのは、あの忍者な少年だろう……この場に居る誰もが、それを確信していた。

 第二回イベントでの、邂逅……試合に敗れはしたものの、ジンとの出会いはギルバートにとって確実に良い縁だったに違いない。


 そんな事を頭の片隅で考えつつ、フデドラゴンは彼のサブマスター復帰を拍手で出迎える事にした。彼の拍手にブレイクも続き、そしてヴェディとスパーダ……更にアークとシルフィ、トール、ネフィリムも拍手に加わる。

 地位返上から、約半年……ギルバートはその立場に相応しい存在となって、サブマスター復帰を果たしたのだった。


……


 定例会議は一時間程で終わり、ギルバートはアーク・シルフィと共に会議室を後にした。クラン拠点[アージェント平原]の中心部に建造されたクランホームとなる西洋風の城……会議室は城の中央、最上階に設えられている。


 ちなみに本題であるクラン加入希望のギルドについては、まだまだ検討すべきという結論に至った。

 大規模クランである【騎士団連盟リーグ・オブ・ナイツ】に加入したいというギルドが、少ないはずもない。十を越えるギルドに対して、残る席は三つ……その三つを決めるのが、簡単であるはずも無いのだ。


 会議室から大広間に続く階段を下りていくと、そこにはライデンとルー、そしてヴェインとバーベラの姿があった。

「おっと、どうしたんだいアンタ達?」

 シルフィがそう問い掛けると、ライデンが肩を竦める。

「いえ、バーベラさんがギルを待つって言うので、付き合ってたんですよ」

「固定メンバーですからね、ギルバートさんとバーベラちゃん」

 ライデンに続いてルーがそう言うと、バーベラは照れ臭そうに視線を彷徨わせる。

 【聖光の騎士団】加入後からほぼずっと、ギルバートとバーベラは常に行動を共にしている。例外はマッチングPKの際、PvPの経験が無いバーベラを待機組にした時くらいだ。


 ギルバートと行動を共にするという事は、幹部メンバーが揃って行動する時はバーベラもそこに加わるという事だ。それもあって、シルフィ達もバーベラの人となりを良く知る事になった。

「あぁ、成程ね。まぁバーベラはしっかりしてるし、ギルバートのサポート役には丁度良いかもね」

 幹部メンバー達は、バーベラの真面目さと努力家な面を理解している。更にヴェインに師事した事で、短期間でしっかりと実力を身に着けているのだ。勿論、最前線とまではいかないが……少なくとも彼女がAWOどころか、フルダイブ型VR・MMO・RPGを始めて二カ月程度とは思えない程である。


 そんなシルフィの発言に、アークも表情を和らげて頷く。

「サブマスター補佐という役割でも、用意するか? そうなると、参謀補佐も必要だな?」

 アークがそう言うと、彼以外の全員が目を丸くした。彼が口にしたギルバートの補佐役と、ライデンの補佐役……それは当然バーベラと、ルーの事である。

 問題はそこではなく、彼が冗談めかした発言をしたからだ。これまでのアークは、全くそういった言葉を口にする事は無かった。新参者のバーベラすら驚くのだから、既にそういった印象は仲間達から聞いていたのだろう。

「……ふーん? じゃあ、アタシの補佐は誰になるんだい」

「無論、ベイルだろうな」

 そんな取り留めもない話をしつつ、アーク達はフィールド探索の為の準備に向かう。彼等もエリアボス討伐に向けて、活動を開始するのだった。


************************************************************


 三月七日の土曜日、クラン総出での生産活動を終えたクラン【十人十色ヴェリアスカラー】。

 翌日にはいよいよ、エリアボス討伐……となるのだが、その前にあるイベントが内輪で行われていた。内輪である為、クラン外の面々は招待していないのだが……それでも[エル・ノエル教会]を借りて用意した式場は、満席状態である。

 そう、式場だ。今日この日執り行われるのは、三組のカップルの結婚式である。


 このタイミングとなったのは、勿論理由があった。

「第五回イベントが終わったら、いよいよ……と思っていたら、新エリア情報だったからなぁ」

「えぇ。このタイミングを逃したら、ズルズルと延期しそうだものね」

 そう言って寄り添うのは、既に挙式を終えて参列側に回るフレイヤとゲイル。その左手の薬指には、お揃いの結婚指輪が嵌められていた。

 これまで余り人前でベタベタする事を控えていた二人なのだが、流石に今日この日は互いの肩が触れる程に距離が近い。

 それも無理の無い事で、ゲーム内とはいえ結婚式を挙げたのだ。今日この日からは夫婦となる事を実感し、無意識の内に互いの温もりを求め合っているのだろう。


「言いたい事は分かるんだが……良かったのか? 三組同時の結婚式にして」

 申し訳なさそうにケインがそう言うと、誓いの指輪交換を終えたばかりのゼクスとチナリが戻って来た。

「まだ気にしてたんか、ケイン……ったく、気にしなくて良いんだよ。同じ日ってだけで、ちゃんとこうして個別にしてんだから」

「実際の結婚式場でも、一日に三回とか普通にあるらしいですしね」

 挙式直後だから当然、タキシードとウェディングドレスのまま参列席の最前列に二人は座る。フレイヤ・ゲイルと同様に、彼等も同日の結婚式となった事に不満は無いらしい。

 ちなみにこちらの新夫婦が嵌めている指輪は、宝石部を覆う枠同士を合わせるとピッタリ嵌まり合う様になった物だ。この指輪の製作にゼクスはかなりの時間を掛けたらしく、嬉しそうに指輪を眺めるチナリの様子を見て頬を緩めている。


 そして三組目……今回の結婚式の大トリは、ハヤテとアイネの二人だ。


 祭壇の脇に立つシオンが、三度目のアナウンスを開始する。

「それでは続きまして、本日最後の挙式となります。これより【七色の橋】所属、ハヤテ様とアイネ様の結婚式を執り行います。まずは、新郎の入場です」

 シオンの言葉を受けて、入場する扉を開くのはジンとイカヅチである。二人が扉を開けたそこにはタキシードを身に纏い、長い髪をいつもとは違いオールバックに整えたハヤテが立っている。

 背筋を伸ばして歩き出すハヤテの顔を見て、気負ったような様子は見受けられないなとジンは思う。それどころか、逸る気持ちを押さえ付けている様にも思えた。


 そうしてハヤテが祭壇まで辿り着けば、ジンとイカヅチはその場を後にする。代わりに扉の脇に立つのは、ミモリとカノンだ。新婦入場の段に扉を開く役割に、二人が立候補したのである。

「続きまして、新婦の入場です」

 シオンのアナウンスに合わせてミモリとカノンが扉が開けば、ウェディングドレスで身を包んだアイネがその姿を見せた。

 ヒメノやレン同様、和風の意匠を盛り込んだウェディングドレス。二人と異なるのは、胸元から二の腕まで施されたレースのスリーブだろう。

 自分の姿を見てハヤテの表情が変わったのを見て、アイネは薄くルージュを塗った口元を緩め微笑む。自分のウェディングドレス姿に、ハヤテが見惚れたのだと実感したからだろう。

 アイネはウェディングドレス姿を披露して十分な時間が経過したと判断して、ハヤテが待つ祭壇へと歩き始める。

 ヴァージンロードを歩くアイネは仲間達の視線を浴びつつも、その意識の全てはハヤテに向けている。


――やっと、この日が来たんだね……ハヤテ君。


 到着を待つハヤテもまた、ウェディングドレス姿のアイネに視線が釘付けになっていた。

 中学生組の中では背が高めで、手足がスラリと長い彼女だ。ウェディングドレスが似合うのは、最初から確信していた。

 しかし実際にその姿を披露したアイネは、彼の想像を超えていた。少女と女性の間を行ったり来たりする年頃という事もあり、いつも以上の可憐さと美しさを兼ね備えていた。


――こんな素敵な娘を嫁さんに出来るなんて……俺、本当に幸せ者だよなぁ……。


 そうしてアイネが祭壇の前、ハヤテの隣まで歩き終える。二人は視線を絡め合うと、互いに微笑み合う。

「マジで、凄く綺麗だよ、アイ」

「ふふっ、ありがとう♪ ハヤテ君も、とても素敵だよ」

 言葉を交わした二人は、祭壇に向き直って腕を絡ませ歩き出す。日頃から歩調を合わせて歩く二人だが、今日はドレス姿のアイネに合わせる必要がある。しかし流石というべきか、ハヤテはアイネが歩きやすい歩幅と速さで一歩ずつ、着実に進んでいく。

 完璧に、自分の歩調に合わせてくれている……それを感じ取ったアイネは、改めて思う。そんなハヤテだからこそ、自分はずっと彼と一緒に歩んで行けるのだと。それはこの仮想現実の中でも、現実世界でもきっと変わる事は無いのだろうと。


 そうして二人が祭壇の前まで進み、足を止める。牧師役を務めるのは、勿論いつも通りにユージンである。

「それでは引き続き、若き二人の結婚式の牧師役をこのユージンが務めよう」

 その言葉に続いて、ユージンは胸に手を当て一礼。それに合わせて、新郎新婦と参列者達も同様に一礼する。


「略式ではあるが、婚姻の誓いの言葉を。新郎・ハヤテ……汝は隣に立つ新婦・アイネを、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 いつもの事ながら、日頃の陽気さとは全く異なる雰囲気のユージン。

 彼の問い掛けを受けたハヤテとアイネは一瞬で、これがゲーム内の結婚式である事を忘れてしまう。それ程までに、ユージンは厳かな雰囲気を醸し出している。

「誓います」

 迷う事など、何も無い。ハヤテは本物の結婚式のつもりで、そう告げた。その宣誓にユージンは一つ頷いてみせると、続けてアイネに向けて問い掛ける。

「新婦・アイネ。汝は隣に立つ新郎・ハヤテを、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 隣に立つハヤテに向けられた言葉以上に、自分に向けられた問い掛けは厳格さを感じさせた。ユージンの真に迫るその問いに対して、アイネは真剣な表情で口を開いた。

「はい、誓います」

 そんな二人の誓いを受けて、ユージンは一つ頷いてみせた。


 この、牧師・ユージンの誓いの言葉の迫真さ……これは新郎新婦として、彼の前に立った者でなければ実感出来ないものである。

 事前にジン・ヒメノや、ヒイロ・レンからも聞いていた二人だったが……実際にその場に立って初めて、彼等の言葉が誇張ではないと実感する事が出来ていた。


 この段になって、祭壇の横に控えていたシスター・エリザベスがスッと立ち上がる。本日三度目……更に過去にはヒイロ・レンと、ケイン・イリスの結婚式にも助力して貰っている。そんな彼女なので、【十人十色ヴェリアスカラー】メンバーの結婚式のサポートに完全に慣れた様だ。

「それでは新郎新婦による、指輪の交換を」

 ユージンがそう宣言すると、手慣れた様子でシスター・エリザベスが箱を乗せたトレイを持って歩み寄る。シスターが差し出したトレイからユージンが箱を受け取り、ハヤテとアイネに向き直って二人の結婚指輪を収めた箱を開ける。


 二人の指輪はペアリングになっており、合わせると一対の鳥の羽根になるデザインになっている。その羽根の周りには、小さな複数種類の宝石がはめ込まれている。これはハヤテの指輪には三月の誕生石・アクアマリンとサンゴ、アイネの指輪には四月の誕生石となるダイヤモンドとモルガナイトだ。

 アクアマリンの石言葉は「勇敢・聡明・沈着」で、サンゴも一部が被るが「勇敢・聡明・長寿」。ダイヤモンドの石言葉は「純潔・清浄無垢・純愛・永遠の絆」で、モルガナイトは「愛情・純潔・優美」。どの石も、本人のイメージにぴったりの意味合いを持っている。


「じゃあ、お手を失礼」

 まずはハヤテがアイネの指輪を手に取って、彼女の左手の薬指に嵌める。それをジッと見つめていたアイネは、本当に幸せそうな表情で微笑んでいる。

「……とっても素敵な指輪。ありがとう、ハヤテ君」

「喜んでくれて、俺も嬉しいよ。それじゃあ……」

「うん、私の番だね」

 アイネもハヤテ用の指輪を手に取って、差し出されている左手の薬指に結婚指輪を嵌めていく。収まるべき位置にそれが収まった瞬間、式場に居る全員の耳にアナウンスが流れた。


【ハヤテとアイネが婚姻の誓いを果たしました。これより二人は夫婦となります】


 そのアナウンスが終わると、参列者達が一斉に拍手を二人に贈る。今日三回目だというのに、その勢いは前の二組と変わらない。

 そんな仲間達の様子を見つつ、ユージンは締めの言葉を口にした。

「二人の婚姻が成立した事をここに認める。新たな夫婦の門出に、創世の神の祝福があらん事を」


 全ての挙式が終わり、参列者達はそのまま教会の外へ。しばらく待って式場から出て来た三組の夫婦を、彼等は盛大な拍手とフラワーシャワー、そしてそれぞれの祝福の言葉で出迎える。

 新夫婦達は幸せそうな笑顔を浮かべ、仲間達の誰もがこの瞬間を全力で祝っていた。


「これで【七色の橋】と【桃園の誓い】には、三組ずつ夫婦が居る事になったね」

「ふふっ、良縁に恵まれるのは良い事です」

 フラワーシャワーに参加しているヒイロとレンがそう言って微笑むと、同じく参加中のジンとヒメノも頷いた。

「このゲームを始めてから、縁の深さを何度も実感させられてるよ」

「はい、私もそう思います♪」

 それは勿論、パートナーとの出会いの事だけではない。ここに集まった仲間達、一人一人との出会いも縁によるところが大きいと言える。むしろ【十人十色ヴェリアスカラー】は、いくつもの縁が集まって生まれたクランと言える。


――だからこそこうして、一生モノの縁ってやつが生まれやすいんじゃないかな。


 ジンはそんな事を考えながらもう一度、ヒメノと共に新たな夫婦達に向けて色とりどりの花弁のシャワーを贈るのだった。

サブタイトルは「私達結婚しました3」にしたかったのですが、良縁を軸に描いたエピソードなので悩んだ末にこうなりました。

そしてウォズ定期!! 祝え!!


次回投稿予定日:2025/7/30

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― 新着の感想 ―
3組共に お幸せに そして ギル サブマス復帰 おめでとう
普段の少年少女組もてぇてぇけど、大人組の結婚にはまた別の深みがある! しかしアークに遠回しアピールはまだ無理なんだ…直球でやっとなんだw
「無論、ベイルだろうな」の直後、周りから(お前さぁ・・・)な目を向けられてほしいw
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