04-07 ギルド活動始めました
AWO第一回イベントから一週間後の、月曜日。
初音女子大学付属中等部に通う星波姫乃は、普段通りの学園生活を送っていた。今は昼休みで、いつもの面々で昼食をとっている。そのいつもの面々に初音恋が居るのにも、慣れた今日この頃だ。
「へぇ、VRゴーグルって意外と軽いんだ?」
「まぁ、頭に付ける物だもんね。初音さん、ファーストインテリジェンスでも製作しているんですよね?」
「えぇ、新田さん。父の会社もVR技術に力を入れているの。もっと小型化できたら、姫ちゃんにテスターをして貰うのも良いかもね?」
「うん、恋ちゃん。私で力になれるなら、喜んで引き受けるよ!」
近頃、姫乃と恋の仲が良くなったのは知っていたクラスメイトたち。しかしちゃん付けに敬語なしとなるとは、予想もしていなかった。
少し距離を感じてしまうものの、二人にそんなつもりは無い。その為二人は、昼食を共にするクラスメイト達にも、同じ様に接するようにした。
最も、この急展開にクラスメイト達が慣れるのには、まだまだ時間が必要そうである。
そんな昼下がりの事である。
「あの、星波さん……それに、初音さん。二人にお客さんが……」
姫乃と恋を、誰かが訪ねて来たらしい。二人は顔を見合わせ、首を傾げる。
「解りました」
「ありがとうございます、佐々木さん!」
「いえいえ」
VRゴーグル越しでも、姫乃が笑顔で礼を言っているのは伝わっている。その為、クラスメイトの佐々木さんも笑顔で返した。
友人達に断りを入れて、姫乃と恋は連れ立って廊下へ向かう。そこには、一人の少女が佇んでいた。
長い黒髪に、スラリと伸びた手足。切れ長の瞳をした美少女で、日本人形の様な美しさを感じさせる。
「突然、ごめんなさい。初音さん、星波さん……少しだけ、お時間を頂けますか?」
そう言って、少女は頭を下げる。
「私は構いません……姫ちゃん、どう?」
「うん、私も大丈夫。あ、廊下で立ち話もなんですし、場所を変えますか? えっと……」
初対面の少女に、姫乃はどうしたものかと言い淀む。それを察した少女が、自ら自己紹介をした。
「それじゃあ、お言葉に甘えて……私は初音さんと同じクラスで、【巡音 愛】と申します。その、テラスの方でお話をさせて頂いても?」
「はい、巡音さん。構いませんよ」
「それじゃあ行きましょうか」
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同じく、昼休みを送っているのは仁達も同様だ。
数々の苦楽を共にした仁と英雄は、自然と昼食を共にするようになった。それを不思議に思う生徒も居るのだが、二人は同じ中学出身だと知られている。すぐにそれが日常として、受け入れられていった。
「いよいよ、今日だね」
「あぁ、しかし土地と名前がなぁ……」
二人が話しているのは、勿論AWOの話題。いよいよ今夜、自分達のギルドを結成出来るのだ。
しかし、問題が二つある。一つはギルドホームの土地がまだ、決まっていない。もう一つは、ギルド名である。
「今あるのが【聖光の騎士団】に【森羅万象】……この二つが、大手どころだね」
「他は中小規模かな? どれどれ……【遥かなる旅路】に【漆黒の旅団】? うわっ……【リリィちゃんファンクラブ】なんてある……」
携帯端末で、今あるギルド名を確認する二人。最後のは当然、非公認なのは言うまでもない。
「最近、【ヒメノちゃんを見守る会】が生まれたんだ」
真顔の英雄に、仁は見付けたモノを口にしていいか迷う。しかし、言わずにはいられなかった。
「ねぇ、【レン様に仕え隊】っての見付けた……」
「ギルド対抗のイベントがあるなら、潰そう」
恋心を自覚した英雄、少々はっちゃけ気味である。
「しかし、どうしようか……何かいい名前はある?」
「僕達のイメージだと、やっぱり和風なんだろうけど……あまり安直過ぎるのもなぁ……」
考えに行き詰まった二人は、なんとなく窓の外へ視線を向ける。するといつの間にか、雨が止んでいた。
「あ、雨上がったね」
「うん、通り雨だったみたいだねぇ」
仁としては、雨が上がってくれてありがたい。杖をつきながら歩くので、片手が傘で埋まってしまうとそれなりに大変なのだ。
すると仁は、空に虹が掛かっているのに気付いた。
「虹かぁ……あっ」
虹の色を見て、仁はある事に気付いた。紫・藍・赤・青・緑……橙と黄色はまだ無いが、虹の色は自分達との共通点があったのだ。
「仁?」
「ねぇ、英雄……こういう名前はどうかな」
仁の提案は、英雄によって姫乃と恋にメールで伝えられた。そして恋から鳴子へとそれが伝わり、満場一致で採用される事となった。
……
そんな二人とは異なり、学食で食事をする二人の生徒がいる。一人はギルバートこと鳴州人志、もう一人はライデンこと倉守明人という。現実では平凡な学生である二人だが、VRゲームでは有名な存在だ。
「レンちゃんとシオンさん……それにヒメノちゃんか。あの三人は、絶対に【聖光】に引き込みてぇな」
こちらも、話題はAWOである。
「僕は忍者と鎧武者が気になるね。ジンさんとヒイロさん……ヒメノさんも含めて、今まで無名のプレイヤーだろう? どうしたら、そんなに急激に強くなれたのかな」
「ヤローに興味ねぇし。細かい事は、軍師殿に任せるよ。俺は女性に愛を囁くので忙しいから」
――シルフィさんには、フラレてたよね。
心ではそう思うが、口には出さない。そんな事を言えば、この男は臍を曲げるからだ。
「しかし、あの二人……どっかで見覚えがある気がするんだけどな……」
ヒイロは頻繁に画面には映らなかったし、ジンはマフラーで口元を隠していた。その正体がクラスメイトだという事に、二人は気付けていなかった。
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放課後、仁は真っ直ぐに帰宅する。
英雄には、姫乃の迎えに同行してはどうか? と誘われてはいるのだが、今はまだ足が時折痛むのだ。もしそうなれば、英雄と姫乃に迷惑がかかる……だから、もう少し落ち着いたら……と辞退していた。
帰ったら、まずは勉強をする。元々は陸上競技に打ち込む為に、そして今はAWOを大いに楽しむ為に、授業に加えて日々の予習復習は欠かさない。
そして父親の帰宅を出迎え、母親が作ってくれた夕飯を食べ、風呂に入ってストレッチ。その後で、仁はAWOにログインする。
これが、ここ最近の仁の日常だ。
仁がAWOをやる事に、両親は反対していない。それどころか悪い成績を取ったり、金遣いが荒くなったり等の悪影響が無いならば、存分に楽しんで欲しいと考えていた。
その理由はやはり、彼が陸上競技を辞める切っ掛けとなった事故に起因する。陸上が出来なくなった仁は、塞ぎ込みがちになっていたのだ。
しかしAWOを始めてから、仁は笑顔が増えた。加えてこれまで以上に、勉強もしっかりやろうと努力している。その姿を見て、良い影響があったのだろうと両親は考えていた。
「仁、同じ学校の……星波君か、彼と一緒にゲームをしているんだろう?」
「うん。英雄は本当に良い人だよ」
「確か、仁のお見舞いにも来てくれていたわね……今度、家に連れて来たらどう?」
「うーん……平日は妹さんの送り迎えがあるから、休みの日になると思うけど……一応、英雄に話してみるね」
同じ学校の友人と一緒に、AWOをやっている。その事は、両親にも伝えてある。最近の仁は、英雄の事を嬉しそうに話すのだ。両親としては嬉しそうな仁を見て、AWOとVRドライバーを買って良かったのだという思いである。
そうして夜の七時半頃。仁は今日もあの異世界に赴くべく、VRドライバーへと向かう。しかし、今日はそんな仁の足を止める出来事があった。
「仁ー?」
母親が、自分を呼ぶ声がする。VRドライバーに腰掛けるのを止め、仁は扉へと向かう。
「どうかした、母さん」
返事があった為、仁の母親は部屋の扉を開ける。その手には、コードレスの受話器が握られていた。
「電話よ。隼君から」
「おっ? 隼から?」
仁は、受話器を受け取って話しかける。
「もしもし? 仁だけど。久し振り、隼」
電話の相手は、【相田 隼】。彼は仁にとって、二人いる母方のイトコの片割れである。ちなみに父方にも、同い年のイトコが居る。
隼は母の妹の息子であり、仁よりも一つ年下の少年であった。
『仁兄、久し振りッス! 足の具合、どうッスか?』
彼は昔から仁を”仁兄”と呼び、慕ってくれている。陸上の大会にも隣の県から応援に駆け付け、事故の際には気遣って話し相手になろうとわざわざ見舞いに来てくれていた。仁としても、本当の弟の様に大切にしている存在だ。
余談だがもう一人の母方のイトコは遠方に、父方のイトコは二つ隣の県に住んでいる。その為、隼ほど頻繁に顔を合わせる機会には恵まれていない。
「ありがとう、隼。今のところは落ち着いているよ」
『それなら良かったッス!! それで、仁兄? ちょっと質問があるんスけど』
特徴的な口調で話すのは、ここ最近……二年前、中学に入学してからだな。なんて仁は感慨に耽る。しかし、可愛い従兄弟からの質問である。ちゃんと聞かなければと、気を取り直す。
「うん、大丈夫だよ。何かな?」
隼が自分に質問だなんて、珍しい。そう思いつつ、仁は返事を返したのだが……隼からの質問は、予想外の質問だった。
『仁兄、あの和装ってどこで手に入るんスか?』
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そして一時間後、AWOにログインするジン達。始まりの町にある宿屋の一室に、彼等は集まっていた。
「えー、という訳で……第一回ギルド会議を始めたいと思います。いくつか決めるべき事があるんですが……まず、お二人。自己紹介をお願いします」
こういうのは、やっぱり男の子からだよね? という表情で、ヒイロがとある少年に視線を向ける。
「はいッス!! 俺は【ハヤテ】って言います。ジン兄の従兄弟ッス!!」
ビシッと敬礼して自己紹介をする、隼ことハヤテ。
オーソドックスなチュニックとパンツの上に、金属鎧を着込んでいる。剣と盾を装備している事から、前衛職だという事がすぐに解るだろう。
髪型は、アシメントリーの赤茶色の髪。前髪で右目が隠れているのが、特徴的だ。歳が近いからか、体格もジンやヒイロと同程度。ジンよりは多少、細身な印象を受ける。
寺野仁が”ジン”である事を、ハヤテが知った理由。それは第一回イベントの動画である。
縦横無尽に駆け回り、二刀の小太刀でモンスターを攻撃する忍者。髪形は違うが、仁にそっくりだと気付いたのだ。
その後、何度も動画を見返したハヤテ。どう考えても忍者は従兄弟にしか思えない。そこで今夜、AWOにログインする前にジンに直接切り出してみる事にした……そして叶うならば自分もジン達のパーティに入りたい、と相談したのだった。
「私は【アイネ】と申します。レンさん、ヒメノさんと同じ学校に通っております。どうぞよろしくお願い致します」
そう言って、綺麗なお辞儀をしてみせる愛ことアイネ。
彼女も店売りのオーソドックスなチュニックとスカート姿で、皮鎧を装備している。背中に背負っているのは長槍だ。
キリリとした切れ長の瞳は、透き通る様な琥珀色。黒く長い髪をポニーテールにしており、おしとやかながらも快活そうな印象を与えていた。身長はやや高めだが、年相応の丸みを帯びた体型をしている。
彼女が星波姫乃と初音恋に気付いたのも、ハヤテ同様に例の動画である。
自分の通う学校で、本物のお嬢様として有名なレン。盲目だが、そんなハンデに負けずに就学しているヒメノ。彼女達の学校内において、二人はそれなりに有名な生徒なのである。
同じ学校、同じ学年の二人の少女が、同じゲームをプレイしている。すぐにその事に気付いたアイネは、何度も声を掛けようとして……しかし、躊躇っていたそうだ。
そうこうしている内に、数日が経過。しかし一度芽生えた好奇心は拭えず、意を決して今日こそはと声を掛けたのだ。
ハヤテがジンに電話をした日と、アイネがヒメノ・レンを訪ねた日が同じ日になったのは偶然。更には、ジン達がギルドを結成する日になったのも偶然だ。
「それで、二人はこのパーティに参加したいんだね?」
ヒイロの言葉に、二人ははっきりと頷いた。
「はいッス! ジン兄と一緒に遊びたいし、皆さんと仲良くなりたいッス!」
「私も同じです。はつ……いえ、レンさんとヒメノさんとお友達になりたくて……それにこのパーティは仲が良さそうでしたから、楽しくゲームが出来ると思いました」
二人の本気の言葉に、ヒイロは笑顔で頷いた。
「それじゃあ、二人がメンバーに加入する事に異議は?」
答えは解り切っていたが、ヒイロはそれでも念の為と仲間達に視線を巡らせる。
「あるはずが無いよ」
「私は大歓迎です!」
「お二人の加入に賛成します」
「私に異論はありません」
ジン達の答えに、ヒイロは満足そうに頷く。そんなヒイロは二人に視線を向けて、笑顔で声を掛けた。
「だそうだ。勿論、俺も賛成だね。これからよろしくね、二人とも」
こうして、満場一致で二人の加入が決定した。
……
ハヤテはレベル20のオーソドックスな戦士職で、武器は片手剣とラウンドシールド。アイネはレベル18の槍使いで、長槍を得物としている。防具は二人とも、店売りの一般的な物だ。
「またユージンさんに依頼が増えちゃうね」
「今回の製作で、ユージンさんも忙しそうだし……とりあえず、メンバーが増えた事だけメッセージしとく?」
「それが宜しいでしょう。メッセージは私から入れておきます」
シオンにユージンへの連絡を任せ、ジン達は自分達の事に付いて二人に説明する。
ジン達の保有しているユニークスキルや、PAC達の事。それに同盟を組んでいるケイン達や、仲の良いレーナ達の事等、生産職人ユージンの事。
ジン達を取り巻く環境について、話す事はたくさんあった。
「あの中華風の装備の人達が、ケインさん達ッスよね?」
「そこに、ダイスさんとフレイヤさんが加入するんですね……有名な方々ですから、私もお名前は聞いた事があります」
「すぐに会えると思うよ。皆、良い人達だ」
「ねー。僕達の作るギルドとは、協力関係になるんだよ」
そうこうしていると、シオンのメッセージにユージンから返答が入った。
「……成程。皆様、ユージン様からのお返事が入ったのですが……」
その内容は「明日ならば時間がある」との事であった。大量の製作依頼を受けているのだが、時間が本当にあるのであろうか?
ともあれ、明日の予定が一つ決定。ユージンへの新メンバー紹介である。
すると今度は、ヒイロにメッセージが届いた。送り主はケインだ。
「おっ、騎士団詰め所に行って来たって! 今ならそんなに人は居ないみたいだよ」
「それでしたら、今から行きましょうか」
騎士団詰め所に向かうのは、ギルドマスターだけで問題は無い。しかしながら、レンは同行するつもりらしい。
「この際、全員で向かいますか?」
シオンの提案に、ジンとヒメノは笑顔を浮かべる。
「そうですね、僕も一緒に行きたいかな」
「私も賛成です!」
ジンとヒメノは賛成らしい。後は、新メンバーの二人だ。
「二人はどうかな?」
ヒイロに声を掛けられた二人は、笑顔で頷いた。
「大丈夫ッス!」
「はい、問題ありません」
……
始まりの町は、今日もプレイヤーで賑わっていた。大半のプレイヤーは、ようやく第一回イベントの余韻から冷めていた。クエストをこなしたり、レベリングをしたりと様々な活動をしているらしい。
「北東の森にある、あの石扉……どうやったら開くんだろうなぁ」
「何かありそうだけどな、うんともすんとも言わねぇ」
「どなたか、パーティに空きはありませんかー? レベル21の盾職ですー!」
「支援職募集してまーす!」
「どなたか《翡翠色の輝石》を売って頂けませんかー?」
「[巨兵の安置所]レベリング、空きあと一人!」
そんな賑やかな光景に、ジン達は顔を綻ばせながら歩いていく。当然、変装済みだ。残念ながら、PACは目立つのでお留守番である。
「ハヤテさんは、どこのサーバーが拠点だったんですか? 私は[アロガンス]でした」
「俺は[マリス]だったッス! [アロガンス]だと、確か【遥かなる旅路】の本拠地があるッスよね?」
「はい。始まりの町の中に、大きなギルドホームがありますよ」
新メンバー二人は同時に加入した事もあって、連帯感のようなものがあった。お陰で、和やかに会話を交わしている。年齢が一つしか違わない事も、理由の一つだろう。
「ジンさん、今日は良いお天気ですよね」
「そうだね……雲一つ無いや」
普通に話しているように見える、ジンとヒメノ。しかし、その距離感が近いのか近くないのか判断しにくい。
というのも、先日の男女別恋バナ。あれが原因で二人は互いを意識してしまい、当たり障りのない会話ばかりになってしまっていた。
逆に、ヒイロとレンはと言うと……。
「あとはギルドホームの土地ですね」
「うん、皆でフィールドを回ってみようか」
ヒイロはギルドマスターの役割を全うすべく、考えを巡らせている。レンが好きだと自覚したヒイロ、情けない所は見せられないと気合いを入れていたのだ。
そんなヒイロの内心は知らずとも、レンはヒイロが更に男を上げている様子にキュンキュンしていた。そして、レンはこう思うのだ……負けられないと。ヒイロに見て貰うのは、常に最高の自分でありたいのだ。
似た者同士であった。
シオンはそんな六人の少年少女の様子に、あぁ春だなぁ……と、遠くを見ていた。まぁ、自分は保護者ですし? でも出会いはほすぃ。
……
ようやく辿り着いた、騎士団詰め所。幸いな事に、他のプレイヤーは居なかった。
「よし、それじゃあ……」
ヒイロが代表して持っているアイテム。それを、騎士団の団員NPCに差し出す。
「ギルドを設立します。これが設立許可証です」
ヒイロが差し出した設立許可証……それは集めた素材で製作した、木の板と金属のプレートで出来たA4サイズのアイテムだ。その枠縁にあたる部分には、複雑な紋様が描かれている。枠に囲まれた中央部分には、金属製のエンブレムがある。これが≪ギルドクレスト≫だ。
「うむ、確かに。よろしい、新たなギルドの設立を認めよう。それでは、ギルド名を記入したまえ。それで、手続きは完了だ」
騎士団員の言葉に、ヒイロが頷く。設立許可証をタップすると、ウィンドウが展開される。そこにキーボードで、ギルド名を入力していく。
入力されたのは【七色の橋】……それが、彼等の結成する新しいギルドの名前だ。ギルドクレストの中央に、アルファベット文字が自動で彫り込まれる。綴りはそのまま、【Seven colors bridge】だ。
「うむ、確かに……それでは、新たなギルドの設立を祝おうではないか」
そう言うと、騎士団員が徐に立ち上がる。
「祝え! 全ての大陸を駆け抜け、冒険者の魂をしろしめす新たなギルド。その名も【七色の橋】……正に誕生の瞬間である!!」
何か叫んだ。叫んでいた。いや、祝っていた。
「え、どこの予言者?」
「その内、白い同一人物が出そうだ」
「その上、変身しそうッスね」
この人、これを毎回やるのかな? そんな事を気にしてしまう男性陣であった。
とりあえず、運営はアホだと確信したジン達であった。
ギルド設立のタイミングで、新メンバー参入です。
ジンの従兄弟であるハヤテは、プロット段階から加入する予定でした。
アイネはギルド名を決めた時に、加入決定となった登場人物でした。
そのため、前振りも何も無い状態になってしまったのが悔やまれます……。
ともあれ新たな仲間達が加わり、ギルド【七色の橋】結成となりました!
今後の活躍に御期待下さい!
そしてやってみたかったウォ●。
次回投稿予定日:2020/8/1