18-27 それぞれ活動しました
四百三十階層……とあるマッチングパーティが解散したところで、その場に残った一組の男女は溜息を吐いた。
「エル、大丈夫か?」
「ちょい休憩……戦うよりも、マッチングした相手の応対に疲れた……」
貼り付けた様な笑顔をやめたエルリアが、素の表情でもう一度盛大な溜息を吐く。その様子を見て、タイチは内心で彼女を一人でマッチングさせるべきではないと改めて確信していた。
というのもエルリアは、可憐な容姿と気さくな性格の持ち主だ。実年齢よりも若く見られるのが本人にはコンプレックスらしいが、それを差し引いても美少女である。
そんな彼女とマッチングした男性は、意図的か無意識かはさておき何かしらのアピールをする傾向が多かった。その隣にタイチが居るにも関わらず、だ。
そうなった理由の一端は、タイチがかつて在籍していたとあるプレイヤーと親密だった事が挙げられる。暗黙の了解、公然の秘密……誰がどう見ても、相思相愛の仲である二人。そのプレイヤーがある事件で退場した後も、そういった印象は今も尾を引いていたのである。
エルリアとしては、未だに外部ではそういう認識である事が若干ではあるが腹立たしかった。同時にタイチも、目の前でエルリアにアピールする男性プレイヤーを目の当たりにして不思議と苛立ちを感じていた。
「ったく、こっちは真面目に攻略してぇってのによ……っと、エルが悪いとは微塵も思ってないからな?」
「解ってるよーだ……タイチ兄がいなかったら、もっとあのおサルさん達の相手する羽目になってたね」
そう言いながら、エルリアはシステム・ウィンドウを開く。彼女はこうして、小休止の度に真新しい情報が無いかチェックするのだ。
タイチもそれに倣って、掲示板を開き新情報の有無を確認し始め……そして、エルリアの発言に言及する。
「おサルってお前……いやまぁ確かに、下心がありそうなのが多かったが。今のAWOの感じだと、自分もワンチャン! とか考える、夢見てる連中が多そうだよなぁ」
「ビッグなカップルが多いもんね~、AWOは。しかも結婚済みで名前が知られている人達も、有名どころ」
その内の一組は、自分達のギルドのトップである。同時に友好的な関係にあるギルドの、極振り夫婦にギルマス夫婦……そしてフリーランスの、謎めいた夫婦も有名か。
「ま、俺がちゃんと隣に居るから。変なヤツは近付けさせねぇよ」
「頼りになるぅ。おっと? ね、タイチ兄。これこれ」
エルリアは隣に居るタイチの腕に自分の腕を回し、抱き寄せる様にする。アピールの一環ですね、解ります。
「おい、ちょ、おま……」
「これこれ、【七色の名無し】だって!」
その固有名詞を耳にして、タイチは一瞬で思考を切り替えた。腕に感じる柔らかい感触について物申したい想いはあったが、同時に【七色の名無し】という名前は無視できない存在だから。
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880 七色の名無し
はい皆さんこんばんは! 耳より情報をお伝えするッスよ!!
やっぱり四百階層のボスには苦戦してるッスかね?
てな訳で攻略情報が解ったので、共有するッスね~!!
つよ~いアークエンジェルの秘密は、【変身】と同じAPらしいッス!!
すると攻略法は、APを削った後に全力攻撃ッスよ!!
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「……あー、これハヤテ君本人だな。間違いない」
「うまいこと文章考えるもんだねぇ……縦読みで『ハヤテッス』になるじゃんこれ」
即座にハヤテの遊び心を看破した二人の表情は、明るいものに変わっていた。二人は四百階層のSABは一旦置いておき、まずはもう少し先を目指してみるという方針を取ったのだが……攻略法が解った以上、試さずにはいられない。
「ちょーど、先に進むか四百階層に行くか迷ってたんだよなぁ」
「いい情報提供があった事だし、これは行っちゃいますかぁ」
不敵な笑みを浮かべる二人は、マッチングシステムを起動。攻略階層は三百九十階層……四百階層のアークエンジェルに狙いを定めていた。
そうして転移した先に居たのは……丁度今、話題になっていた少年だった。その隣には、黒髪ポニーテールの美少女が同行している。
「およ? タイチさんにエルリアさんじゃないッスか」
「こんばんは、お二人共。マッチング、宜しくお願いします!」
そこでタイチとエルリアは、挨拶の事すらすっぽ抜けて「おや?」と首を傾げた。
「あれ……ハヤテ君、四百階層を突破済みじゃなかったのか?」
「掲示板を見て、私達もマッチングシステムを起動したんだけど……」
二人がそう言うと、ハヤテは苦笑して頭を搔く。
「あの情報の出所、ジン兄とヒメさんッス。二人から、情報公開を頼まれたんスよ」
「「あー……」」
ハヤテの返答に、二人は光の速さで納得した。それはあまりにも、圧倒的な説得力のある名前だったのだ。
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「あらよっと!!」
軽やかに身を翻した青年が、右手に握りしめた武器を突き出し……そして、引き金を引く。発砲音と共に銃口から吐き出されたのは、弾丸だ。
その弾丸がボス……アークエンジェルの胸元に命中し、APを吹き飛ばす。
「良くやってくれた、ヴェイン!! 【ミリオンランス・グングニル】ッ!!」
速攻でアークエンジェルを捉えられる位置まで駆け抜けたギルバートは、決着を付けるべく必殺技を繰り出した。彼の編み出したこの必殺技は、四百階層のアークエンジェルに対して非常に有効だ。武技の威力と武装スキルの威力が同時に、それも何発も打ち込まれる。実に、必殺技という呼び方がピッタリな技である。
――流石ギル……私も頑張らなくちゃ……!!
そんなギルバートの勇姿を見て、気合いを入れるのはバーベラだ。手にした弓に矢をつがえ、狙いを定めて武技を発動させる。
「【スパイラルショット】!!」
ギルバートの攻撃が終了するタイミングにドンピシャで、最も効果的な武技を叩きこむバーベラ。その威力は並程度だが、APを剝がされたアークエンジェルにはしっかりとダメージを与えている。
「オーケーオーケー、バーベラさん良いよ!」
ヴェインはバーベラを褒めると同時に、リボルバー銃を構え引き金を引く。ギルバートとバーベラ、そして残る二人の攻撃の間を埋める様にしての攻撃だ。
そんな三人と同行しているのは、【白銀の聖剣】のメンバー二人。彼等はギルバートとヴェインの実力に加え、バーベラの安定した立ち回りや射撃の技量に舌を巻いていた。
バーベラの事は、彼等もよく知っていた……きっかけは勿論、【暗黒の使徒】との一件である。ひと月前に発生したその一件で、彼女がゲームを始めたばかりの初心者であると彼等は思っていたのだ。しかし実際にその戦い振りを見てみると、自分達のギルドの弓職とそう変わらない程の腕前だったのだ。
事前にヴェインから戦い方について指導されていると聞いていたが、ここまでの実力を兼ね備えているとは思いもしなかったのである。
負けていられないと、【白銀の聖剣】の二人も気合いを入れ直す。五人の攻勢は功を奏し、アークエンジェルが倒れたのは戦闘開始から十九分五十秒のことだった。
「ふぅ……三回目にしてようやく、SABゲットだねぇ」
「我々はまだ早い方ではないかな? ヴェインが【変身】と似た性能だと気付かなかったら、あと何回繰り返しても二十分は切る事が出来なかっただろう」
「そうね、ギルの言う通りだと思います。流石ですよ、ヴェインさん!」
ギルバートとバーベラがそう言うと、ヴェインはへらっと笑って頭を搔く。
「はは、ちったぁ師匠らしいところ見せられたかねぇ」
「勿論! 流石、私のお師匠様です!」
そんなやり取りを見ていた【白銀の聖剣】の二人は、バーベラの急成長の理由がおおよそ理解できた。
――あのヴェインに付いていける初心者……? この娘、もしかしてかなりヤベェ存在なんじゃ……。
――ヴェインの弟子……この娘、絶対にすげぇプレイヤーになるぞ……!!
「これで、四百階層の攻略法も判明したな。情報を公開するかね?」
ギルバートがそう言うが、ヴェインは苦笑いして首を横に振る。彼は攻略完了と同時に掲示板を開いて、ざっくりとではあるが目を通していたのだ。
「御友人に、先越されちまいましたよ」
そう言って、ヴェインが可視化設定にしたシステム・ウィンドウをギルバート達に見せる。表示されているのは勿論、【七色の名無し】の書き込みだ。
「……成程。まったく、本当に疾きこと風の如くだな」
言葉だけならば呆れたかのような物言いではあるが、ギルバートの声色と表情は柔らかいものだ。その言葉には好敵手に対する敬意の念……そして親友に対する、親愛の念が込められていた。
そこで、バーベラと【白銀の聖剣】の二人が首を傾げる。
「情報を公開したのは、あのハヤテ君っていう子だよね? 何で、ジン君だと思ったの?」
そんなバーベラの素朴な疑問に、ギルバートとヴェインは苦笑いを深めて応えた。
「「それはまぁ、あの忍者だからさ」」
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同じ頃……こちらでも[試練の塔]四百階層で、アークエンジェルとの戦いを繰り広げる一団が居た。
「見切った……【一閃】!!」
アークエンジェルの攻撃を紙一重で避けて、カウンター気味に一撃を叩きこむのは黒髪の男性……【忍者ふぁんくらぶ】創設者にして、サブマスターを務めるコタロウであった。
彼が繰り出したその一撃で、アークエンジェルはAPを失い素体が露となった。これは勿論、彼がAPを削る事に集中して攻撃していた結果である。
「で、こっからは分業だ!! 行こうココロ!!」
「ん、行こっか。じゃ、削りはお任せしますね」
イズナは愛用の≪シュリケンシューター≫で、ココロは≪打刀≫でアークエンジェルに果敢に攻撃を打ち込んでいく。アークエンジェルが復帰して、次の形態変化までの時間を稼ぐ算段だ。
コタロウ・イズナ・ココロの連携を見て、動き出したのは今回マッチングした相手である。
「ここまでお膳立てされちゃあ、気は抜けねぇな!」
「そうね、クリムゾン!」
直剣を携えてアークエンジェルに斬り掛かるクリムゾンと、スカーレット。【忍者ふぁんくらぶ】の三人がマッチングしたのは、ギルド【真紅の誓い】のギルマスコンビだ。
「受けてみなさい……【ブレイドダンス】ッ!!」
気合い十分の様子で、スキル【長剣の心得】の奥義を繰り出すスカーレット。彼女の剣がアークエンジェルの身体を斬り付ける度に、そのHPがグングンと減っていく。
スカーレットの攻撃が終わると同時に、攻撃を引き継ぐのはクリムゾンだ。それはスカーレットの技後硬直が始まる瞬間であり、絶妙なタイミングである。事前の打ち合わせも無くそれをやってのける事から、二人の連携が高レベルである事が伺える。
「【デストラクトスラッシュ】!!」
渾身の一撃がアークエンジェルに叩き込まれ、そのHPが尽きる。
「よっしゃ!!」
「時間は……やった、いけた!!」
攻略時間は十九分四十三秒……彼等は無事に、SAB達成を果たす事が出来たのだった。
「ふぅ……ありがとな、【忍者ふぁんくらぶ】の御三方。お陰で、ようやくSABゲットだったぜ」
「それはこちらこそと言わせて頂く。クリムゾン殿とスカーレット殿のお力添えがあってこそ、この成果が得られたのは間違いない」
クリムゾンの謝意に対し、コタロウは笑みを浮かべて感謝の言葉を返す。その会話は互いに好感を覚えるもので、実に良好な雰囲気である。
「サポートがどれも的確で、めちゃくちゃ戦いやすかったわ。また一緒に攻略したいわね」
「スカーレットさんにそう言って頂けると、嬉しいですね」
「私らも、是非また一緒に戦りたいですよ~!」
女性陣も女性陣で、笑顔を交換しながら和やかな会話を楽しむ。こうして別々の所属であるプレイヤー同士が、交流を深められている。この光景を見れば、今回のイベントを企画した運営チームも満足感を覚えるだろう。
そして今現在、四百階層の攻略に乗り出したプレイヤー達は少なくない。勿論そのきっかけは、ハヤテによる情報公開を受けてだ。
四百階層でSABを逃し、一旦は先を目指した者達……もしくはSABを得るべく繰り返し挑む者達が、今この階層に集中している。
そして、プレイヤーレベルやスキル熟練度の成長度合いが近いプレイヤーがマッチングしやすくなる……それが、今回のマッチングシステムの仕様だ。つまりトップランカー達がこぞって挑戦に乗り出し、様々な組み合わせで激戦を繰り広げているところであった。
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一方その頃、【森羅万象】のギルドホーム。四百階層の攻略法について情報が公開されたにも関わらず、幹部の大半がギルドホームに集まっていた。不在なのはアーサーとオリガ、そしてラグナである。またそこには、【陽だまりの庭園】と【朧月夜】のギルマスコンビも同席している。
その理由の一つは、イベント攻略の裏で進めていたある作戦行動が佳境を迎えようとしている為だ。
「ハルのお陰で、妖精に出会えた。そして念願の、≪水精霊の忘れ物≫を入手する事に成功したか」
クロードがそう言うと、メンバー全員が満足そうな表情で頷く。彼女達は今夜、イベント攻略ではなくエクストラクエストに挑んでいたのだ。
「≪ギルドクレスト≫の素材を手に入れられるマップに、精霊クエストのキーアイテムが手に入るエクストラクエストが隠されている。その予想は、これで更に真実味を帯びたわね」
「【十人十色】と【導きの足跡】、そして【騎士団連盟】も同じ様にキーアイテムを手に入れたのだものね」
ナコトとノミコがそう言って、シンラの手にしているアイテムに視線を固定する。水の球体であるそれが、どんな効力を持つアイテムなのかは水の精霊に会ってみないと解らない。
ちなみに彼女達の言葉で解る通り【騎士団連盟】も、精霊クエストのキーアイテム≪雷精霊の宝≫を入手する事に成功していた。AWOにおいて知名度の高い勢力である三つのクランが、マップ浄化クエストに王手をかけている状態である。
「えぇ、あちらは明日にでも、エクストラクエストに挑むそうよ。二日連続になるけれど、今夜のクエストは然程消耗せずに済んでいるわ。我々もいよいよ明日……【猛毒の沼地】の浄化を敢行するわよ」
シンラが真剣な表情でそう告げると、部屋の扉がノックされた。そこに近かったアイテルが扉を開けると、そこにはアーサー達が立っていた。
「お疲れ。面接、終わったぜ」
アーサーとオリガ、ラグナが部屋に入り、その後に続くのは一人の青年だった。彼は幾分緊張気味であるものの、背筋をしっかり伸ばして堂々としていた。
「お疲れ様~。疲れているのに悪かったわね、三人共~」
「いえいえ! シンラさんからの指示とあれば、いくらでもこれくらい!」
真っ先に返答するオリガに苦笑しつつ、シンラは青年に視線を向け……そして、アーサーに視線を戻す。
「それで、結果はどうかしら~?」
そのシンラの問い掛けに、アーサーはフッと笑みを浮かべて頷いた。
「良いと思うよ。このザックスさん、真面目にゲームをプレイしてる人だと考えてオッケーっぽい」
そう、彼等はギルド加入希望者の面接を行っていたのだ。そして、加入を希望したのはザックス……第四回イベントで、仮設ギルドAに参加していた青年である。
「そう~あなた達がそう言うなら、大丈夫そうね~。ところでザックスさんは、何故数あるギルドの中でウチへの加入を希望したのかしら~?」
三人の面接は終わったが、最終面接があったらしい。ザックスは表情を引き締めながら、真っ直ぐにシンラを見返し答えた。
「俺……いや、私は第四回イベントでは仮設ギルドAに参加していて、こちらのギルドと戦う機会がありました。敗北はしたものの、堂々と戦うクロードさんやナイルさんを見て……背中を預け合える仲間が居るのならば、こういった人達が良い。この人達と、【森羅万象】と共に歩みたい。そう思ったのが、最終的な理由です」
そう告げたザックスの目を見て、シンラは満足げに頷く。
「成程ね~」
――私や他の子達に対する視線に、いやらしさは無い。緊張気味ではあるけれど、はっきりと自分の考えを口に出来る。そして今言葉を口にする中で、言い淀んだり誤魔化す様な感じは無い。恐らくこれは、彼の本心でしょう。
スパイ騒動の件があってから、【森羅万象】は……というよりも、多くのギルドが新規加入者を受け入れるかどうかについては、慎重になっていた。それは当然だろう、誰も好き好んで獅子身中の虫を受け入れたくはない。
そして【森羅万象】の場合は、こうした面接を行って人間性を判断する様にしていた。しかしながら多くのプレイヤーが、何かしらの下心を抱いていたのだ。シンラや他のメンバーに、お近付きになりたい……トップギルドの幹部になって有名になりたい……そういった考えのプレイヤーが、大半である。
そして、そんなプレイヤーに比べてザックスは遥かに良い印象だった。
ちなみにザックスの言葉は嘘ではないが、下心ゼロパーセントという訳でも無い。内心ではクロードとお近付きになりたい、という想いもある。
ただそれ以上に本気で【森羅万象】の仲間に加わり、共に助け合いながらゲームをプレイしていきたいという想いが強いだけだ。それだけでも、下心マックスなプレイヤーよりはマシだろう。
ザックスの評価を終えたシンラは椅子から立ち上がり、仲間達に視線を巡らせる。
「それじゃあ、皆~? 私はザックスさんを【森羅万象】に迎えようと思うけれど……良いかしら~?」
その言葉に、反論する者は居ない。他のメンバーも、今まで面接にやって来たプレイヤーとザックスは違うと判断したらしい。
「ふむ、決まりだな。ギルドのメンバーに迎えるにあたり、色々と説明する事は多いが……それについては、私と弟が担当しよう。良いな、アーサー」
「おう、問題無いぜ。宜しくな、ザックスさん」
「了解した。こちらこそ宜しくお願いします、クロードさん、アーサーさん」
「あはは、ザックスさんは俺より年上だよな? なら呼び捨てとか、君付けで良いって!」
「……ありがとう、ではアーサー君と呼ばせて貰うよ」
「ギルドメンバーとしての装備については、後で担当の生産職の所に案内しよう。個人個人で、好みもあるだろうからな」
「それはありがたい。皆さん、これからどうぞ宜しくお願いします」
ザックスは満足感を感じながら、【森羅万象】の一員となるべく気合いを入れ直す。
勿論クロードと親密になりたいはなりたいが、それは彼女が自分に好感を抱いて貰えなければ適わない。まずはギルドの仲間達と打ち解け、信頼を得る事が目標である。
――ひとまずはギルドの事をよく知り、馴染まないとな。俺は新入りからのスタートなんだから、地道にギルドの為に努力し、貢献していくんだ。
仲間として共に歩みたいという言葉は、嘘ではない。そして根が真面目な青年なので、楽をしたり取り入ったりという考えは頭にない。
こうして【森羅万象】は、新たな仲間を迎える事になったのだった。
次回投降予定日:2024/6/30(本編)