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忍者ムーブ始めました  作者: 大和・J・カナタ
第十五章 第四回イベントに参加しました・弐
338/573

15-19 観戦エリア・7

『【八岐大蛇】のヒメノ……参ります!!』


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「やったー!!」

「これで勝つる!!」

「これがヒメノちゃんの【変身】か……」

「ジンさんの【変身】と似てるね」

「顔のとこ……マスク部分? が、やっぱ違うんだな」

「キツネじゃなくて、ヘビの顔なのか……?」

「ヒメノちゃんが【八岐大蛇】って自分で言っていたし、そうなんじゃないかな」

「やっぱジンが【九尾の狐】で、ヒメノちゃんは【八岐大蛇】なんだな」

「あの高STRに、ジンさんのAGIだもんな? 似た様な系統のスキルを持っているのは、間違いないんだろうな」

「やっぱりユニークじゃね? 羨ましい」


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『は、はは……最悪じゃねぇか』

『これ、やばくない?』

『もうやだ、この夫婦』


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「PKerドン引きwww」

「ただでさえ、STRオバケのお姫様だからな」

「わかる、わかるぞwww」

「俺も当事者だったら、同じ反応してたwww」

「ところが傍から見る分には、最高な状況であってだな」


「うおおっ!! 戦槌を弾き返した!!」

「ちょwww 軽く小突いただけで戦闘不能だぞwww」

「一撃必殺過ぎるwww」

「世界よ、これが一撃必殺少女だ……」

「誰に向かって言っているんだ、お前は」

「これなんてラスボス?」

「止まるんじゃねぇぞ……」

「止められるはずが無い」


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『痺れさせてあげるわ!!』

『嫌です!! 【クイックドロウ】!!』

『え!?』

『はぁっ!?』


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「またヒメノちゃんは、そういうwww」

「”嫌です”ウケたwww」

「さっきは手で持ってブッ刺したけど、今度は投げたなw」

「あー、やっぱり死んだwww」

「これはもう、勝ち確だなぁ」

「大番狂わせは無かったな」


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『えーい、もうヤケよ!! やってやるわよ、とことん!!』

『どっせーい!!』

『ちょっ……おまっ……!?』

『私の方が、先約でしょ!!』


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「ヨミヨミイイィィッ!!」

「おーい、円卓の騎士(コヨミ推し最古参)が泣いてるぞー」

「感無量なんだろうよ」

「まぁ、コヨミちゃんかっこかわいいから仕方ないね」


「おい、PKerもコヨミちゃんを気に入ったみたいだぞw」

「配信見に行くって言ってるもんなw」

「PKerすら魅了するコヨミちゃん」

「いやだって、あんな活躍見せられたらなぁ」

「俺も次回の配信、絶対見に行こう」

「これは同接数がやばくなる予感w」


「いけー、ヒメノちゃん!!」

「よし、ヒナちゃん回復間に合う!!」

「これで形勢逆転だな」

「やっぱり、【七色】は……いや、何だあいつら!?」


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『ハッハアァッ!!』


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「……は?」

「……あっ」

「……おい」

「……!?」

「死体蹴りだと、あの野郎!!」

「おい、誰だよあいつ!!」

「こいつら、仮設Bだ!!」


「ヒメノちゃん、逃げろ!!」

「あぁ、ヒナちゃんが!!」

「ヒメノちゃん……!!」

「逃げて、ヒメノちゃん!!」

「ジンさん、はよ……!!」

「あっ……【変身】が、もう……!!」

「やめろクズ共ッ!!」


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『【閃乱】【一閃】!!』

『【デュアルスラッシュ】!!』


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「ジンさぁぁぁぁん!!」

「間に合ったー!!」

「ナイス、ナイス旦那!!」

「ってか、グレイヴまで来てんぞ」

「どうしたんだ、あいつ……」

「やっちまえ、ジン!!」

「ブッ殺希望」

「スーパー忍者タイム来るぞ!!」


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『余計な邪魔しやがったばかりか、死体蹴りなんてクソみてぇな真似しやがって……テメェら、覚悟は出来てんだろうなァ……!!』


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「( 'ㅂ')ヒッ!?」

「こわ……っ」

「ブチギレてんぞ……」

「グレイヴ的に、死体蹴りはギルティなのか……」

「いや、まぁ常識で考えたらそうなんだけど……」

「【漆黒の旅団】のPKerの発言と考えると、激しく違和感が……」

「死体蹴りはグレイヴの美学に反するんだろ、戦闘狂っぽいし」


「おいおい、あいつら顔色真っ青だぞ」

「ちびってんじゃねーの? 雑魚っぽいし」

「イベントに参加してない俺等の台詞じゃないけどな……」

「主犯のやつ、顔覚えとこ」

「安心しろ、スクショは撮影済みだ」

「やはり通報か、いつ実行する? 私も便乗する」

「花○院やめろ」


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『ヒメ、下がるでゴザルか?』

『……いいえ』


『私のヒナちゃんを傷付けた事……絶対に許しません……!!』


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「ヒメノちゃん……」

「こんなの応援せざるを得ないよ」

「まだ中学二年生なのに、何て強い子なんだ……」

「おじさん、涙が出ちゃうよ……」

「何で俺はあの場に居ないんだ……今あそこに居たら、ヒメノちゃんの肉壁にでも何にでもなるのに……」

「見守ろう、ヒメノちゃんの勇姿を……!!」

「頑張って、ヒメノちゃん!!」

「やっちゃえ、ヒメノちゃん!!」

「ヒメノちゃん、ファイト!!」

「負けるな、ヒメノちゃん!!」


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『野郎共、この姫さんを援護してやれ!! こいつらゴミクズ共を、一匹たりとも逃がすんじゃねェぞ!!』


『って訳だ、忍者。今回だけは、手ェ貸してやる』

『コヨミ殿!! リン、コン!! 標的は仮設ギルドBのプレイヤー、【旅団】の彼等と共闘するでゴザル!!』


『だそうよ、コヨミちゃん……殺し合い(デート)は一旦、お預けね』

『今、物凄いやばいルビふりしてません!? ねぇ!?』

『はぁ……ったく、あの人は……』

『≪メダル≫をここで使う羽目になるとはね。まぁ良いわ、これはこれで面白そうだし』

『って事らしい、くノ一の姐さん。今だけは共闘と行こうや』

『……良いでしょう』

『コン……(ブッ殺……)』

『狐さんや、今やべー事考えてね? 大丈夫か?』


『ジンさん、グレイヴさん』

『どうしたでゴザル?』

『手短にしてくれや』

『一つ、やりたいことがあります……時間を稼いで欲しいです』


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「共闘だと!?」

「グレイヴ、あんた漢だよ……!!」

「何だこの展開、バチクソ胸熱なんだけど!!」

「仮設B……あいつら終わったな……」

「仮設B終了のお知らせ」

「調子に乗って乱入したら、双方の逆鱗に触れてブチ転がされる展開ですねわかります」

「いや、本当にアレは酷いからな。むしろ何でアレやったんだ」

「アバターネームは”PIERTOR”?」

「読めないんですが」

「検索したけど出て来なかった」


……


「ヒメノちゃんの護衛に、ジンさんとグレイヴ……コヨミちゃんは、戦っていた短剣使いと共闘ですか」

「蘇生した二人は、そのままコンビ組んでいるな」

「【旅団】同士は解るんだが、コヨミちゃんと短剣使いはすげぇ連携プレイしてんぞ!!」

「短剣使い……名前は、リーパー? 死神じゃないですか、やだー!!」

「リーパーね、覚えた」

「そのリーパーが、コヨミちゃんの攻撃後の隙を埋めているね」

「これは良い連携だな」


「リンちゃんは曲剣使いの男と一緒に、キツネさんは魔法職の男と組んでるな」

「こっちも息ピッタリ」

「というか、リンさんもキツネさんもAGI高いからな。組んだ相手のフォローはお手の物なんだろうよ」

「あいつらの名前、覚えておこう。エリザ、アッド、グリム、ムジーク……」

「あのキツネさんは、コンだっけ?」

「コン、さん……!!」

「キツネのコンさん、ボスにしか見えません」

「ボスを飼う忍者」

「むしろジンさんがフィールドボスじゃん」

「温厚誠実なフィールドボスか……攻略本が厚くなるな」

「攻略出来るといつから錯覚していた?」


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『準備、出来ました……!!』


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「あれは、ヒナちゃんの……!!」

「ヒメノちゃん、まさかヒナちゃんの武器を使って……?」

「システム・ウィンドウをポチポチしていたのは、このためか」

「んー、あの杖って【森羅】のシアも持っていたよな」

「確かあれは、≪聖女の杖≫ってヤツだ。ガチャ排出アイテムだよ」

「ヒナちゃんは聖女だったのか……」

「そして今、ヒメノちゃんも聖女と化したのか」


「いやしかし、ヒメノちゃんのINTでは大した威力にならないんじゃないか?」

「炎の蛇も、耐えられていたからな……まぁ、エリザのMNDが高いせいもあるかもしれんが」


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『……【我等は比翼の鳥、連理の枝】』


『可愛い義妹の為、拙者の分も託すでゴザルよ』

『はいっ!! ヒナちゃんと、私と……皆の分で!!』


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「ん?」

「何だ、今の」

「夫婦間でしか解らないやり取り」

「比翼の鳥に、連理の枝か……つまり夫婦という事な訳ですが」

「比翼の鳥とは、雌雄それぞれ目と翼が一つずつで、常に一体となって飛ぶという想像上の鳥。連理の枝は、根元は別々の二本の木で幹や枝が途中でくっついて、木理が連なったもの。男女の離れがたく仲むつまじいことのたとえ。男女の情愛の、深くむつまじいことのたとえ。相思相愛の仲ということ」

「ググったんか」

「つまり、どういう事だってばよ?」

「二人はラブラブ」

「それは知ってる」

「まぁ、何かのスキルだろうな」


「あれは……昨夜も、ヒメノちゃんが使っていた」

「例のスパイ騒動か?」

「あぁ……ヒメノちゃんがそれを使った後、ジンさんのSTRがガン上がりしていたんだ……恐らく、ヒメノちゃんのSTRを借りたんだと思う」

「という事は、ヒメノちゃんにジンがINTを貸したんじゃないか?」

「そうか、道理で……」


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『【ディバインフォール】!!』


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「わお」

「これは凄い!!」

「神罰が下ったようにしか見えんな」

「ああ、仮設BのHPが根こそぎ散っているな」

「自業自得なんだけどね」


「読めないさん以外、死体蹴りしたヤツの巻き添えじゃん」

「死体蹴りの後でヒメノちゃんを囲んでたろ、同罪だよ」

「そう言われればそうだな。奴らは死体蹴りについては何も言わないで、ヒメノちゃんをよってたかって……あ、キレそう」

「俺はもうキレてる」


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『く、クソが……っ!!』

『死体蹴りなんてする、テメェの方がクソだろうが。ふーん……【PIERTOR】? なんて読むんだ、これぁ』

『あ、それ【ピーター】って名前らしいっす』

『読めねぇな。スペルミスだろ、コレ』

『うっせぇな!!』


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「まさかのスペルミスwww」

「えぇぇ、あれってピーターだったのかwww」

「ピーターだと、普通は【PETER】だよね?」

「そのはずだな」

「うわ、これは恥ずかしいやつ!!」

「この様子がAWO中に広まったら、こいつ恥ずか死するんじゃない?」

「それ、俺は一向に構わん!!」

「マジでウケるwww」

「今日……いや、第四回イチの爆笑案件じゃんwww」


「ん? おい、ヒメノちゃんが!!」

「何を……」

「ま、まさか殴っちゃうのか!?」

「まぁ、そうされて当然の奴だし良いんじゃね」

「でもそれやったら、ピーター(笑)と同類になっちゃうだろ!!」

「ヒメノちゃん、気持ちは解るがダメだ!!」

「いや……ジンさん、止めないつもりじゃね?」

()()ジンさんが止めない? それってつまり……」


「あ、あ……ヒメノちゃん……!!」

「いったあぁ!?」

「いや……!! 顔の横だ!!」

「地面がめちゃくちゃ陥没してるんですが」

「あれもアウトなのでは?」

「当たらなければ、どうという事は無い」

「それは避ける側のセリフな」


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『私はあなたを殴りません。でも……あなたは自分がやった事が、どういう事か解っていたんだと思います』


『二度としないで下さい』


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「わからされた」

「ヒメノちゃん激おこだったのね……」

「それでも殴らなかったのは、ヒメノちゃんの優しさなんじゃろうな」

「殴らんで正解だよ。あんなのに触れたら、ヒメノちゃんが汚されちゃう」

「激おこぷんぷんヒメノちゃんだったのか」

「激おこスティックファイナリアリティぷんぷん丸ドリームじゃないのか」

「そこまで行くと、世界が滅びるよ?」

「お前はヒメノちゃんを何だと思ってんの?」


「それにしても、中学生の女の子に諭されるピーターさん。プークスクス」

「NDKした気持ちでいっぱいです」

「ブレン様したい気持ちでいっぱいです」

「m9(^Д^)プギャー」

「愉悦!!」


「ピーター……マナー違反から恥を晒し、返り討ちにあっただけの人生だったな」

「あいつ、今後ログイン出来んのかな」

「何食わぬ顔でプレイしていたら、勇者って呼んでやってもいい。勿論、悪い意味で」

「仮設Bはもうダメだろうね……」

「二十人で二百ポイント。損失はでかいだろうし、ここから浮上は出来ないだろうさ」


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『不正なんてしている奴等にゃあな、心の中に驕りが絶対に生まれんだ。それは態度や視線、動きや攻撃にも出る。お前らにゃぁ、そんなモンは微塵もねェ……それが全てだろうよ』


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「……グレイヴさん!!」

「かっけー……!!」

「くそっ、イケメンが、イケメンがまた増えた……っ!!」

「これはグレイヴさんと呼ばざるを得ない」

「くっ……PKerなのに、ちょっと良いかもって思っちゃった……!!」

「グレイヴ△」

「惚れてまうやろ!!」


「まぁPK行為については賛否両論あると思うけど、少なくともグレイヴ達の態度は嫌いじゃない」

「イケメンで強い……しかも、心もイケメン」

「嫌いじゃないわ!!」

「ルナDさんお久し振りです、帰れ」

「優良PKerか」

「PKに優良もクソもあるかよ」


「おや? ヒメノちゃんが……」

「どうしたんだろ…………はぁ!?」

「お礼に回復……か。天使かな? 天使だったわ」

「ヒメノちゃんに癒して貰えるとか、それなんてご褒美?」

「癒されたい……ヒメノちゃんみたいな美少女に癒して貰えるなら、PKerに堕ちるのもやぶさかでない……!!」

「少なくとも、テメェはダメだ」


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『だから、それは感謝なんかじゃなく……俺等に借りを作らない為って事にしとけ。それなら、こっちにゃ否はねぇよ』


『アンタ、本当に何でPKerなんてするんでゴザルか』

『マジ勿体ないですよ、顔も性格もイケメンなのに』


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「ジンさんとヨミヨミが、俺達の言葉を代弁してくれたwww」

「ほんとそれなwww」

「まぁ、プレイスタイルというか、嗜好の問題なんだろうけどねw」

「しかしまぁ、あぁいうPKerなら居ても良い……のかな?」

「汚い手を使ってPKする奴等よりは、千倍マシだよ」

「正々堂々と勝負吹っ掛けて来る訳だし、格下狙いはしないって言うし……その辺りが本当なら、まぁ」


「ん? ヒメノちゃん?」

「拠点に帰還って、どうしたんだろ……」

「何かあったのかな……」

「もしや、ヒナちゃんが泣いているとか!?」

「それははよ帰らなきゃね」

「そういう感じではなさそうだけど……」

「ふーむ、何か新しい能力でも目覚めたか?」

「能力って、お前w それ言うなら、スキルだろ」

「新しいスキルオーブを手に入れたか?」

「いやいや、まさかねーw」

「そうはならんやろ」

なっとるやろがい。


次回投稿予定日:2022/10/30(本編)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 観戦者サイドがあると 試合が見やすいです [一言] ルナDさん お久しぶりです 観戦者サイドにも 今回のイベントとは異なる ポイントが加算されるイベントがあれば 楽しいかも………
[良い点] 後書きでツッコミされてたでござる。 円卓とルナDさん達も楽しそうで何よりw しかし、テンション上がったとは言え観戦できる所でのバッドマナーと追い込みはダメですよねぇ…。 精神的に追い込む…
[気になる点] PIERTOR(自称ピーター)さん、プレイ出来んぞ。 見つかったらいろんな方達に囲まれしな! [一言] PKするならPKされる覚悟が、ある人だけヤってくれ。
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